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妻子あるXは、交際していたY女から執拗に結婚を迫られて同女が邪魔となり、自らは死ぬつもりがないのに「この世では一緒になることができないから、2人で心中してあの世で結ばれよう。2人でいった思い出の海岸で死のう」と言葉巧みにYに心中を持ちかけ、同女を断崖まで連れていき、Xが追死してくれるものと誤信したYをXの目前で断崖から海に飛び込ませて溺死させた。 Xの罪責を論ぜよ。 Yは自殺であり、Xに殺人罪(199条)は成立せず、自殺関与罪(202条)に過ぎないかに思える。 しかし、Yの自殺はXの追死の意思を信じたものである。 ここでXは、Yを欺罔し自殺意思を生じさせ、自殺を実行する場所まで連れていき、Yに飛び込ませていることから、自己の真意に沿った行為ではなく重大な瑕疵ある意思による行為である。 つまり、Xは欺罔によりこのような精神状態に被害者を陥らせた上、自殺を実行させたのであり、これは作為による殺人の実行行為と同視しうる。 以上より、自殺関与に過ぎないとは言えず、Xは殺人罪の罪責を負う。 以上
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