或る駄目人間のブロ愚…orz

ラトル/ベルリン・フィルのマラ9チケット確保!今年最も期待!!

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納まったので総括的に



昨日は仕事納めでした。
結局、業務時間が足りない中で巧くこなしきれず、移動などの指示も私はきちんと出したのですが充分に機能しなかったので怒られてしまい、何だか少し釈然としなかったものの、何とか形を付けてきました。
取り合えず、忘年会は何とか奢って貰えそうなので良かった(笑)。



さて、今年も聴衆として総括的な話をしようかと思います。

印象的な公演は沢山ありましたね〜。
今年はオペラよりもオケ公演の方に印象深いものが多かったように思います。
国内オケでは都響、読響、新日フィル、に佳演が多かったように思います。
特に、都響の充実ぶりは日本発のオーケストラ文化として非常に重要なものと位置づけられ得ると思いますし、読響はスクロヴァチェフスキ、ヴァンスカとの良好な関係からの力強い演奏の好演、そして新日フィルはアルミンクと行ったツィマーマン、ブリテン、ヤナーチェクといった作品が印象深く、ミョンフン、エッティンガーとの東フィル、スダーン、大友らとの東響といったオケも期待したいです。
海外オケでは、後述するものが多いですが、年頭のシュトゥットガルト放送響やフランクフルト放送響なども良かったです。
オペラではウィーン国立歌劇場を筆頭に、「エフゲニー・オネーギン」を響かせ、「利口な女狐の物語」に挑戦した小澤、更には「魔弾の射手」、「軍人たち」、「トゥーランドット」の出来が良かった新国立劇場、「マクロプロスの事」は音楽で「エフゲニー・オネーギン」は演出で魅せてくれた二期会、オペラで本領発揮したゲルギエフ、と今年も素晴らしいものに色々と逢えました。
更に、ソロ、アンサンブルでは、バーバラ・ヘンドリクス(貼り付けた画像の「アヴェ・マリア」も彼女です)、イアン・ボストリッジらの声楽陣やフランク・ブラレイ、ペーター・レーゼル、といったピアニストなども忘れられません。
アンサンブルではアルゲリッチ、カプソン兄弟のアンサンブル、アルバン・ベルク4重奏団。
コンチェルトのソリストとしてはツィメルマン、クレーメルのベテランに加えてフランシスコ・フローレスのような若手も聴けました。
こうして書いてみると結構色々聴いてるもんですね(笑)。

という事で、今年のコンサート10傑といった風情で。
自分で書いていながら、「何故これが10傑に入らないのか!」と断腸の思いで選びました。
来年も良い公演に出逢えますように。

第10位
11/29 ファジル・サイ
・ムソルグスキー:展覧会の絵
・サイ:ブラック・アース
・サイ:サマータイム・ファンタジー


自作さえも音に淫するように解体、再構築している姿に吃驚させられた公演です。

第9位
4/12 井上喜惟/蔵野蘭子/ジャパンシンフォニア
・ブラームス:悲劇的序曲
・ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集
・ドヴォルザーク:交響曲第7番

この日の悲劇的序曲の半端じゃない熱量ある音は今もって忘れられません。

第8位
4/29 エリアフ・インバル/ソリスト,合唱多数/東京都交響楽団
・マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」

上野では未完成だった部分が練り込まれたこの日が3公演で最も良かったです。

第7位
11/13 イアン・ボストリッジ/ジュリアス・ドレイク
・ブリテン:歌曲集「冬の言葉」より
・カワード:歌曲集
・ワイル:ウォルト・ホイットマンの4つの歌曲


知性溢れるプログラミングと良い、しなやかで美しい演奏と良い、今年最高の独唱でした。

第6位
9/6 小澤征爾/サイトウキネン・オーケストラ
・モーツァルト:交響曲第32番
・武満徹:ヴィジョンズ
・マーラー:交響曲第1番「巨人」

感情過多な面を剥ぎ取って突き進んでいくマーラーで、人生最良の小澤体験となりました。

第5位
11/4 フリードリッヒ・ハイダー/エディタ・グルベローヴァ 他/ウィーン国立歌劇場管弦楽団,合唱団
・ドニゼッティ:歌劇「ロベルト・デヴェリュー」

まさにコロラトゥーラ、といった感情の発露は凄かったです。
グルベローヴァ、という逸材の存在感が他を凌駕していました。

第4位
10/21 エサ・ペッカ・サロネン/ロサンゼルス・フィルハーモック
・ファリャ:「恋は魔術師」より「3つの踊り」
・ラヴェル:バレエ「マ・メール・ロワ」(全曲)
・ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」(全曲)

