或る駄目人間のブロ愚…orz

ラトル/ベルリン・フィルのマラ9チケット確保!今年最も期待!!

音楽

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我が祖国から海を隔てた土地で咳をしつつ、お送りします。
ヨーロッパの空気は何処と無く乾燥しているからでせうか?
旅の終盤に入ってから、どうやら喉をヤラレたようです…。
取り合えず、今回の遠征の全貌は以下になっております。
短評と共にどうぞ、ゴホッゴホッ…。

3日 (出国→ロンドン着) メッツマッハー/ロイヤル・オペラ・ハウス/ストラヴィンスキー「放蕩者の成り行き」
これは本場で聴く価値のあるオペラだ。
メッツマッハーの音作りも巧みで、ストラヴィンスキーの復古主義的であり、革新的である、両面が浮き彫りになり、演出も手堅く笑い所も用意され、親しみ易く芸術性高い、という見事な舞台。

4日 サロネン/ムローヴァ/フィルハーモニア管/ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲,バルトーク:オケコン 他
このコンサートはコンサートとして完成度が高く、ムローヴァのヴァイオリン、サロネンのサポートの両面が冴えていた。
更に、対位法的処理を強調した解釈が曲の印象を新たにしたオケコンも収穫だった。

5日 ヴァンスカ/クリスティーヌ・ブラウマネ/ロンドン・フィル/シベリウス6,7 他
やはりヴァンスカはシベリウスが最も合っているな、と痛感。
剛直でそり立った壁のようであるシベリウスはイメージにぴったりで、表現力も豊か。
それにしても6番でも躊躇なく拍手って起こるんだなぁ…(苦笑)。

9日 ガーディナー/ピリス/ロンドン響/ベト:エグモント序曲,P協2,田園
古楽第1世代であるガーディナー初実演だが、エグモントは奏法がよくハマっていた力演。
ピリスのコンチェルトも表現力抜群で素晴らしく、今までにももう少し、この演奏家を聴くべきだったかも、なんて思いつつ。
それにしても田園でも(以下略)…。

10日 リットン/ロイヤル・フィル/ガーシュウィン
この日はお祭り状態の演奏(笑)。
紀尾井ホールで12型,3管編成のフルオケがガーシュウィンのミュージカル曲をぶっ放すようなものだ。
楽しくないはずがなく、ノリノリの演奏で盛り上がった(笑)。
アンコールはリットンが「もう1人のヒーロー」と語ったオスカー・ピーターソンを指揮者のピアノ・ソロで。

11日 インバル/フィルハーモニア管/フィルハーモニア合唱団/マーラー:「復活」
以前の来日公演での合唱の不手際のリベンジ!(笑)
以前より切れ味勝負ではなく、交響曲としての統一感が増してきたインバル。
流石の名演でした。
フィルハーモニア管も楽器機能がメチャクチャ高く、この曲くらいなら楽々とこなしてしまうあたりは脱帽。
この日はロンドンっ子も拍手を控えてくれたので、気分良く鑑賞出来ました(笑)。

(出国→ベルリン着)
12日 マゼール/ウィーン・フィル/ベト:「田園」/ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲 他
今回の遠征での最高コンサート!(感涙)
流石はマゼール。
因業な面相をしながら、流れる音楽はしなやかで気高く、人間の快感原則を忠実に刺激する、見事の一語に尽きる演奏。
今やウィーン・フィルをこれだけ自在に動かす事の出来る人間は貴重だろう。
そして、ラヴェルの幻想世界を具現化して提示してみせたダフニスはまさに感動!
久々に、ウィーン・フィルに惚れてしまった(笑)。

