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そう信じて疑わないオケを聴いてきました。
このオケの定期はまだ10回しか開催されていないので、7回も聴衆として通っている私はそろそろ常連客になりましたかね(笑)。
それにしても、この日は駅のホームで電車を目の前で1本逃し、最寄り駅に到着したのは開演5分前…。
そこからダッシュで当日券を買って着席したら指揮者が入場した所でした。
これは遅刻していたら一生後悔しそうな超名演だったので、自分に残った若さの残滓についつい感謝せずにはおれない土曜日の昼下がり(笑)。
【ジャパンシンフォニア第10回定期演奏会】
4/12@第一生命ホール
指揮:井上喜惟
ソプラノ:蔵野蘭子
管弦楽:ジャパンシンフォニア
[曲目]
・ブラームス:悲劇的序曲
・R.ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集
・ドヴォルザーク:交響曲第7番
ブラームスが大変な名演!
何が凄いって音色の厚みがまるで違う。
弦楽器は1st.から9,8,6,6,3の小編成であったが、倍を擁す有名オケ以上に渋みのある深い音色。
特に躍動する弦楽器からは複層的な力強い響きが鳴り、テンポは通常よりゆっくり目だが、退屈させられる事のない揺ぎ無い音楽を奏でる。
管楽器はホルンに不調が見られるも、全体として花を添える、という表現(そういえばこの指揮者の持論が管楽器は『華を添える』役目というものだった)以上の圧倒的なトゥッティとしての充実を見せる。
それが一体となって響く様は、ブラームスをすっきりと演奏させたり、やたらと神棚に祀るような演奏とも違う、濃厚なストーリーを伝える。
ロマの唄のような土俗を伴った激情が展開され、通常では聴く事のない名演奏を展開。
ワーグナーはソプラノとのブレンドが巧み。
全曲を通じて物悲しさを表現しながら、2曲目での悲嘆や3曲目でのもの悲しさ。
そして、終曲での次第に消え行く幅の広い歌唱とサポート。
ヨーロッパ的かどうかというより、兎に角圧倒的な質感の音がそこにある。
但し、管楽器で細かなミスが散見されたのはライブである分、仕方がないものだが(このオケだと贅沢を望んでしまう私がいる…)、オケがよく響くものだから、ついつい歌唱以上に聴かせてしまう。
ワーグナーでは、管弦楽も華やかなだけにバランスは難しいだろうが、もう少し独唱に舵を取らせてみて欲しいものだった。
ドヴォルザークは第1楽章の冒頭からホルンがイマイチで、トゥッティまでぎこちなく、音色がまるで乗ってこない。
しかし、弦楽器が物凄いアンサンブルの冴えを見せ、重量感ある演奏でペースを掴んでいくと、管楽器も段々とアンサンブルがピッタリ嵌まってくる。
この様はやはり尋常でなく凄い!
3楽章の民俗性とドイツ的な様式の折り重なった表現には感嘆。
これぞジャパンシンフォニアである、という重厚な深みを持った音色を堪能した素晴らしい演奏会だった!
ところで、ついつい会場先行発売という昨秋のブラームス1番他を収録したCDを購入してしまう(笑)。
このライナーに寄稿しているのが許光俊。
パンフレットにも同じく許光俊が寄稿している。
しかも今回も2階席にいたし(笑)。
書いてある言葉が奮っている。
「私や、他の何人かの耳がいい人たちがこれだけ彼らを高く評価しているのにもかかわらず、彼らの人気や評価がぐんぐんと高まっていかないのは、聴く人間の大半がその味わいを感じ取れないからである(中略)。つまり、彼らが立派な演奏をすればするほど、日本の一般レベルの音楽愛好家の理解力から離れてしまわざるを得ないという、悲観的な推測が成り立ってしまうわけである」だそうだ。
所詮は、私も理解力の無い聴衆であり(笑)、"ヨーロッパ"的なる音色はイマイチ理解しきれてはいないのだが、このオケは物凄いズシリとした手応えがありながら、絹地のような質感の柔らかさがある、とても魅力的な音色を持っている事は確かだ。
新発売のブラームスは聴いてみたが、実演を聴いた当初から思っている事だが、このオケのブラームスとしては1番出来が悪いと思ってしまう。
アンサンブルにいくらか穴がある点と2楽章の独奏ヴァイオリンのピッチなどが気になる。
トゥッティ部分の推進力は圧倒的だが、音色の質感の再現性もCDではイマイチ。
実演はこの何倍も凄い。
更に、このオケのブラームスはCDに収録されている第9回定期(2007/11/10)の1番と同日に行われたドッペル・コンチェルトがあり、こちらも今回の悲劇的序曲のように土俗さえも包含する凄絶な演奏で、こちらの録音を是非市販して欲しい。
ついでに、第5回定期の悲愴、第7回定期のハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲、第8回定期のモーツァルトの声楽付きも是非御願いしたいものだ。
何かこれだと追っかけストーカーみたいだな(苦笑)。
どうでも良いが、このCDにはムラヴィンスキー編曲のショパンのエチュード「別れの曲」(第5回定期の際に演奏。確か初演)が収録されている。
1920年代の学生時代に書かれたものというが、後年の激しい人生からは想像出来ない柔らかい曲の編み方は有為転変の有り様を感じさせるものだなぁ、と思いつつ…。
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初めまして、私も同感ですね、悲劇的序曲・・初めて生聴きでしたが
交響曲的な音楽の印象を受けました・・
私は、ジャパンシンフォニアを二年程前から、追っかけ鑑賞してますが、素晴らしいオケ集団ですね
<ブラームスが大変な名演!何が凄いって音色の厚みがまるで違う。
http://blog.goo.ne.jp/miken_001/c/cba8ce3d1cc5705388605b8ef801d4f3
2008/4/14(月) 午前 11:37 [ mit*320** ]
初めまして、丁寧なコメント有難う御座います!
先程ブログを拝見させて頂きました。
私はとうとう4年目の追っかけになってしまいましたが(笑)、このオケの音色の深みは圧倒的だと思います。
次回はバルトークも入る意欲的なプログラムなので、早く聴きたいですね!!(笑)
2008/4/14(月) 午後 0:48
ご隠居さんがそうおっしゃる程とは・・・!
是非行って見たくなりました(^^)
要チェックやわ!☆
2008/4/14(月) 午後 3:47
要チェックやで〜(笑)。
次回定期は11/9で、曲目はバルトークのルーマニア民俗舞踊、ブラームスのヴァイオリン協奏曲、シューマンの2番となっています。
ブラームスが繋ぐハンガリー国民楽派からドイツロマン派への旅ですね(笑)。
因みに、HPです→http://www.japansinfonia.com/
2008/4/15(火) 午前 0:39
HPご紹介ありがとうございます!
さっそくお気に入りに入れてみました!(^^)
2008/4/15(火) 午前 9:10