サロネンの若くして築き上げた関係性の濃さがよく窺える、機能美を追求した音色でした。
楽譜が立体的に起こされて浮かんでくるような印象の公演でした。

第3位
11/26 サイモン・ラトル/マグダレーナ・コジェナー/ベルリン・フィルハーモニック
・ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」
・マーラー:リュッケルト歌曲集
・ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」

アンサンブルが素晴らしいオーケストラとはこういうものか、と得心がいった演奏会です。
ベートーヴェンを新鮮な清澄さをもって体感出来た貴重な体験でした。

第2位
11/3 テミルカーノフ/デニス・マツーエフ/サンクトペテルブルク放送響
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
・チャイコフスキー:交響曲第5番

今まで人生の中で、最高のチャイ5を耳にしました。
テミルカーノフの深い音楽哲学が窺える名演だったと思います。

第1位
4/14 ケント・ナガノ/モントリオール交響楽団
・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
・ドビュッシー:交響詩「海」
・R.シュトラウス:アルプス交響曲

ドビュッシーの美しさ、そしてうねりと爆発を生むリヒャルト。
方向性の異なる2つの物凄い美質を持った音楽を聴けた事実がとても幸せでした。

最後に一言。
皆様、今年も御世話になりました&来年もまた宜しく御願い致しますm(_ _)m

今年のBPOのジルヴェスターはアメリカ音楽特集だそうなので、私から皆様に年末のプレゼントです(笑)↓


それでは〜。
実は、前回の記事は5000字の字数指定に引っかかって掲載したい注目公演をかなり絞ってました。
なので、今回も盛り沢山でお送りします(笑)。

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【私的超推薦演奏会】

4/29,10/25@第一生命ホール
指揮:井上喜惟
ソプラノ:蔵野蘭子
チェロ:小澤洋介
管弦楽:ジャパンシンフォニア
[曲目]
第12回定期
・ラヴェル:クープランの墓
・ショーソン:海と愛の詩
・フランク:交響曲
第13回定期
・エルガー:Vlc.協奏曲
・ブラームス:交響曲第4番 他

このオケの音は兎に角特別!
これほど厚みのある音色のオケは東京に2つとありません。
フランス系の作品が並ぶ12回と保守の研究から革新へ至る作品が並ぶ13回のどちらも聴き逃せません。

5/23,7/25,9/12,12/12@サントリーホール
指揮:大友直人
管弦楽:東京交響楽団

第29回「プッチーニ&ヴェルディ」〜イタリアオペラの楽しみ〜
第30回「バーンスタイン&ガーシュウィン」〜アメリカ発、ザッツ・エンターテイメント〜
第31回「ブラームス&ドヴォルザーク」〜ロマンの森の香り〜
第32回「エルガー&ブリテン」〜イギリス音楽への誘い〜
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/sponsor/090523.html

私も子供時代にこういうシリーズがあれば、もっと音楽を身近に聴けていたかも(笑)。
現時点での情報では、妥協は無いにも関わらず、子供を含めて退屈させない、音楽を素直に楽しめる選曲です。
ブラームス、ドヴォルザークもシリーズ後半の3回目に配置し、最終回は構成的でありメロディアスなイギリス音楽を選んでいるしクラシックの入り口としてシリーズを通して聴けば、大人も充分満足出来るでせう。
モツ、ベトばかりでなく上記のような音楽も是非親しんでみて欲しいです。

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7/28@アクロス福岡シンフォニーホール
指揮:大野和士
管弦楽:九州交響楽団
[曲目]
・ラヴェル:ラ・ヴァルス
・ドビュッシー:バレエ音楽「遊戯」
・ストラヴィンスキー:交響詩「うぐいすの歌」
・フローラン・シュミット:バレエ音楽「サロメの悲劇」

指揮:大野和士
管弦楽:リヨン歌劇場管弦楽団

[曲目]
11/1,3@オーチャードホール
・マスネ:歌劇「ウェルテル」
11/9@東京オペラシティ
・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
・ショーソン:交響曲
・サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」

これは来年度の目玉です!
大野和士は今後の日本の音楽界の至宝となっていくことでせう。
それだけでなく、彼を聴き続ける事が20年後の世界の音楽界の流れを探る事に繋がるのではないか、とさえ思っています。
サインや写真撮影も売れっ子とは思えない丁寧、親切な対応で、今でも自身でピアノを弾き福祉施設で慰問コンサートを行うヒューマニズムも持ち合わせています。
彼の音楽の真髄であるオペラが中心だけに、とても大切にしたいです。