13日 ラトル/内田光子/ベルリン・フィル/クルターク/シベ4/ベト:P協5「皇帝」
これも今回の遠征のヤマ。
まず、ラトルのシベ4は深い呼吸感があり、朴訥でやや取っ付き辛い曲を自然に表現していた。
ヴァンスカの剛直な表現とは異なる、質素ながらこれもまたシベリウスの本質に迫る演奏だったと思う。
皇帝は内田光子女史の表現力、更に、ラトルのサポート共に抜きん出ていた!
2楽章から3楽章に入る部分の見事なアンサンブルや3楽章のトゥッティでの盛り上がりなどこのコンビでなければ聴けそうにない素晴らしい演奏を堪能できた。
今のベルリン・フィルの美点が活かされているなぁ、と強く感じた演奏だった。

14日 ランニクルズ/ベルリン・ドイツ・オペラ/楽劇「マイスタージンガー」
ワーグナー週間に来襲(笑)。
古いゲッツ・フリードリヒ演出は、(部分にワーグナーの台本とは異なる動きをする部分があるものの)読替などはなく、3幕など絢爛なセットを活かした見応えある舞台。
特に2幕のコメディカル要素は実演で初めて真価を発揮するのだ、と思い至る。
この実演に触れたし、帰国してからジークフリート、神々の黄昏、更に4月にはパルジファルのチケットも確保してあるので、いよいよバイロイト演目全制覇だな、と勝手にほくそ笑む(笑)。

(再入国→ロンドン着)
15日 パッパーノ/ロイヤル・オペラ・ハウス/「賭博者」
意外と予想以上に面白かった舞台であった。
カジノ以外のセット部分を動物園やホテルのフロント、廊下などにして、肝心のカジノは終盤まで登場しない事により、アレクセイの心象風景をミラー効果として映し出す役割のように浮かび上がってきていたのが面白かった。
歌唱はアンゲラ・デノケのポリーナが抜群。
他も十分聴き応えがあり、5ポンド(約700円)の立見席の元は取った演奏だろう(笑)。

空白の6〜8日は、私は音楽初心者なので、そこまで予定は詰め込まず、のんびりとウィンザー城まで足を伸ばしたり、5ツ星ホテルのリッツでアフタヌーンティーしてみたり、チェルシーvs.アーセナルを観戦したり、とそこも楽しく遊ばせて頂きました(笑)。
全体を俯瞰すると、ロンドンはコンサートのマナーと音響はイマイチ(笑)でしたが、演奏者の豪華さ、更に曲選定の巧みさは光りました。
ベルリンは流石の音楽都市、と思えるほどロンドンよりマナーの良さがありました。
でも、気付いたのは基本的には東京が最も大人しくてマナーが良い、という事です(笑)。
まぁ、コンサートホールに来ている一部変な人達による変なマナーは出来るだけノイズ・キャンセリングを行って、もう少し気楽に目の前の音楽を楽しもう、とも思った有意義な旅でした。

それでは〜。
ゴホッゴホッ…。
最近話題のタケシ君を聴いてきました(笑)。

それにしても、この一家は凄い。
NYフィルの奏者(母親は今回の来日メンバー)であった両親と指揮者のアラン、妹はリヨンのコンミスであるジェニファー。
まさに音楽一家です。

注目の公演については、まずは、↓の画像中央を御覧下さい。
イメージ 1


…吃驚しました…。

因みに、このシンセサイザー(多分)ですが、前半、最初から置いてありました。
まぁ、理由は曲目を考えればすぐ想像がつきましたが、マラ3をツアーで取り止めた理由と同じく、経費節減のためだろうか、と考えると若干寂しい思いがしました。
詳しくは後述します。

指揮:アラン・ギルバート
ヴァイオリン:フランク・ペーター・ツィンマーマン
管弦楽:ニューヨーク・フィルハーモニック
[曲目]
・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
・ベルリオーズ:幻想交響曲
(アンコール)
・ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より第3幕前奏曲
・ブラームス:ハンガリー舞曲第6番

ほぼ満員で拍手が鳴り響いていた観衆の中で少数派だとは思うけれども、個人的な率直な感想を…。
これがマゼールだったらなぁ…(笑)。
まず、表現が全体的に垢抜けない。
音楽の核が見え辛く、印象散漫。
アラン・ギルバートの統率に目的意識を感じない、という印象。
しかも、細部のチェックが甘く、アンサンブルも弱い。

