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我が祖国から海を隔てた土地で咳をしつつ、お送りします。 ヨーロッパの空気は何処と無く乾燥しているからでせうか? 旅の終盤に入ってから、どうやら喉をヤラレたようです…。 取り合えず、今回の遠征の全貌は以下になっております。 短評と共にどうぞ、ゴホッゴホッ…。 3日 (出国→ロンドン着) メッツマッハー/ロイヤル・オペラ・ハウス/ストラヴィンスキー「放蕩者の成り行き」 これは本場で聴く価値のあるオペラだ。 メッツマッハーの音作りも巧みで、ストラヴィンスキーの復古主義的であり、革新的である、両面が浮き彫りになり、演出も手堅く笑い所も用意され、親しみ易く芸術性高い、という見事な舞台。 4日 サロネン/ムローヴァ/フィルハーモニア管/ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲,バルトーク:オケコン 他 このコンサートはコンサートとして完成度が高く、ムローヴァのヴァイオリン、サロネンのサポートの両面が冴えていた。 更に、対位法的処理を強調した解釈が曲の印象を新たにしたオケコンも収穫だった。 5日 ヴァンスカ/クリスティーヌ・ブラウマネ/ロンドン・フィル/シベリウス6,7 他 やはりヴァンスカはシベリウスが最も合っているな、と痛感。 剛直でそり立った壁のようであるシベリウスはイメージにぴったりで、表現力も豊か。 それにしても6番でも躊躇なく拍手って起こるんだなぁ…(苦笑)。 9日 ガーディナー/ピリス/ロンドン響/ベト:エグモント序曲,P協2,田園 古楽第1世代であるガーディナー初実演だが、エグモントは奏法がよくハマっていた力演。 ピリスのコンチェルトも表現力抜群で素晴らしく、今までにももう少し、この演奏家を聴くべきだったかも、なんて思いつつ。 それにしても田園でも(以下略)…。 10日 リットン/ロイヤル・フィル/ガーシュウィン この日はお祭り状態の演奏(笑)。 紀尾井ホールで12型,3管編成のフルオケがガーシュウィンのミュージカル曲をぶっ放すようなものだ。 楽しくないはずがなく、ノリノリの演奏で盛り上がった(笑)。 アンコールはリットンが「もう1人のヒーロー」と語ったオスカー・ピーターソンを指揮者のピアノ・ソロで。 11日 インバル/フィルハーモニア管/フィルハーモニア合唱団/マーラー:「復活」 以前の来日公演での合唱の不手際のリベンジ!(笑) 以前より切れ味勝負ではなく、交響曲としての統一感が増してきたインバル。 流石の名演でした。 フィルハーモニア管も楽器機能がメチャクチャ高く、この曲くらいなら楽々とこなしてしまうあたりは脱帽。 この日はロンドンっ子も拍手を控えてくれたので、気分良く鑑賞出来ました(笑)。 (出国→ベルリン着) 12日 マゼール/ウィーン・フィル/ベト:「田園」/ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲 他 今回の遠征での最高コンサート!(感涙) 流石はマゼール。 因業な面相をしながら、流れる音楽はしなやかで気高く、人間の快感原則を忠実に刺激する、見事の一語に尽きる演奏。 今やウィーン・フィルをこれだけ自在に動かす事の出来る人間は貴重だろう。 そして、ラヴェルの幻想世界を具現化して提示してみせたダフニスはまさに感動! 久々に、ウィーン・フィルに惚れてしまった(笑)。 13日 ラトル/内田光子/ベルリン・フィル/クルターク/シベ4/ベト:P協5「皇帝」 これも今回の遠征のヤマ。 まず、ラトルのシベ4は深い呼吸感があり、朴訥でやや取っ付き辛い曲を自然に表現していた。 ヴァンスカの剛直な表現とは異なる、質素ながらこれもまたシベリウスの本質に迫る演奏だったと思う。 皇帝は内田光子女史の表現力、更に、ラトルのサポート共に抜きん出ていた! 2楽章から3楽章に入る部分の見事なアンサンブルや3楽章のトゥッティでの盛り上がりなどこのコンビでなければ聴けそうにない素晴らしい演奏を堪能できた。 今のベルリン・フィルの美点が活かされているなぁ、と強く感じた演奏だった。 14日 ランニクルズ/ベルリン・ドイツ・オペラ/楽劇「マイスタージンガー」 ワーグナー週間に来襲(笑)。 古いゲッツ・フリードリヒ演出は、(部分にワーグナーの台本とは異なる動きをする部分があるものの)読替などはなく、3幕など絢爛なセットを活かした見応えある舞台。 特に2幕のコメディカル要素は実演で初めて真価を発揮するのだ、と思い至る。 この実演に触れたし、帰国してからジークフリート、神々の黄昏、更に4月にはパルジファルのチケットも確保してあるので、いよいよバイロイト演目全制覇だな、と勝手にほくそ笑む(笑)。 (再入国→ロンドン着) 15日 パッパーノ/ロイヤル・オペラ・ハウス/「賭博者」 意外と予想以上に面白かった舞台であった。 カジノ以外のセット部分を動物園やホテルのフロント、廊下などにして、肝心のカジノは終盤まで登場しない事により、アレクセイの心象風景をミラー効果として映し出す役割のように浮かび上がってきていたのが面白かった。 歌唱はアンゲラ・デノケのポリーナが抜群。 他も十分聴き応えがあり、5ポンド(約700円)の立見席の元は取った演奏だろう(笑)。 空白の6〜8日は、私は音楽初心者なので、そこまで予定は詰め込まず、のんびりとウィンザー城まで足を伸ばしたり、5ツ星ホテルのリッツでアフタヌーンティーしてみたり、チェルシーvs.アーセナルを観戦したり、とそこも楽しく遊ばせて頂きました(笑)。 全体を俯瞰すると、ロンドンはコンサートのマナーと音響はイマイチ(笑)でしたが、演奏者の豪華さ、更に曲選定の巧みさは光りました。 ベルリンは流石の音楽都市、と思えるほどロンドンよりマナーの良さがありました。 でも、気付いたのは基本的には東京が最も大人しくてマナーが良い、という事です(笑)。 まぁ、コンサートホールに来ている一部変な人達による変なマナーは出来るだけノイズ・キャンセリングを行って、もう少し気楽に目の前の音楽を楽しもう、とも思った有意義な旅でした。 それでは〜。
ゴホッゴホッ…。 |

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