【カジモト・ワールド・オーケストラ・シリーズ】

俯瞰してみた場合、プログラムがかなり限定的です。
ブラームス、ベートーヴェン、マーラー、ブルックナーと所謂"大曲"を持ってくれば事足りる、と言うのでせうか。
ブラームスのVln.協奏曲が同じシリーズで2回というのも問題です。
海外オケのビータというものは、現地で行っている演目や日本以外でのツアーのプログラムなどの文脈があるものだから、それを無視したような企画もなぁ…と思ってしまいます。
ノット指揮エマール独奏のバンベルク響は、同時期に行われるニューヨーク公演ではバルトークのピアノ協奏曲3つを1夜で…なんて意欲的なプログラムをこなします。
日本はバルトークさえ受容出来ない音楽的素養しかない、と判断されているとしたら哀しいですね。
こういう面から、個々の演奏会には期待もありますがシリーズとしては不満があります。

10/8,9,10@サントリーホール
指揮:アラン・ギルバート
ヴァイオリン:フランク・ペーター・ツィンマーマン
管弦楽:NYフィル
[曲目]
11/9
・ブラームス:Vln.協奏曲
・ベルリオーズ:幻想交響曲
11/10
・マーラー:交響曲第3番

新監督との初来日は来年度のシリーズの最注目公演になる事は疑いの余地が無いです。
発表されていない8日は置いておくとして残りの2日(特にマラ3)は非常に魅力的です。
安券が入手可能なら両方赴きたいです。

10/27,11/2@サントリーホール
指揮:リッカルド・シャイー
ヴァイオリン:アラベラ・美歩・シュタインバッハー
管弦楽:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
[曲目]
10/27
・メンデルスゾーン:交響曲第5番「宗教改革」
・ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
11/2
・モーツァルト:Vln.協奏曲第3番
・マーラー:交響曲第1番「巨人」

前回キャンセルした際のメインをそのままスライド、という点は判断が難しいです。
しかしシャイーはオケ作品ではシューマンを意欲的に取り上げているので、メンデルスゾーンとシューマン、といった組み合わせが音楽史的にも楽団の意義としても適切だと思います。
個人的にはブル4が苦手でも聴くなら27日でせう。

11/10@サントリーホール,11/12@東京オペラシティ
指揮:トゥガン・ソキエフ
ヴァイオリン:諏訪内晶子
管弦楽:トゥールーズ・キャピタル管

プラッソンからソキエフに交代、と初めて知りました。
フランスものの演奏スタイル変更が予想されるので、ソキエフの得意なロシアものでも良いかも知れません。

11/20,23@サントリーホール,11/25@東京文化会館
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
管弦楽:チェコ・フィル
[曲目]
11/20
・ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
・ブラームス:交響曲第1番
11/23
・ブルックナー:交響曲第8番
11/25
・ドヴォルザーク作品

ブロムシュテットのブルックナーは素晴らしいそうです。
8番の良さは未だに理解出来てないですが、避けてもいられないのでこういう機会に聴きたいです。
ドヴォルザークは詳細が分かりませんが、期待出来そうです。

【海外オケ】

4/20,21@サントリーホール
指揮:チョン・ミョンフン
ソプラノ:ナタリー・デセイ
管弦楽:フランス国立放送フィル

このコンビは聴いて損は無いです。
昨年の来日は感嘆するしかない、今まで聴いた中でも最高峰のパリの音楽が流れました。
「マ・メール・ロア」、「ダフクロ」、「ハルサイ」、「幻想」のいずれもが今でも耳に残る名演でした。
噂によればドビュッシーの大曲もあるとの事。
今回も豊かな色彩の音色、そして自発的な調和の妙を堪能させて貰える、と期待出来ます。

4/29,5/1@サントリーホール
指揮:ファビオ・ルイージ
管弦楽:ドレスデン・シュターツカペレ
[曲目]
〜オール・R.シュトラウス・プログラム〜

「英雄の生涯」の原典版、という珍品を始めとしたドレスデンのレパートリーのど真ん中であるR.シュトラウスの作品を新監督の俊英がどのように料理するかが興味深いです。
かなり推進力とエネルギーの横溢した演奏が期待出来ます。

6/3,4,5@サントリーホール
指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ
管弦楽:モスクワ放送響