まず、ブラームスはツィンマーマンのヴァイオリンを聴き辛いであろう席位置だったにも関わらず、オケがごちゃついているせいか、よく聴き取れた(笑)。
透明感、という美点ではなく、全体に薄味、というブラームス。
まぁ、2楽章は中々叙情的で聴かせる部分もあったが、全体的には、名物ホルンのフィリップ・マイアーズも居らず、全体に厚みに欠け、ちょっと拍子抜けの音楽であった。
ただ、ツィンマーマンは絶品!
唄い回しと濃い音色がブラームスのロマンを感じさせる。
出来れば違う曲(ベルクなんか如何だろう?)で聴いてみたかったというのが本音。

後半のベルリオーズは、3楽章が中々表現されていて、意外な部分に魅力を感じた。
個人的に、3楽章は幻想は4,5楽章の狂気の世界を引き立たせるための緩徐楽章として捉えている面が強かったが、聴衆を飽きさせないためには、こういう表現もアリなのか、と思いつつも、やはり4,5楽章が平板になってしまうだろう…と気にもなった。
実際、メインとなるべき4,5楽章はイマイチ。
テンポ感自体が、前列と後列でズレがあり、あまつさえ、ティンパニ奏者同士の中でさえ、ズレがあるという状態。
狂気が浮かび上がるのではなく、単純なズレがある演奏で、マゼールならもっとオケ全体がドライヴされていたのでは…と残念だった。
そして予想的中で鐘の場面でシンセサイザー登場。
繊細なボリューム・コントロールとタイミングを捉えたシンセサイザーによる鐘を頑張っていたパーカッショニストは個人的には賞賛に値すると思う(笑)。
しかし、真面目に言えば、鐘はやはり生で打った方が良い。
どうしても響きが軽く、イマイチ。

アンコールは指揮者本人が流暢な日本語で曲紹介。
実はこの人、母親が日本の方で、ミドルネームは"タケシ"なのだ。
そんな彼の紹介で「ローエングリン」の第3幕への前奏曲が始まったのだが、この曲だけ登場したE♭ Cl.(英語表記してみた)奏者の楽譜が無かったようであたふたしていたのが印象に残る。
譜面が通常のオペラで3幕へと繋がる譜面ではなく、オーマンディ指揮フィラデルフィア管のワーグナー管弦楽曲集と同じものだった(この譜面、よく知らないので詳しい人が居たら教えて下さい)。
ハンガリアンダンスの6番と共に勢い重視といった風情。

まぁ、指揮者、オケの関係はまだまだこれから、というのが今回の結論でせう。

ブル始め…orz

さて、つい先だっての土曜。
プロコフィエフを聴いたのですが、それは余りにも濃過ぎな1日の序章にしか過ぎませんでした…orz
何といっても、次にはこの演奏会が控えていたからです…。

イメージ 1


1/17@サントリーホール
指揮:小澤征爾
管弦楽:新日フィル
[曲目]
・ハイドン:協奏交響曲
・ブルックナー:交響曲第1番(リンツ稿・ノーヴァク版)

