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はじめは偶然だった
振り返るとあなたが友達と一緒に登校していた
ほんの少し何かが光った気がした
いつしかあなたの姿を探すようになった
何も変わらない朝の連続が
その日から少し変わった
儚い希望を神様が桜の花びらとともに叶えてくれた
同じ教室の窓側にいるあなた
いつも友達とおしゃべりしていた
なぜかあなたを見つめていると安心した
風の歩みとともにあなたのことをいつも考えていた
あなたのことを考えるだけで心が温かくなった
季節の羽ばたきとともにあなたの声が聞きたくなった
何気ないことでいい
あなたとお話がしたくなった
手紙を書いた
放課後の緩やかな時間のなかであなたに手紙を渡そうとした
顔がほてるのを我慢して手紙を握り締めて
あなたに声をかけた
「これを・・・」
「読んでください」という声はなぜかかき消されてしまった
手渡した手紙は汗でくしゃくしゃ
あなたは笑って言った
「今度この手紙に内容を聞かせて」
週末の木漏れ日の中
初めてのデートをした
いっぱい話をしていっぱい笑った
だけど手紙の内容については話さなかった
心の中が暖かい綿菓子でいっぱいになったから
いくつかのデートを繰り返しあなたの声を聞いていたら
あなたの体に触れたくなった
冬空の動物園
象の檻の前であなたの手に触れてみた
あなたは優しく私の手を握り返してくれた
クリスタルの雪が賛美歌を歌っていた
まだ子供だったあなたと私
大人への旅立ちに迷いながらすれ違いの日々が続いた
私は理想と現実の狭間で拒絶していた
あなたの声もあなたの肌も
遠ざかる雷鳴の光のように喧嘩してしまった
離れ離れになる日が近づく
お互いの学び舎を隔てる葦の海原
あなたは一輪の白いバラを持ってきた
今まで花言葉なんて知らなかったあなた
精一杯の努力を買って私はそのバラを花瓶に挿した
白いバラが枯れるまで待ってあげる
そっとあなたのおでこにキスをしたくなった
魔法の箱を使ってあなたの声や言葉を受け取る毎日
触れ合った日々を思い出しながら
あなたの姿を思い出す
たとえそれが幻でも私のハートは少し暖かくなる
あの雨上がりの空に浮かぶはぐれ雲に乗って
あなたに会いに行こうかしら
離れ離れになって二回目の誕生日
私はあなたからのメールを見ながら一人でハッピーバースデー
去年と同じこの日が寂しいとあなたにメールをしたけれど
あなたからの返事はまだ来ない
夜半過ぎに降り出した雨
不意にドアを叩く音
あなたはずぶ濡れになりながら
1000キロ彼方から鉄の馬で会いに来た
白馬ではなかったけれどあなたは私の王子様
水飴のような濃厚な時間が過ぎた後
あなたは小さな箱を持って現れた
なかからは夜空に輝くような星のきらめき
あなたの真っ赤な顔からは湯気が昇っているよう
そっとひとこと呟くあなた
「結婚・・・して・・ください」
私の瞳にも夜空の星が輝いて
小さく小さくうなずいた
「はい」
私の体はこの世に始めて光が生まれたときのように
真っ白に輝きはじめ
あなたの横に立っていた
天空の彼方から七人の天使が
歓喜のラッパを吹き鳴らす
あなたとの誓いの口付けの後
ライスシャワーに打たれながら
未来に続く虹色のこの道を進みましょう
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