曲目次第ですが、"爆演"が期待出来るのは確かです(笑)。

7/29@サントリーホール
指揮:マイケル・ティルソン・トーマス
管弦楽:PMFオーケストラ

もしアイヴズなんかやってくれたら狂喜ですが…(笑)。
是非、アメリカ作品を組み入れて欲しいものです。

11/1,4@サントリーホール
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
管弦楽:シンシナティ交響楽団

こちらもアメリカものも期待したいですが、随分先で詳細不明なので、ゆっくり検討します。

11/5@東京オペラシティ
指揮:マルク・ミンコフスキ
管弦楽:ルーヴル宮音楽隊
[曲目]
・モーツァルト:セレナード第7番「ハフナー」
・ラモー/ミンコフスキ編:サンフォニー・イマジネール

やはりミンコフスキならモーツァルトに期待したいです。
ハイドンも興味深いので都合次第…ですね…(苦笑)。

【オペラ】

<二期会>
6/6,7@北とぴあ
指揮:高関健
管弦楽:東響

[曲目]
・モンテヴェルディ:歌劇「ウリッセの帰還」

オペラの原点へ目を向けた注目公演。
「聖母マリアの夕べの祈り」、「オルフェオ」に続いてのモンテヴェルディになるでせう。

<ミラノ・スカラ座>
9月
指揮:ダニエレ・ガッティ
管弦楽:ミラノ・スカラ座管
[曲目]
・ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」

来年度の来日オペラの目玉はやはりスカラ座でせう。
バレンボイムの「アイーダ」に興味は持てませんが、こちらは演目的に貴重で少し迷うので、安券入手出来れば…といった心持ちです。

<新国立劇場>
11/18,21,23,25@新国立劇場
[曲目]
・ベルク:歌劇「ヴォツェック」

これは現代も含めたオペラ・ファンにとって必聴ですね。
新国は「ルル」の過去があるだけに、今回は若杉体制の真価が問われる公演になるか?

<NISSAI OPERA>
11/20,21,22,23@日生劇場
指揮:沼尻竜典
管弦楽:東京シティ・フィル

・R.シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」

R.シュトラウス後年の重要なオペラだけに是非聴きたいです。

<新国立劇場>
2/11,14,17,20,23@新国立劇場
・ワーグナー:楽劇「ジークフリート」
3/18,21,24,27,30@新国立劇場
・ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」

先の2公演はチケット入手しているだけにやはり全曲1度は!(笑)

【室内楽 他】

5/18,6/10@サントリーホール
ピアノ:クリスチャン・ツィメルマン

プログラム次第ですが、ジャパンアーツのシリーズでは最大の期待を寄せています。
現代モノなども含めた積極的なプログラミングを期待したいです。

6/18@東京オペラシティ
ピアノ:ヴァレリー・アファナシエフ
〜アファナシエフ・リサイタル〜
[曲目]
・ドビュッシー:前奏曲集第1集より「雪の上の足跡」
・プロコフィエフ:「風刺」より「間のびしたアレグロ」
・ショスタコーヴィチ:24の前奏曲より第14曲
・プロコフィエフ:「風刺」より「嵐のように」
・ドビュッシー:前奏曲集第1集より「沈める寺」
・ムソルグスキー:音楽劇「展覧会の絵」

かなり独特なスタイルの奇才の演奏だけでなく、自身で音楽劇として編んだ展覧会を1度観てみたいです。

8/22@東京オペラシティ
指揮:ロベルト・ミンチュク
ソプラノ:中嶋彰子
フルート:斎藤和志
ファゴット:黒木綾子
ピアノ:白石光隆
合唱:新国立劇場合唱団
合唱指揮:三澤洋史
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
[曲目]
・ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ(全曲)

単純に聴きたい!
夏の最注目公演になるやも知れません。

バリトン:マティアス・ゲルネ
ピアノ:ピエール=ロラン・エマール
[曲目]
・ベルク:4つの歌曲
・シューマン:女の愛と生涯
皆様、お久しぶりですm(_ _)m
私が放っておいた間も御覧になって下さった方々がいらっしゃった事はとても有難く思います。
御期待頂いた方には、ここ最近、裏切ってしまっており申し訳御座いませんでした。
休止していた理由は…と問われると漠とした表現意欲の後退としか言い様のない休止でしたが、今回はやはり生で聴いた感慨が大きいので、この話から載せさせて頂こうと思います。

