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私はその不安を2人に伝えた。
「あまりにも繊細なディテールは型に欠損が生じやすくなります。
型取り用のシリコンを使うわけですから、ゴムといっても
それなりの強度や硬度になります。脱型作業(型から成型品を取り出す事)が難しくなります」
「無理やり引き抜く事になるから?」
「そうです。型に損傷を与えるかもしれませんし、
場合によっては、シリコン側に影響が出るかもしれません」
Y部長の問いに私は答えた。
「軟質素材ですから、脱型した時点で見つかる『欠けや気泡』の
修正が出来ません。型から出した物がそのまま完成となります」
ゴム素材は硬質の素材―プラスチックのように―パテ材などを
使っての修正、加工は事実上出来ない。出来上がった物が
そのまま完成品となる。
とはいえ、「ある程度作りこむ―マンガっぽさを失わず」という
条件は、我々に課された条件である。それはクリアしなくては
ならない。
もちろん、技術上―時間、コストなども含め―発生する問題や
不可能な事はクライアントに提示する必要はある。
が、全て「不可能・出来ない」と言い続けるわけにもいかない。
「でも、形状的な事は多分変えられないよ、そんな難しい事は
要求されてないからね・・・」
「そうですね・・・」
「でも他に方法ない?」Y部長は言った。
「他の方法ですか・・・・?」 続く。
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