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初めに断っておきますが、オスプレイにも、空中給油にも、それほど詳しくはありません。
それゆえ、本内容は私個人の推定によるものです。
そこを踏まえて読んで頂ければと、思います。

 
空中給油は、飛行中の航空機に給油する事を指します。
何通りかある空中給油方式の中で、今回の事故はプローブアンドドローグ方式で発生しました。
プローブアンドドローグ方式は、空中給油機から伸びたホースの先端のバトミントンのシャトルに似たプローブに、空中でパイプ(ドローグ)を繋ぎます。
空中給油機からヘリコプターへの給油はこの方式しかないので、ヘリコプターを代替するオスプレイも同方式を採用しています。

オスプレイの空中給油は、固定翼モードで行われます。
回転翼モードでの空中給油は、設計段階から考慮していなかったと思います。
回転翼機の空中給油は、固定翼機に比べて格段に難しいと言います。
なので、難易度が高い回転翼モードでの給油機能を持たせる理由がほとんど無かったためでしょう。
国防研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務めたというレックス・リボロ氏は、「回転翼モードで補給することができない事実は、予期されなかった航空機の欠陥である」と言っていますが、この御仁、本当に元主任分析官なのでしょうか?
もし、本当に元主任分析官だったのなら、日本のメディアは彼に食い物にされていることになります。

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プローブアンドドローグ方式は、位置合わせが難しい事と給油速度が遅い事から、大型機では使用されません。
オスプレイは、プローブアンドドローグ方式を採用する航空機では、大型に分類されると思います。全幅は最大かもしれません。
機体が大きいほど困難になる空中給油ですので、オスプレイの難易度は、かなり高いだろうと推察されます。


さて、2016年12月13日のオスプレイの事故ですが、他の方式の機体で同じ事故が発生したのなら、どうなったのでしょうか。

まずは、双発のプロペラ機の場合を考えてみましょう。
双発機の左翼のプロペラが損傷したとします。
常識的な措置として、まず左翼のエンジン(第1エンジン)を停止し、プロペラのピッチをフェザリングモードに切り替えます。
こうすれば、損傷したプロペラによる振動は少なくなります。
残った右翼のエンジンの推力だけで飛行を続け、基地まで帰還できます。

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 では、固定翼モードで空中給油をしていたオスプレイは、なぜ不時着するしかなかったのでしょうか。
オスプレイは、左右のローターをシャフトで繋いでいます。
これは、左右のローターカウンタートルクを打ち消すために、両ローターを同期して回す必要があるためです。
これ自体は、タンデムローターのヘリコプターと共通する構造です。
更に、エンジン故障時に備え、エンジンをローターから切り離すためのワンウェイ・クラッチも備えています。
この構造のお陰で、エンジンが一基故障しても、飛行を続けることができるのです。

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ところが、今回の事故では、この仕組みが仇となったようです。

左のローターブレード損傷したオスプレイは、左のローターの回転を止めることができなかったのです。
左のローターを止めるには、連結している右のローターも止めるしかないからです。
事故機は、左のローターを無理矢理回し続けたために損傷が酷くなり、最後には充分には回転できなくなって右のローターの推力も落ち、降下したのでしょう。
不時着した機体から、ローターは固定翼モードのままだったことが判明しています。
おそらく、ローターは殆ど回転していなかったと思われます。
なので、回転翼モードに切り替えても揚力は生まない状態だったはずで、僅かでも推力を得るために、固定翼モードのまま最後まで飛行したのだろうと推定しています。


ここまで書くと、オスプレイに批判的な方々は、「やっぱりオスプレイは危険だ!」と言われるかもしれません。
ですが、オスプレイが回転翼モードに切り替えられなかった理由を考えると、今回の事故機と同等のダメージを受けたヘリコプターでも同じことが言えるはずです。
となれば、固定翼機のように飛べるオスプレイよりも深刻な事態が発生した可能性があります。
ローターが損傷しているので、オートローテーションは使用できないでしょう。
ですから、とにかく早く高度を下げ、海上に不時着するしか選択肢はないと思います。


ごちゃごちゃと書いてきましたが、今回の事故原因を調査し、再発防止をしてもらいたいところです。
下手に、「空中給油の事故で大破」⇒「だから墜落」⇒「だからオスプレイは危険」という中身の無い批判は、事故原因を隠す状況を作ることにしかなりません。
キチンとした調査が行われるのか、推定される要因はキチンと説明されているのか、しっかりと見ていくべきだろうと思います。

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