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クリスマスの装いを整えたサントリーホール前です。

さて、今回の公演の話。
本当の事を言えば、音楽についての私の鑑賞暦など余りにも短い上に浅はかなものであるからして、何らかの文章を書くには話にならないのですが、やはり幼い頃から抱き続けてきた"憧れ"というものは、存在します。
けふは遂に、その"憧れ"を受け継いだ存在を初めて直接耳にする事が出来ました。
これはきっと、私の中で、この先も鑑賞を続けようとした時に、大切なメルクマールとなる演奏会として、刻まれる事でせう。
何といっても、直接的に伝統、歴史ある響きの一端を垣間見ると共に、現代的な表現意欲の進展を耳に出来たのではないか。
僭越ながら、そんな事を考えています。

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11/27@サントリーホール
指揮:サイモン・ラトル
メゾ・ソプラノ:マグダレナ・コジェナー
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー
[曲目]
・ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」
・マーラー:リュッケルトの詩による歌曲
・ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」

このコンビを聴くのは初めてだ。
2012年までのラトルの契約が更新されるか否かは微妙な所である事を考えた場合、録音を聴く分には最近、関係性が変化した成熟を見せている両者を、私自身の耳で一度は捉えたい、と思っていたので、今回はとても大切な機会であった。
では、演奏の話。
先年発売になったハイドンを聴き、高機能モダンオケの力とラトルによる古典派解釈を生で聴く事が出来るとあり、最も楽しみにしていた曲目だ。
ロンドン交響曲直前のこの作品は、旋律が決して多い訳ではなく、モーツァルトのような魅力的な旋律の絡み合いが生む劇的な変化の場面よりも、ハイドンらしい小さいけれども巧妙な仕掛けによる変化の妙味を味わえるもの。
ラトルの解釈はと言えば、1楽章はどうもエンジンが暖まらない感じがあった。
序奏部の密やかな中でベルリン・フィルというスーパー・オーケストラのバランスの良さは際立つが、この楽章はその後が推進力が少し不足している感じ。
だが、2楽章に入ると演奏密度が急に濃くなる。
演奏がコンマスなどの象徴的なポイントへとぐんぐん集束していく様は他のオケとは次元が違うものだった。
短調へ転換してからはちょっと急いていた印象があった。
3楽章では物凄いパウゼにぎょっとさせられるが、繰り返され、変容していく楽節はその度に興奮を帯びる。
4楽章は一気果敢な演奏で流石、という様相。
この辺りに来るとオケが少し暖まってきたな、という印象が出てきた。
バランスの良さから完成品としてのベルリン・フィルの素晴らしさは感じられたが、この辺りは前プロのレベルだったのではないだろうか。
しかし、たとえばトランペットは非常に美しく密度が濃く、そしてレスポンスが素早い音は他に比類がない。
そして、ラトルは細かく指揮する事が無いにも関わらず、物凄い精度のアンサンブルだ。
確かに、ドイツ的音色を期待する方には満足とはいかないだろう。
しかし、オーケストラの能力としてみれば、やはり世界を代表する存在であり続けている事は、間違いない。

続いてコジェナーのソロによるリュッケルト。
ところで、ラトルとコジェナーは結局、結婚しているんだろうか?(笑)
世事に疎いのでよく分からない…orz
今回の演奏は、曲の並びが私の覚えているそれとは違うもの。
ちょっと意外だったが、版によってそういう事もあるようだ。
このアンサンブルは先程までの明快なアーティキュレーションの差異は手段として一部で用いているものの、マーラーである分、印象はガラリと変わる。
こうした変わり身の妙も楽しいだけに、今回の演奏会は、当初一部で言われていた予定通りにストラヴィンスキーの「3楽章の交響曲」であったら更に素晴らしかったのに…。
ところで、コジェナー。
私は安券しか取れないので、声楽を聴く分にはホール内でほぼ最悪の座席位置であるRA後列の奥。
にも関わらず、しっかりとした深みのある美声が届く。
音量と厚みを増したオケを向こうに回してffの部分など随分と良い声が聴こえてきたのだから、正面できちんと聴けたら本当に素晴らしい感動を得られただろう。
いつか聴いてみたいものだ。