ハイドンは中々よく出来ていた。
来月のブリュッヘンに向けて準備は整っていると言えるだろう。
日フィルの古典(偽古典)とは異なり、30年くらい前のスタイルを感じさせるハイドンで、非常に無理が無い。
流れがはっきりとしていて、単純ながら楽器を変えている妙もある旋律の追い掛け回しが、鮮やかに浮き出てきていた演奏で、非常に楽しい曲の仕上がりになっていた。
アンサンブルも水準を充分に超えている好演だった(これは日フィルと同日だったせいもあるかも知れない)。
ソロの妙技は団員から直接選んでいた事も考慮すれば充分だろう。
管楽器はかなり魅せてくれる音だった。
小澤のハイドンは、ラトルなどのピリオド・スタイルとは原理的に異なる部分をよく感じた。
反対に、2月のブリュッヘンへの興味も湧いてくる演奏だ。
ブルックナーは今まで聴いてきた小澤の端整な音楽のイメージとはかなり異なるアプローチ。
チューバがない編成だけに低弦に音が足りないのは痛い。
小澤征爾の指揮では、曲を始める前に一瞬表情を和らげてから振り始める事が多いのだが、今回は1楽章冒頭からかなり引き締まった表情をしており、演奏中は何度も唸り、叩きつけるように音を要求していた指揮姿は今まで私が見てきたとは異なり、非常に印象的だった。
特にガツガツと音を鳴らし、拍を刻んで前進していく両端楽章などは、もっと透過性ある音楽を予想していただけに個人的にかなり意外。
指揮においても、流すような振りではなく、兎に角低声部を刻みつけて出させようとしていた。
マーラー的、などというナンセンスな言い方で括ってしまうのはどうかと思うが、今回の小澤はゴリゴリの巨匠的オールド・スタイルではないが、最近の若手指揮者(ヴェルザー=メストとか)のブルックナーにある流すスタイルとは異なる演奏だったのは確かだし、一部の指揮者が開発しているピリオド・スタイルを持ち込んでアクセントを豊富に付けていくパターンでもない。
そして、決して所謂"ドイツ的"な演奏ではない洗練もなされている。
詳しい人によれば、小澤のブルックナーはカラヤン直伝だそうで、なるほどフレージングは縦線にとどまらず、横線の音楽の流れまでしっかりと配慮されているもので、"厚ぼったい"とは異なる位相での音の厚みが出ている演奏だった、と思う。
それから、トランペット首席のデイヴィッド・ヘルツォークが流石の出来。
管楽器全体も一切倍管なしで挑んでいたのも日フィルとは現在の状態において格が違う、と言えるだろう。
疑問だったのは、終楽章でコラール的な金管の主題で繰り返されたクレッシェンド。
この曲は詳しくないので何とも言えないが、このフレージングにより、かなり音楽を歪にしていた気がして支持は出来ないが、こういう演奏は一般的なのだろうか?
まぁ、よう分からんけど、良い公演であったのは確かだ。
しかし、プロコフィエフ、ブルックナー、というのは流石に濃過ぎるなぁ…orz

蛇足ながら一言。
ところで、腹が立ったのは終演後の毎度御馴染みのフライング・ブラボー…。
今回は絶妙なまでに音楽の終わりを破壊するタイミングで入った…orz
小澤征爾も舌をペロッと出して「やられた」という顔をしていた。
はっきり言ってこれは暴力的な行為である。
犯人はファンなのか真っ先にサインを貰っていたらしいが、よくもまぁ、指揮者にあんな顔をさせるようなブラボーをしといてサインなど要求出来るものだ、と神経を疑う。
個人的に思うのだが、サントリーホールのようなクラシックのホールでは電波遮断装置が使えるのだし、そろそろ「拍手やブラボーは演奏終了後一呼吸を置いて」というコンサート・マナーを携帯電話のマナー以上にしっかりと周知、徹底させるべきではなかろうか…。

イメージ 2


ところで、この日は西郷どん(俳優:小澤征悦)他小澤ファミリーがコンサートに来場していたようです(笑)。

ラザレフ3連発!

年明け最初のコンサートはラザレフ、ラザレフ、間を挟んでまたラザレフ、と異様なローテーションになってしまいました(笑)。
ラザレフは明らかに実力のある指揮者であり、今回も日フィル以外(読響やN響かも知れません…)からのオファーもあった中で日フィルを選んだという事らしいです。
この選択が聴衆にとって吉と出るかどうかは、まだ判断が出来ない、というのが今回の3公演の感想です。
まぁ、取り合えずは次回に期待です。

イメージ 1


【1/10 第328回名曲コンサート@サントリーホール】

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
ヴァイオリン:山田晃子
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
[曲目]
・チャイコフスキー:戴冠式祝典行進曲
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
・ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
[アンコール]
・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第10番

