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「乳白色・・・ですか?」
「そう、透明感のある乳白。塗装はいらない」Y部長は答えた。
「裏面はフラットで、表だけを作る形だ」という。
これは図鑑などに見られるような、ダニを真上から見たときの
状態で作り、その裏側、つまりお腹側は作らず真っ平ら。
つまりブローチのように作るということだ。
「数は? 一つあればいいのですか?」
「3つ必要らしい。どちらを使う?シリコンかウレタンゴムか」
「型取り用の半透明のシリコンがあります。
その条件であればシリコンで対応したいと思います」
私はそう答えた。
「専用トナー(顔料)の白を若干混ぜれば乳白色に出来ます。
強度的にも撮影に十分耐えられるはずです。ただし、問題が一つ。
成形の型剤に何を使うか、ということについてです」
シリコンで成型品を作る場合に重要な項目として、
「型材に何を使用するか」ということがある。
これには、原型の形状やディテールが密接に関わってくるからだ。
「ダニはどんな形になりそうですか?」
「マンガっぽいけれど、それなりに作りこむ必要はありそうだ。
原型はM君に担当してもらう予定でいるから、一度打ち合わせを
する必要があるね」
条件は決まった。
Y部長、原型担当のM君と打ち合わせをする事になるが、
最初の段階で、完成状態から逆算し手順を考えなくてはならない。
今回は軟質材料への置き換えである。
慎重にならざるを得ない理由があるのだ。 続く。
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