続いてベートーヴェン。
配置は前半の対抗配置から更にヴィオラとチェロを入れ替え、1st.→vla.→vlc.→2nd.と変化する。
vla.と1st.が絡む部分の見通しは確かに良くなっている。
繊細な変化だが、見逃せない部分だ。
田園というのはベートーヴェンの中でも最も美しいメロディを持つ交響曲だ。
プログラムを持ち、描写性も高い事から、ロマン派への影響も考えられる重要な作品だ。
ただ、ストラヴィンスキーの「3楽章の交響曲」を抑えてまで、今回演奏する意義があったかどうかはちょっと…。
主催者であるフジテレビのセンスと意図には多少、疑問が残る。
今回のラトルは1楽章頭からじっくりとした作りでとても魅力的だ。
ここでも音が一点へとどんどん凝縮されていくアンサンブルの妙味、それぞれのバランスの鋭さは筆舌に尽くし難い。
2楽章は少し緩い印象があったが、3楽章はじっくりと始まったかと思えば、1歩1歩進む内に音楽もテンポアップしていき、激しい嵐、そして終楽章の開放感ある旋律線へと緊張→弛緩の流れを作り、構造の大きな爽快なカタルシスを生み出す。
特に、終楽章の終盤でのffに至った際の音色の美しさ、その中における相当に高度なバランスの取り方、更に要所すら密には振っていない指揮にも関わらず、自発的なアンサンブルの整合性が取れてしまう物凄い機能。
ベルリン・フィル、という特別なオーケストラの凄さを改めて認識出来たのはやはり充分に満足した。
ラトルについてだが、解釈論の話をすれば、ピリオド奏法を用いていても、研究者肌のアーノンクール(神への奉仕、といった印象か)やノリントン(こちらは学会の"異端"の教授といった感じ)とは違う、オケを裁く事を出発点として現代的洗練を取り入れて表現を行う指揮者、という印象を持った。
今度は、このコンビの中でも、ラトルの持ち味が存分に活きるような、マーラーのシンフォニーやストラヴィンスキー、シェーンベルクなどの20世紀の作曲家の作品を沢山聴いてみたい。

取り合えず、けふは、憧れのオーケストラによる良い演奏を聴けて良かった。
また、是非聴いてみたいなぁ…(笑)。
彼岸も過ぎ、暑さの名残を惜しむような時期になりました。
個人的には、今年も一夏のアヴァンチュールの影も形もないまま、夏が終わりました…(笑)。
さて、秋に入ったかと思うと、今度は楽しみなコンサートが頻発する季節がやってきます。
今年も多彩な演目が予定されていますが、皆様の御計画は如何でせうか?
私は資金と時間の錬金術を駆使しながら、辛い現状を何とか乗り切りたいと思っています(爆)。

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さて、そんな現実から気分だけは先んじて来年度の話をば少々…。


都響の来年度のスケジュールが発表されました。
注目公演が多数になり、今年度以上に充実した活動が期待出来そうです。

その中でも注目は、まず指揮する8公演全てが別演目、という意欲的な活動を見せる首席指揮者インバル。
シンフォニーとピアノ・コンチェルト3つずつ、更にAシリーズではブルックナー、Bシリーズではマーラーを取り上げ、加えて、チャイコフスキーの名曲集(メインは4番)という贅沢なラインナップになっています。
しかもブルックナーは5,8、マーラーは3,4という垂涎のレパートリーですし、チャイコフスキーは3年間で後期交響曲を全部演奏するシリーズであると思われるので、聴き逃せません。
そして集中的に取り上げるベートーヴェンについてですが、これは私の推測ですが、交響曲全集、ピアノ協奏曲全集をライブ録音として音盤化する予定だと思われます。
既にシンフォニー9番、ピアノ協奏曲4番は演奏済で、来年度を全て演奏すると残るのはシンフォニーが1,2,4,6であり、ピアノ・コンチェルトは1番を残すのみです。
インバルのベートーヴェンの交響曲はメジャー・レーベルからの全集は存在しなかったように記憶しているので(マイナーなものは存在していたはず…)、この偉業に挑戦する都響に注目する価値は高いでせう。
特に、ベートーヴェンのような音楽史的に重要な作品を同じ指揮者、オーケストラの芸術として継続して聴く、という事は作品理解、奏者の理解、更には音楽自体への理解へと繋がる節目となるのではないでせうか。
是非、時間と資金(爆)が続く限り、聴き続けたいものです。

その他は、ゲルハルト・オピッツ、ヴァレリー・アファナシエフ、ミシェル・ダルベルト、アンティ・シーララ、パウル・バドゥラ=スコダ、イザベル・ファウスト、といった豪華なソリスト陣も期待です。
特にパウル・バドゥラ=スコダのモーツァルトへの期待は大きいです。
しかし、上の名前を見てると、どうしても某マネジメント会社の強い影響が感じられますね(笑)。

