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以下、ニュースより引用。

浜岡原発、首相の要請を受諾…運転停止へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110509-00000803-yom-pol
読売新聞 5月9日(月)17時22分配信

中部電力は9日、臨時取締役会を開き、菅首相から要請を受けていた浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止を受け入れることを決めた。
停止期間は、防波壁の設置工事などの津波対策が完了する2〜3年程度になる。
中部電は「首相の停止要請は重く、受け入れは避けがたい」(幹部)として、基本的に受諾する方向で協議していたが、浜岡原発を全面停止した後も管内に電力を安定的に供給できるかどうかを見極めるため、7日の臨時取締役会では結論を持ち越した。
その後、休止中の火力発電所の再稼働に必要な発電燃料のLNG(液化天然ガス)の追加調達にめどが立ち、電力需要がピークを迎える夏場を乗り切れる見通しとなったため、中部電は全面停止を受け入れることになった。

以上、引用了。

関連する法について全く知らないのではありますが、一般的な行政の措置として感じた事を少々。

この件は、飽くまで首相の「要請」を受け入れた、という点が重要です。
元々、首相が「要請」という言葉しか使えない事から分かるように、この措置は法的スキームに根拠が求められない形のものであり、強制力のない(超法規的措置ではない)「要請」で、行政が私企業の活動を制限する事になります。
前提として言えば、法的には、浜岡原発がいくら『世界一危険な原発』と名を轟かせようとも、耐震性などの基準をクリアしている以上、原発を運転してはならない理由が存在しない、と理解すべきでせう。
にも関わらず、政府は勝手な「要請」をして、私企業の活動を制限する訳です。
そうであるからには、政府の補償は当然に検討されている事でせう(…というか、ある程度具体的な話が決まっていると思います)。
これについて、財源をどう賄うかはどの程度検討されているのでせうか?
また、発電量としても結構な量(3〜5号機の合計が約360万kwで中部電力の総発電能力の10%超)になりますが、ピーク時の電力供給のコストは負担しきれるのでせうか?
何だか、行政の決定にコスト意識の観点がスッポリ抜け落ちているような気がして、少し不安を覚えます。
私企業の活動への介入としては、かなり見通しが甘くないでせうか?
このような不明点が多い状況で、一部のテレビのコメンテーターなどは何故、「英断」などと言えるのでせうか?
本来なら、復興財源は被災地に集中させねばならないはず。
東電の補償問題もそうですが、見通しが欠けたまま、性急な議論を展開するのは如何なものか、と思わずにはいられません。

さて、ついでなので東電について。
記憶に新しい事例を紐解けば、直接的に国民の安全を損ねた訳ではないJALでさえ、負債を抱えた結果、倒産手続きを取ったのを鑑みれば、今回の東電に要求されるべき企業責任はとても重いものではないか、と思われます。
そうした会社が、自然災害だから免責を、という点について強くアピールするのは如何なものでせうか。
事業自体は、基本的には黒字が保証されているものであり、そんな企業に対して、政府支援ありき、受益者負担ありきで物事を進めても良いのでせうか?
せめて、取締役は自身の役員報酬を全額カットくらいの誠意は見せても良かったように思いますが、40%カットという、米自動車メジャーがリーマンショックの際に打ち出した1ドルよりも、ずっと大甘な数字しか出していません。
因みに、この米自動車メジャー3社については、これでも批判がやまず、GMはチャプター11と言われる倒産手続きが取られたのは記憶に新しいです。
この部分については、今後、カット幅自体は拡大するようですが、幅の拡大ではなく、役員報酬については経営責任として全額カットくらいは当然に打ち出して欲しいと思います。
これは、一般社員は雇用契約を結んでいるに過ぎず、個人が責任を負わないのが原則であるのに対して、取締役は会社から経営を委任された存在であり、取締役個人が責任を負わねばならない、という会社組織の根本から考えても妥当ではないでせうか。
一方、株主は、既に株価で損は被っており、会社更生手続きをすれば、株式はほぼ無価値となる更なる大きな損失となるかも知れませんが、株式による投資にリスク負担がつきものなのは当然であり、投下資本以上の責任は負わないのですから、やむを得ないと思います。
このような負担をしてから、政府支援が出てくるべきではないか、と思います。

因みに、以上のような事、特に役員報酬については、ある場で確認が行えます。

株主総会です。

法律で規定されている事として、役員報酬は、株主総会の決議によって決められる必要があります。
東電の場合も、現経営陣の方針を受け入れている大株主によって、過半数は維持されていると思われます。
しかし、そうした大株主をもってしても、会社法に背いた役員報酬の支給は出来ませんから(株主総会自体が後に問題になるので)、取締役の報酬に関しても、株主総会の決議(会社法361条)によらねばなりません。
つまり、株主(但し、今から株式を買っても間に合わない可能性もあります)であれば投票による意見表明や議案提出(保有株式数などで制限あり)が可能ですから、こうした責任追及の形が公に見える可能性は高い訳です。

現状では、不透明な部分に不信や不満も募るかと思います。
更に言えば、優先されるべきは「復興」ではあるでせう。
しかし、やはり看過されてはならない責任というものも、未だ沢山あるように思います。
こういう時だからこそ、物事の推移に対して目を背けていても好転しない、という事を胸に刻み、何が出来るかを問うていく、厳しい作業を私達個人でも行っていく必要があるのではないか、そんな事を思っています。

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