サントリーホールが花が置かれて華やかに色付いていた。
新年気分で着飾っている人も多く、浮かれていたかったのに、いつも通り不景気な感じの私。
しかも新年初めてのコンサートで掛けられた声も某○in氏の「目が腫れてる」だった…orz
望むは穏やかな人生なんだが、中々難しそう…(笑)。
今回最も印象に残ったのは5分強の最も短い戴冠式祝典行進曲…。
この曲はどう聴いても譜面が阿呆だ(笑)。
この曲は、爆裂しているロシア民謡は少し音が荒れているものの御愛嬌、で済むレベルではあるか。
チャイコンはソリストがイマイチ。
ラザレフも我慢しているように感じた。
もう少し演奏がこなれてきたら、同じコンビからでも満足出来る演奏が聴けるかも知れないが現時点では素晴らしい、とは言えない。
メインのドヴォルザークは全体を通して派手だが、やはり最近の日フィルは音が荒れてる事も意識せざるを得ない。
ラッパはテーマが最後にメジャーに転調した部分で完全に力尽きていた…。
まぁ、あの曲は最後の最後が極度にキツいのは分かるが…(因みに、ラストのEの音も結構鬼門)。
ラザレフ自身もチャイコフスキーの方が向いていそうだ。
因みに、2楽章の冒頭の再現で、再度チューバを投入。
これは彼らしいやり方かもなぁ…。

【1/11 サンデーコンサート@東京芸術劇場】
指揮:アレクサンドル・ラザレフ
ピアノ:小山実稚恵
管弦楽:日フィル
[曲目]
・リスト:交響詩「レ・プレリュード」
・リスト:ピアノ協奏曲第1番
[アンコール]
・リスト:「愛の夢」第3番

・チャイコフスキー:交響曲第4番
[アンコール]
・チャイコフスキー:「くるみ割人形」より行進曲

この日は山手線が遅れて、到着には難儀した…orz
どうも年明けから縁起が悪い…。
取り合えず、「レ・プレリュード」ではスタンダードな中に、各所で少し印象を強めるフレージングを配置。
何より、金管を派手に鳴らしていたのは印象的。
弦楽器、管楽器共に音がもう少し整ってくると、芸術の領域になる。
小山は先月よりも良かったようで好調。
かなり冴えたピアノで、力強いタッチは流石第一人者、と思わせる演奏だった。
曲自体が余り好きではないが、出来は良かったように思う。
チャイ4についてはラッパが入ったファンファーレで、ブレスを整えて音楽の流れを失する部分があった。
フレージングとしては正しいのかも知れないが歪な音楽にするのはどうだろう、と思う。
こうなった原因として考えられるのは、日フィル側がワンブレスでこのフレーズを吹く、という指揮者の要求に応えられなかった、という事だろう。
確かにあの音量、精度でワンブレスというのは厳しいかも知れないが、こうした妥協をしなければならない、というのはかなりオケに問題があるように思う。
その他の部分、楽器でもラザレフの緩急自在、完全に音楽を手中に収めた表現に、以前聴いた読響ほど高い精度で応えられていないのが気になった。
全体としてみれば、かなり良い水準の演奏ではあるが、日フィルと読響の状態の差、というのを感じもした。

【1/17 第607回東京定期@サントリーホール】

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
ヴァイオリン:漆原朝子
ヴィオラ:今井信子
管弦楽:日フィル
[曲目]
・プロコフィエフ:古典交響曲
・モーツァルト:協奏交響曲
・プロコフィエフ:交響曲第7番
[アンコール]
・プロコフィエフ:交響曲第7番より第4楽章より[改訂版]