他は、前任者ジェイムズ・デプリーストが都響の指揮台へ再び上がり、シューマンのヴァイオリン・コンチェルトとブルックナーの7番という特濃プログラムを演奏します。
見掛け倒しでない、誠実な響きをオーケストラから抽出する方法論に長けていて、短い任期ながらフィラデルフィア管のような豪華な都響サウンドへ導いた立役者でもあります。
ただ、個人的な希望を言えば、まだ殆んど取り上げていないマーラー(特に1,7,9辺り)を演奏して欲しいものだ、と思うのですが…(笑)。

更に、イゴール・マルケヴィチの息子、オレグ・カエターニも登場するのも注目です。
演目も意欲的で濃厚なものになっています。
定期ではモツ29,プロコPコン3,ショスタコ6。
プロムナード・コンサートでは「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲に交響的変奏曲、ブルレスケ、シューマン4番。
いずれも魅力的な曲目ばかりです。
実演を聴くのは初めてなだけに興味深いです。

日本人指揮者では、今年、某音楽事務所の打ち合わせのミスで御破算になったコバケンとの「我が祖国」全曲には、都響の強いコダワリ(笑)が窺えますが、他にも注目があります。
2010年1月のA定期と「作曲家の肖像」です。
A定期は井上道義指揮で、プロデューサー別宮貞雄らのグループに属する作曲家の野田暉行のピアノ協奏曲などの後に、ブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム」とベルクのルル組曲、という好事家ならば是非、というプログラムです。
「作曲家の肖像」はテーマがラヴェルで、左手のピアノ協奏曲、ツィガーヌ、という数少ない協奏作品とクープラン、という意欲的な組立てで、ボレロの代わりに「マ・メール・ロア」でもプログラミングするとより意図がはっきりとすると思うのですが、まぁ、それは贅沢でせうか(笑)。
他にもラロのチェロ協奏曲、ハチャトゥリアンのフルート協奏曲にレスピーギ「シヴァの女王ベルキス」、R.シュトラウスのホルン協奏曲、ラヴェル「シェエラザード」…といった余り演奏機会の多くない名曲が沢山あります。

さて、チケットのお話。
会員になっておくと、先行発売でチケットが購入出来るので、人気が予想されるマーラーの3番などもかなり購入し易いのでお薦めなのですが、選ぶとすれば、個人的には、A定期の年間会員でせうか。
ただ、平日ばかりなので日程が…という方も多いでせうから、そういう方のためには土、休日のプログラムである「作曲家の肖像」のシリーズ券がお薦めです。

それでは皆様。
そうだ、都響いこう!(笑)

という事で、今回取り上げる録音はこれ。

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はっきり言って、インバルの中では必ずしも良くはない演奏ですが、最近のインバルを追体験するにはこれがベストでせう。
同時期に演奏した7番は明らかな名演だっただけに、こちらの発売を未だに期待しているのですが、都響の人間に聴いても発売予定は無い、と連れない回答…orz
いつかまた、あの7番を楽しみたいものです。

※どうでも良い追記情報
IR東日本とは"Inkyo Runaway"の略。
JR 東日本だけでなく、JR 東海とも、勿論、企業の開示すべき情報とも全く関係がありません(笑)。

或る一流オケを聴いて

明治時代の日本人の文章に、当時のあるオケは以前より実力が落ちたと言われる、という評が載っているそうだ。
そう考えると、300年くらい昔に至れば、その"あるオケ"は圧倒的な世界一のオーケストラというべきだったのだろう。
さて、"あるオケ"とは他でもない、ウィーン・フィルである(笑)。
さて、現代における彼らは如何なものか?
因みに、私がこのオケを聴くのは人生で5公演目である。
割と多い方だろうか?

【ウィーン・フィルハーモニー・ウィーク・ジャパン 2008】

9/23@サントリーホール
指揮:リッカルド・ムーティ
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
[曲目]
・ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」序曲
・ストラヴィンスキー:バレエ「妖精の口づけ」より「ディヴェルティメント」
・チャイコフスキー:交響曲第5番
[アンコール]
・ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「マリアの調べ」

まずはロッシーニ。
挨拶代わりのこの曲は、この日1番のパフォーマンスを期待していたが、意外とあっさり。
完全にオケがギアを入れていない事が明らかな音であった。
ミスを云々するつもりは余り無いが、恒例のホルンのキークスではなく、ソロ部分で指の回らないクラリネット、フルート両首席などは論外だと思う…。
ムーティらしいロッシーニの華やかな節回しや"ロッシーニ・クレッシェンド"を分厚い音で堪能出来たという面をポジティブに評価したい。

