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見てきました。
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折角のエイプリルフールなので、余りにも卑小な嘘で塗り固めてみました(笑)。
正確には「死神の精度」です。
【粗筋】
死神は鎌を持った怪物ではない。その人が目的を満たすほど生きたかどうかを判定するだけだ。そう語る金城武が演じる、人間の感情とは一味違うコミカルな死神が、生死を判定する対象者と織り成す物語。今回死神が現れたのは電器会社でクレーム処理係を勤める女性の元だった。人生に良い事が無い、自分と関わる人はみんな不幸になる、と語る彼女に、死神は如何なる判定を下すか。他2篇も収録。
読者人気の高さは直木賞作を超えていると言っても過言ではない伊坂幸太郎の原作ということ、監督が「スキージャンプ・ペア」、「美女缶」、「ロス:タイム:ライフ」といった抜群の着想の映像作品で人気を博す筧昌也ということで注目していました。
上に挙げた3つの作品は、私はいずれも、数年前にDVDで見て感心したものです。
「スキージャンプ・ペア」は現実には有り得ないコミカルなペアの動きをアニメーションで表現した意欲作。
これが売れ始めてから夕張映画祭で受賞し、テレビでセルフリメイクもした缶詰から現れる美女とのドタバタを描いたシュールな「美女缶」、そのDVDに特典として付いていたサッカーのロスタイムに見立ててテレビ中継の大げさなナレーションや解説を巧く揶揄した秀逸なコメディの「ロス:タイム:ライフ」、というように、現実と奇抜な着想を巧みに融合させる映像を得意とする作品が多く、『ミュージック』のみを愛する死神、というユーモアセンス溢れる存在を活かすには格好のように思いました。
原作小説は感情を感じさせない、人間と距離を置いた死神の存在からかえって強いユーモアが生まれ、個々の話に登場する小さな謎と伊坂得意の連作小説の緩やかな繋がり、時間軸の操作によって「死神」の味のあるキャラクターを描いた作品。
相性は良さそうだったんですが、結果としては平凡、というのが感想。
「死神の精度」、「死神と藤田」、「死神対老女」の3編をそのまま少し簡略化して映像化したもの。
丁寧ではあるが、物足りない印象が強いです。
理由としては、"感動作"を意図して製作されていたこと、原作では凄く重要な意味を持つ「恋愛で死神」(私が最も好きな話かも)がカットされていたこと、また、3編全てに関わりを持たせたことによって、普遍的な影響力としての死神の判定ではなく、もっとドメステイックな範囲内でしか影響を持たなかったような印象になってしまうことが原因のような気がします。
それから、ヴィジュアル面では印象的だが、ストーリー的には黒犬の存在意義も不明瞭。
原作では電話の相手として登場している死神の別部署、という秀逸な設定なのだが…。
ただ、冒頭の小西真奈美のストーリーは原作ファンからしてみても及第点ではないでせうか。
それから、彼女に歌わせる、というのも中々面白い企画だったと思います。
あ、そうそう。
ミュージックを楽しむ金城武演じる死神の姿と村上淳演じる死神も必見(笑)。
取り合えず、原作を読んでない人は素直に楽しめる内容ですね。
それから、筧昌也はもっとアイデア豊富なクリエイターだろうから、今、テレビで流している「ロス:タイム:ライフ」レベルは最低ラインに置いた上で、もっと独創的な作品を撮ってみて欲しいです。
まぁ、一言で言えば私個人の過剰な期待ほどではない、適当に、ゆるく肩の力を抜いて2時間を楽しむための作品でせう。
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