プロコフィエフは個人的に然程好きではない面がある。
とはいえ、5,7番などは私にとって魅力を感じる部分もあり、今思えば、もう既に2,6番を除けば彼の交響曲を実演で聴いてしまっている、という事実もある(別に希望した訳でもないのだが…orz)。
今回のシリーズは私の中で、プロコフィエフとの対話とソ連というシステム下における芸術、という側面的な財産も得られる機会になるかも知れない。
では、演奏について。
まず、日フィルがついていききれてない。
偽古典→モーツァルトというプログラミングの秀逸な前半は余り良さを活かせていないように思う。
ただ、ラザレフの的確な振りはバーンスタインが録音を聴き笑い転げた、という古典派の音楽作りを敢えて外した箇所を浮かび上がらせていて、バーンスタインほどの発見は出来ていないにしろ、私にもこの曲の偽古典としての作りの面白さがよく分かった。
今井信子のモーツァルトには流石と唸らされたが、前半はかなり形式に対するジョークも含めたプロコフィエフの良さを弦楽器のアンサンブルの悪さが壊していた面もある。
それから全曲を通じて、管楽器全体が音が荒れているが、特にトランペットは問題。
因みに、この首席奏者は先年のマーラー「悲劇的」などでも酷い演奏をかましていた。
それでも指揮者の力量は大きく、7番は好演の部類に入るだろう。
指揮者自身、演奏中から納得いく部分も多かったようで、ヴィオラへ(エドはるみのように)"グー"サインを出していたり、
ところで、フィナーレの両版を並べて聴くと改訂版の唐突なフィナーレの印象はこの曲をパロディズム溢れる肯定的作品と捉えるか、純音楽(「青春」という標題がない場合も見受けるのだが…)としての要素に重きを置くかで変わる気がする。
プログラムなどでも色々な指摘がされているように、命の危険には至らなかったとはいえ体制からの圧力(離婚その他)を受けていた、という事実と、指揮者や放送側からの指示にかなり簡単に書き換えた、という事実がある。
いずれを採るべきかの検証は置いておくとしても、ソ連、という歴史を考え、その場にもいたラザレフが日本語とはいえ「書かされた」と明言した事も含めると、少なくとも今回の演奏会では、きちんと取り上げるべきは原典版で、その対比としての改訂版、と考えるのが良いのではなかろうか。
次回のラザレフの来日では、プロコフィエフは結構どうでも良い(爆)ので、プロコフィエフとモーツァルトの関連付け、また、どんなラヴェルが聴けるかを楽しみにしたい。

納まったので総括的に



昨日は仕事納めでした。
結局、業務時間が足りない中で巧くこなしきれず、移動などの指示も私はきちんと出したのですが充分に機能しなかったので怒られてしまい、何だか少し釈然としなかったものの、何とか形を付けてきました。
取り合えず、忘年会は何とか奢って貰えそうなので良かった(笑)。



さて、今年も聴衆として総括的な話をしようかと思います。

印象的な公演は沢山ありましたね〜。
今年はオペラよりもオケ公演の方に印象深いものが多かったように思います。
国内オケでは都響、読響、新日フィル、に佳演が多かったように思います。
特に、都響の充実ぶりは日本発のオーケストラ文化として非常に重要なものと位置づけられ得ると思いますし、読響はスクロヴァチェフスキ、ヴァンスカとの良好な関係からの力強い演奏の好演、そして新日フィルはアルミンクと行ったツィマーマン、ブリテン、ヤナーチェクといった作品が印象深く、ミョンフン、エッティンガーとの東フィル、スダーン、大友らとの東響といったオケも期待したいです。
海外オケでは、後述するものが多いですが、年頭のシュトゥットガルト放送響やフランクフルト放送響なども良かったです。
オペラではウィーン国立歌劇場を筆頭に、「エフゲニー・オネーギン」を響かせ、「利口な女狐の物語」に挑戦した小澤、更には「魔弾の射手」、「軍人たち」、「トゥーランドット」の出来が良かった新国立劇場、「マクロプロスの事」は音楽で「エフゲニー・オネーギン」は演出で魅せてくれた二期会、オペラで本領発揮したゲルギエフ、と今年も素晴らしいものに色々と逢えました。
更に、ソロ、アンサンブルでは、バーバラ・ヘンドリクス(貼り付けた画像の「アヴェ・マリア」も彼女です)、イアン・ボストリッジらの声楽陣やフランク・ブラレイ、ペーター・レーゼル、といったピアニストなども忘れられません。
アンサンブルではアルゲリッチ、カプソン兄弟のアンサンブル、アルバン・ベルク4重奏団。
コンチェルトのソリストとしてはツィメルマン、クレーメルのベテランに加えてフランシスコ・フローレスのような若手も聴けました。
こうして書いてみると結構色々聴いてるもんですね(笑)。