続いてストラヴィンスキー。
感想としてまず挙げたいのは、弛緩したストラヴィンスキー、という観念は初めて抱いた(笑)。
新古典主義のリズムとチャイコフスキーを下敷きにしたメロディとがスリリングに混ざり合う曲なのだが、緊張感のあるリズムが殆んど感じられない。
ムーティのオペラティックな表現の影響、という考え方もあるが、客観的に聴けばウィーン・フィルの反応も鈍いとしか言い様が無い。
映画音楽のような印象さえ持ってしまう、今までの私の中のストラヴィンスキー像とは異なる演奏だった事は間違いない。

メインはチャイコフスキー。
実は、この曲にはそれなりに期待していた。
ムーティ自身、チャイコフスキーは全集録音も残すような得意としている演目だし、両者のコンビとしてもザルツブルクで成功を収めた経験が以前にある曲目でもあるからだ。
演奏は冒頭のクラリネットから印象的なテンポ変化と全体に陽性を帯びた明快な節回しが印象深いものに。
1楽章はテンポ変化も非常に細部まで行き届き、生理的に興奮を掻き立てるような解釈と言えるだろう。
オケの音色も明らかに上がってきていた。
力が漲っており、色彩豊かで、濃厚な味わいがあり、サウンドが分厚い。
"♪"ひとつを鳴らすだけで、音価、音色、ピッチいずれもが音楽の魅力を体現しているかのように聴こえる場面があった。
これこそ世界トップクラスの音色である。
しかしアンサンブルについて大きな問題がある。
弦楽器内部でもズレが皆無ではないが、管楽器との時間軸は明らかに違う。
これでは、ただの音だけ良い一流オケ、という感覚になってしまう。
まぁ、ザルツブルクのようなウィーン・フィルにとっての大きな舞台ではない、という影響はデカいと思われる。
端的に言えば舐められている、という事にも思える(笑)。
2楽章は瑕疵としては小さいが、やはりホルンがミスっていた。
また、その前からヴィオラから弦楽器全体へと音が広がる瞬間、ズレが生じる。
加えて、トロンボーンが中盤の見せ場であるファンファーレで異様に音が小さくトランペットとバランスが取れず、しかも、楽章最後の音で入るファースト・ヴァイオリンがコンマスであるキュッヒルが待ち切れず、喰って入るという愚が…。
3楽章でもファゴットがソロを誤魔化したり、他の楽器も完璧、というほどではない部分が目立つ。
そして、問題は4楽章であった…。
彼らの中のアンサンブルはパート単位でしか成立しておらず、とてもではないが音楽が有機的には聴こえてこない、という演奏だった。
特に、自分達が出来ないから、といって他のパートまで引き摺り下ろそうとするかのような強引なテンポでの演奏は、致命的としか言い様が無い。
トランペットの刻み(あそこは確かに素人には難しいがウィーン・フィルまでああなるとは…orz)などで自己主張をしながら全体のテンポを乱していた。
因みに、アンコールのヨーゼフ・シュトラウスもアンサンブルがイマイチで最高点は付け辛い。

確かに音色の発色も良いし、考えられない豊かな響きがホールを満たしていたのだが、アンサンブルが決まらない限り、"世界最高"のオーケストラとはおこがましいだろう。
比較するなら、チケット代は半額だが、ケント・ナガノとモントリオール響のコンサートの方が素晴らしかったという気がする。
ウィーン・フィルは音が良い世界の一流オケ、という気のする演奏だった。

まぁ、要するに、ウィーン・フィルの本気になった演奏が聴いてみたいものだ、という結論である(笑)。
ウィーン・フィル信仰というべき狂信的なほど肩入れしているファンをよく見掛けるが、実質を耳を澄まして聴けば、必ずしも全て"最高"とするには物足りない、と思う。
但し、サウンドの特色はやはり強く、それが1つの意志の元に集まった時の力を考えれば世界最高峰という言葉も間違っていないだろう。
だが、この演奏を無条件で肯定出来るほど、私は人が良くない(笑)。
来年はメータだそうだが、マーラーでも本気で演奏するのでなければ興味はそんなに起きないかもしれない。
そういう意味で、充分なサンプリング体験になった事は間違いない。

また、今から考えれば、唯一ウィーン・フィルの公演で満足した2006年の11/8に聴いたアーノンクールのベト7は奇跡的な名演だった、という事だろう。
あの演奏、海賊盤で良いからCD化されないかなぁ…(笑)。


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