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タトゥイーン(Tatooine)は、映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場する架空の惑星である。(wikipediaより)
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一人旅的なモノに引かれるようになったのは22の頃。
「深夜特急」にかぶれた同級生が飲んだくれて語る、ローマの夜のことであった。
自分の旅のことなのか沢木氏の旅のことなのか、赤ワインに焼酎混ぜちゃって「いいじゃん酒なんだし」くらいのいい加減で、それでいてエネルギッシュな酔い。
そして24のころ、私は北アフリカはチュニジアという国を旅した。
地中海に面し、向こうはイタリア。青空と唐辛子とオリーヴ、白い壁に青い屋根と窓枠。
混沌とした市場。むせ返るマトン臭。アラビア文字とフランス語。コーランとミナレット。
そして砂漠、そしてタタウィン。
タタウィンは、チュニジアの首都チュニスから約10時間、内陸部にある砂漠の街である。
寂れた田舎町だが、私には目的があった。
クサールという住居群跡である。
かつて、このチュニジアには先住民(ベルベル人)が暮らしていた。その住居がクサールである。
クサールはタタウィンから半径約30kmのところに点在し、観光スポットともなっている。
いや、観光スポットになったのはきっかけがある。
思うに、映画『スター・ウォーズ』シリーズのロケ地になって以来である。
ご存知の方も多いと思うが、主人公であるアナキンと息子のルークの故郷は惑星タトゥイーンである。
そう、惑星タトゥイーンのシーンの多くはタタウィンでロケされたのだ。
しかも、モス・アイズリー宇宙港や主人公の家は、クサールをそのまま使用したという。
宇宙を光速で進むとかデス・スターだとかライトセーバーだとか金ぴか野郎がいつつ、辺境の惑星の民はほら穴みたいなとこでウジウジしてます的なカオスな世界観が大好きなのだが、そのほら穴が天然(?)なものだったとは!絶対セットだ、金かけるなあ、これだからハリウッドは、とか思ってた。
土地のものを生かしつつ別の世界を築き上げるなんて、映画ってやっぱり魔法だ。
頭の中でジェダイのテーマをかけながら、じっくり鑑賞させていただいた。
でも次第にジョン・ウイリアムスがそぐわなくなる。現実のクサールにはジャバ・ザ・ハットはいないからだ。
ひぐらしが実写化されて、高遠に若いお客が来たときも、こんな思いをしたのだろうか。
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さて、クサール観光の折はタクシーを使って金を巻き上げられたり、ガイドを名乗るアホにコーヒーやタバコをおごらされたり、おごったのに「マルボロはまずい」くらい吐き捨てられたりしたんですがね。
そのガイドが少しトんだ野郎で、昼飯食いに行こうぜとか言われたと思ったら、市場で買い物に付き合わされ、砂漠なのに魚を買ったりして金を払わされ、ヤツの家(街から離れた砂漠の中)に連れてかれ、ゲーッ貞操がとか思ってたらお母さんと妹と弟が出てきて安心したり、ご飯ご馳走になったり、なにこのウルルン滞在記は、だったんですよ。でも裸にむかれたり、生水を飲まされたり、夕方砂漠の真ん中に置き去りにされかけたり、ほんとにウルルンだったんですが、その話はまた今度にします。
(しょうすけ)
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