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スロースリップが起きると、大地震に発展するとの考え方があります。
スロースリップは大地震に発展できるのでしょうか。
 
怪しいように思います。
 
 
地震は、岩盤が破壊されることで起きます。
スロースリップが起きている場所は、既に滑っています。破壊が起きる場所は、残されていません。破壊による地震は、起きようがないのです。
 
では、地震が岩盤破壊ではなく、摩擦で止まっていた境界面が摩擦力を超える力によって一気に滑ることで起きると考えてみましょう。
この場合、静止摩擦係数と動摩擦係数との差が大きいことが条件になります。
スロースリップは、静止摩擦係数と動摩擦係数の差が小さい場合に起きると考えられるので、スロースリップから地震になるということは、動摩擦係数が途中で極端に変わることを意味します。
大地震は、少なくとも10km四方を超える震源域を持つので、突然、全域で動摩擦係数が激変するのは極めて不自然です。
あり得ないと考えるべきでしょう。


どうやら、スロースリップを起こしている震源域で地震に発展する事はなさそうです。




こんな情報があります。

東日本大震災では、1ヶ月ほど前から、震源域の北側でスロースリップが発生していたそうです。
スロースリップは、徐々に南下していき、東日本大震災が発生したのだそうです。
 
では、この情報を基に、震災発生前に地震を予知できたでしょうか。
地震予知の3要素(場所・規模・時期)について、要素毎に考えてみましょう。
 

まず、場所です。
スロースリップの震源域は、南へと移動していました。
地震が発生する場所は、『スロースリップの移動方向である南側だ』とは言えるかもしれませんが、スロースリップがどこまで移動を続けるのか、決め手がありません。
精々、日本海溝の西側で、宮城県沖より南側としか言えません。
特に、南側は範囲を定めることが難しいと思います。
 
次は、規模です。
これも、精々『大地震が発生するリスクがある』としか、言えなかったと思います。
スロースリップが発生しても、大地震になることは稀です。
ほとんどの場合、周辺で中規模以下の地震が増える程度です。
規模を特定するための根拠が見当たりません。
東日本大震災を経験した現在においても、スロースリップだけで規模を予測することは無理だと思われます。
 
最後は、時期です。
『スロースリップは発生しているので、遠くない将来に地震が発生しそうだ』としか言えないでしょう。
『場所』の項でも説明したように、スロースリップの震源域が南下を続けていて、そのどこで大地震になるのかを決定できない以上、いつ地震が発生するのかを特定することもできません。
しかも、発生する地震が大規模なものになるとは言い切れないので、『とにかく地震は起きそうだ』くらいのニュアンスになりそうです。


これに加え、東日本大震災では、2日前にM7.3の地震が発生しており、スロースリップが対応する地震の判別は難しかったと考えています。
M7.3の地震自体が、阪神淡路大震災や熊本地震と同規模の巨大地震であり、スロースリップが指し示す地震がこの地震だったと考えても不思議ではありません。
また、スロースリップが継続していたか否かは、この地震による余効変動に隠れてしまい、確認はできなかったはずです。
 

以上からみても、スロースリップで大地震を予測することは難しいと思います。
 

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