という事で、今年のコンサート10傑といった風情で。
自分で書いていながら、「何故これが10傑に入らないのか!」と断腸の思いで選びました。
来年も良い公演に出逢えますように。

第10位
11/29 ファジル・サイ
・ムソルグスキー:展覧会の絵
・サイ:ブラック・アース
・サイ:サマータイム・ファンタジー


自作さえも音に淫するように解体、再構築している姿に吃驚させられた公演です。

第9位
4/12 井上喜惟/蔵野蘭子/ジャパンシンフォニア
・ブラームス:悲劇的序曲
・ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集
・ドヴォルザーク:交響曲第7番

この日の悲劇的序曲の半端じゃない熱量ある音は今もって忘れられません。

第8位
4/29 エリアフ・インバル/ソリスト,合唱多数/東京都交響楽団
・マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」

上野では未完成だった部分が練り込まれたこの日が3公演で最も良かったです。

第7位
11/13 イアン・ボストリッジ/ジュリアス・ドレイク
・ブリテン:歌曲集「冬の言葉」より
・カワード:歌曲集
・ワイル:ウォルト・ホイットマンの4つの歌曲


知性溢れるプログラミングと良い、しなやかで美しい演奏と良い、今年最高の独唱でした。

第6位
9/6 小澤征爾/サイトウキネン・オーケストラ
・モーツァルト:交響曲第32番
・武満徹:ヴィジョンズ
・マーラー:交響曲第1番「巨人」

感情過多な面を剥ぎ取って突き進んでいくマーラーで、人生最良の小澤体験となりました。

第5位
11/4 フリードリッヒ・ハイダー/エディタ・グルベローヴァ 他/ウィーン国立歌劇場管弦楽団,合唱団
・ドニゼッティ:歌劇「ロベルト・デヴェリュー」

まさにコロラトゥーラ、といった感情の発露は凄かったです。
グルベローヴァ、という逸材の存在感が他を凌駕していました。

第4位
10/21 エサ・ペッカ・サロネン/ロサンゼルス・フィルハーモック
・ファリャ:「恋は魔術師」より「3つの踊り」
・ラヴェル:バレエ「マ・メール・ロワ」(全曲)
・ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」(全曲)

サロネンの若くして築き上げた関係性の濃さがよく窺える、機能美を追求した音色でした。
楽譜が立体的に起こされて浮かんでくるような印象の公演でした。

第3位
11/26 サイモン・ラトル/マグダレーナ・コジェナー/ベルリン・フィルハーモニック
・ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」
・マーラー:リュッケルト歌曲集
・ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」

アンサンブルが素晴らしいオーケストラとはこういうものか、と得心がいった演奏会です。
ベートーヴェンを新鮮な清澄さをもって体感出来た貴重な体験でした。

第2位
11/3 テミルカーノフ/デニス・マツーエフ/サンクトペテルブルク放送響
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
・チャイコフスキー:交響曲第5番

今まで人生の中で、最高のチャイ5を耳にしました。
テミルカーノフの深い音楽哲学が窺える名演だったと思います。

第1位
4/14 ケント・ナガノ/モントリオール交響楽団
・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
・ドビュッシー:交響詩「海」
・R.シュトラウス:アルプス交響曲

ドビュッシーの美しさ、そしてうねりと爆発を生むリヒャルト。
方向性の異なる2つの物凄い美質を持った音楽を聴けた事実がとても幸せでした。

最後に一言。
皆様、今年も御世話になりました&来年もまた宜しく御願い致しますm(_ _)m

今年のBPOのジルヴェスターはアメリカ音楽特集だそうなので、私から皆様に年末のプレゼントです(笑)↓


それでは〜。

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