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ラトル/ベルリン・フィルのマラ9チケット確保!今年最も期待!!

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昨年に続いて今年も聴いた東京のオペラの森。
エレクトラ、オテロ、タンホイザーと来てオネーギン、と何故か演目的にトーンダウンが否めない上に、来年からオペラの製作を止めるとか…orz
これぞまさに羊頭狗肉…。
残念でなりません…。



【東京のオペラの森〜オペラ公演〜】

・チャイコフスキー:叙情的情景「エフゲニー・オネーギン」

指揮:小澤征爾
管弦楽:東京のオペラの森管弦楽団
合唱:東京のオペラの森合唱団
演出:ファルク・リヒター
[キャスト]
・オネーギン:ダリボール・イェニス
・タチヤーナ:イリーナ・マタエワ
・レンスキー:マリウス・ブレンチウ
・オリガ:エレーナ・カッシアン
・グレーミン公爵:シュテファン・コツァン


しかし、取り合えず、これはかなりの好演!
まぁ、僭越ながら言わせて貰えば小澤の真価を味わった気がする。
今までは新日とのチャイコ1、タンホイザー、スペードの女王、と聴いてきたが、初めて充分満足出来る公演だったように思う。
まず、オケは1幕から弦楽器が落ち着きのある美しさを醸し出し、合唱が収束感ある声で土台を作る。
上に乗る主要な役の歌手は序盤はコレといった歌唱は聴けないが、まぁまぁ。
演技の方がかなり繊細で念入り。
"歌劇"ではなく"叙情的情景"なのだ、という某廃○inのアドバイスを図らずも実感する(笑)。
そんな事は置いといて、演出は、雪を降らせて白銀の世界を築いた中に藍というか濃紺というかのモノトーンの衣装の色だけが映る世界の描写。
農場は工場へと置き換えられているようで、ソ連を髣髴とさせるが、ソ連に私有の工場は無いから、もっと抽象的な何処かの世界だろう。
アクロバティックな舞踏ありのシーン以外は余りにも簡素な舞台が続くのは少々退屈。
全体に1幕はモノトーンに過ぎ、白銀の印象は強く残るも、冗長に感じてしまう部分が否めない。
特に第2場のベッドが、北極だかにあるとかいう氷のホテルを思い起こさせるようなもので、チャイコフスキーの倒錯したロマンティシズムとの相性が良いとは思えず、余り好感が持てない。
音楽は第2場を核として広いダイナミクスレンジを用いて大きな流れを表現する。
弦楽器が実に魅力的。
所々、ポルタメントに近いようなスラーを用いて、よりしなやかで強靭なメロディを作り出す。
しかし、まだまだ先を窺わせる演奏。

第2幕からはうって変ってカラフル…といっても舞台装置ではなく、衣装の方。
舞台装置は相変わらず氷一色のモノトーン。
忘れていたが、その幕の上がる前に、タチヤーナは手紙を読み、破り捨てる。
冒頭や第3場の頭でもオネーギン宛の手紙が幕に投影されていたり、と手紙をキーワードに置き、動機と掛け合わせて物語を紐解いていく。
意外と演出も悪くないかも知れない、とこの段階当たりで思い始める現金な私…(笑)。
取り合えず、第2幕の1場は男性が女性に馬乗りになったり、腰を合わせていたり、デフォルメされたクラブでの乱痴気騒ぎ、といった風情(…って爺臭い表現だな…orz)。
因みに、言うまでもないが、銀座にあるのではなく渋谷などにあるブにアクセントのあるクラブである事は付け加えておきたい…って益々爺臭い(笑)。
余談はここまでにして、第1場でオネーギン、タチヤーナ、レンスキー、オリガの若さを目立たせる演出。
オネーギンの悪戯。
オリガの駆け引き。
タチヤーナの憂鬱。
そしてレンスキーの酒の上での過ち。
若さ故の破綻の必定、その代償は高く付く。
オネーギンもレンスキーもお互いに相手の命を奪う気のないまま、舞台だけが整い、悲劇へと向かっていく。
特に、レンスキーは再現された1幕2場の動機と共に切々と己の遺書を綴る。
このレンスキーのアリアは全幕通じてもかなりの出来で、特にアリア前半は見事であった。
ロシア音楽の権威(笑)である廃○inのアドバイス通り、確かに巧い。
ただ、終盤は必要以上に消沈していたように思う。
声的にも楽ではないなぁ、と思うと納得。
オネーギンとレンスキーの決闘場面ではレンスキーは迷いを抱え、銃を置き、振り返ってオネーギンと対話をしようとする。
が、オネーギンは冷静にレンスキーを撃ち抜いてしまう。
オネーギンとて決闘する前までは、介添人を連れてこず、その場にいた酔っ払いを介添人に仕立てる、というほど避けようとする態度が見られたのだが…。
どちらもこのような事態を望まずして起きてしまった破綻であり、結果としてオネーギンに落ちる影がはっきりと聴衆にも映る。

3幕も音楽がどんどんと加速していき、小澤が得意とする演目というその証左が見える。
ただ、この幕では、公爵らに大きなアリアがあり、そのアリアの際のサポートに注目が出来た。
この日の演奏では、それまでの音楽の中に歌手を置く演奏だった面があったのとは異なり、歌手の呼吸を丹念に追う音楽作りに転換。
お陰で、スケールの大きな声のアリアを堪能出来る演奏に。
この幕の音楽的出来は細部までかなりのものだったと思う。
ところで、唐突に挿入されるはずのタチヤーナが去った後にパーティ会場に取り残されたオネーギンの背に女王の来場を祝う曲が丸々カット。
またも公演後にロシア音楽の権威廃○inに聞くとこの部分と3幕最後のカットはよくある事らしいが、カットの仕方が今回は割と珍しいものだったらしい。
やはりロシアオペラは今ひとつよう分からん(笑)。
演出的にはこの幕は、大人のための社交界のパーティが舞台。
タチヤーナに強い光を当て、オネーギンにはスポットの光量は控える、という歳月からの成長を投影されたもので、全体が黒へと転換し、床面も黒光りする素材を使ったことで、2幕までの舞台との対比=時間経過を映し出す。
タチヤーナとオネーギンの最後の場面では、1幕の追憶として背景に雪を降らせ、心情を表現。
思えば、この演出は心情表現を重視し、演技、性格描写に特化したものであった。
その意味では、序盤に不満は残るが、勘所を押さえドラマティックに仕上げられた音楽ともマッチした悪くないものだったかもなぁ…と浅慮を少し反省した公演だった。



ところで、今回は終演後サインを貰ってみました(笑)。
間近で見た印象は、目の光は凄く強く百戦錬磨の意志を感じさせるが、何だか音楽以外の場では余り飾る事の無い様子で気軽に応じてくれる人でした。
機会と演目次第ではありますが、日本を代表する指揮者である事は疑いの余地が無いだけに、これからも元気な内に聴いておきたい…というかヤナーチェクは聴きたいなぁ…。

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