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クライマックス・シリーズ第2ステージのチケットを20〜22日の全てを入手(笑)。
席種は日によって立見、内野指定席D(3塁側)、外野ビジター応援席、と様々ですが、落合の胴上げの瞬間はこれで見逃さずに済みそうです(笑)。
ところで、折角なのでこの機会に、会員である関係から、チケットを多数所有するNHK交響楽団の現況とそこから推察する今後についてちとしたためておきたいと思います(笑)。
因みに、私は9月の定期公演A,B,Cに加えてオーチャード定期まで逝きました。
9/30、10/6の10月A,C定期はチケットを持っていましたが、それぞれ都合と嗜好の問題から、逝ってくれる方にお譲りしました。
ですがBプロは聴きに逝く予定です。
詰まる所、どちらかと言えば常連客になる私の個人的な評という事で御理解して下さい。
前置きが長くなったが、田園の初っ端からオーボエが有り得ないミスを犯す、というように最悪だったアシュケナージの最終公演であるベートーヴェンを聴き終えてから3ヶ月(笑)。
最早言わずと知れた往年の名指揮者、アンドレ・プレヴィン(金かけてそんな御大を呼ぶよりも若手で優秀な常任を就けてくれ…)によるプログラムで今シーズンが幕を開けた。
まずは9/8のA定期。
オール・モーツァルト・プログラム、という時点でN響のプログラミング・センスの底の浅さが窺える気がしないでもないが、「フィガロ」序曲とP協24番、リンツ、というプログラムであった。
フィガロはアンサンブルも音も魅力が皆無で、加えてプレヴィンらしい瞬間的なクレッシェンド、デクレッシェンドによる表現力もほぼ全く見られず、ヒドいものであった。
正直、この演奏にはかなり失望した。
続いてのコンチェルトはプレヴィン弾振り。
80近いお年と椅子でしか指揮できない現状を考慮するとほぼ無理、という気がしてならないが、まぁ、聴いてみる。
こちらはオケは多少、整っていたが、まるで音に魅力が無く平板…。
プレヴィンのピアノも最早指も覚束ないようで、どれだけ意味があるのか疑問に思った部分もある。
ただし、自作のカデンツァを用いた事は賛否はあろうも個人的には悪くないと思う。
単純な構成で、わざわざ書き換えた意味が無い、と言われればそうかも知れないが、ジャズの源流にモーツァルトやバッハの即興がある、という論理を体現したような単純ながらも聴けない演奏でなく、結構指も流暢に回っていたので、この部分はある程度評価出来ると思う。
リンツは急に音に華が現れ、少しはイケるか、と思ったが、どうもN響のモーツァルトには悪しきイメージの固化があるようで、動きが悪い…。
プレヴィンの棒に対する反応が鈍いのである。
結局、不完全燃焼に終わった演奏であった…orz
続いて、9/14,15のC定期。
これはどちらも聴きにいった。
プレヴィンのラヴェルは、明らかに秀演である「子供と魔法」の録音を始め、個人的に結構好きなので、わざわざ2回も逝ったのである。
…が、ここも結果は深い感動には至らず…orz
曲目は組曲版の「マ・メール・ロア」、P協ト長調、「ダフニスとクロエ」全曲。
N響は弦楽器が優秀とよく言われるが、それも所詮tuttiのみである。
ソロ、小編成になると途端に不安が表面化する。
それを感じたのが「マ・メール・ロア」であった。
木管が今よろしくないのは周知の事実だが、ソロを受け渡すヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの首席奏者がそれぞれ凄く動きが固い。
パヴァーヌや終曲はそれだけで魅力半減。
まぁ、流石はプレヴィンの得意レパートリーの1つだけあって、終曲冒頭の一体感には感心。
特に2日目の出来は良かった。
コンチェルトについては最早コメントするまでも無いのだが…orz
トランペットの首席奏者として登場した関山氏が驚くほど外しまくる…。
ラヴェルで冒頭から絶望感に苛まれる演奏はそうはないだろう(笑)。
しかも、演奏が下手なだけなら既にある程度想定範囲内だが、酷かったのは1日目の演奏開始前には、主管の途中から管の着脱が可能なタイプのラッパを持ってきていたが、止め具が緩んでいたのだろう…。
ベルに向けての先っぽを床に落として「ガシャン」と壮絶な音を響かせる…orz
こういう失敗を私がした事無い訳ではないが、これは1人の楽器吹きとしてどうかと思う。
せめてプロの本番のステージではあって欲しくない事態だ。
ソロのジャン・イヴ・ティボーデは流石に巧みなピアニズムだった。
が、通常とは異なり、1日目の方が動的で意欲的。
2日目は何処か倦怠感漂うものになり、少し伴奏がマシになった気がしないでもなかったが、ピアノが悪く結局満足感は薄い演奏に…。
そんな感じだったので、当然言うまでもないながら、ダフニスは、特に1日目はかなり退屈になってしまった…。
奏者もどれだけ譜面を理解しているのか…。
第3部に入ると少しマシだったが、その手前はかなり冗長。
2日目になると譜面理解が改善され、ラヴェルの仕掛けが少し活きてきた。
正直に言えば、この時がプレヴィン&N響のベスト・パフォーマンスだったと思う。
更に、9/20のBプログラムは武満のセレモニアルは私自身の理解が不足しているのを投影しているだけかも知れないが、プレヴィン自身そこまで理解していないような気がしたのは気のせいか。
非常に表面的で幽かな音色にとどまる印象(狙いでもあろうが…)。
大ホールでやると笙という不思議な楽器の重層的なハーモニーが響ききらず、コンセプト倒れな感があると個人的には思う。
まぁ、武満に文句付けられる程私に音楽理解があるわきゃないが…(笑)。
コープランドはフィガロ並みにボロボロだった。
どの楽器も舞曲が下手なのである、結局は。
特にこの日のトランペット首席の津堅氏が結局は散漫で成分の薄い音しか出ず、ろくな響きが無いまま終了。
詳しく言うまでも無く、カッチリとした魅力的な活き活きとしたバレエ音楽のコープランドは露ほども姿を見せなかった…orz
そしてラフマニノフ。
この曲で痛感したのは、プレヴィンの表現力はまだまだ凄く生きている、という事だった。
特に、解釈の完成度はかつての3度の録音(RPOだけは聴いてないが…)に劣らない、色々な部分で未だ表現力を維持した上で、楽章ごとに設定した最大の山に向けて、非常に計画的な動きを見せるのは流石の手腕だった。
個人的に感動したのは3楽章冒頭のメロディ。
ここをハーモニー重視にして、冒頭が山場でないことを意識した上で8分目の力加減から始めて、叙情性ばかりを垂れ流さないのは、プレヴィンらしい品格の象徴であろう。
はっきり言って、こういう面は未だに全くもって枯れていない。
転じてオケ。
プレヴィンの構築性ある解釈に対して反応が鈍過ぎる。
信じられない事に、2楽章や4楽章などでは何度も伴奏、内声、旋律それぞれが完全にズレ、非音楽的な空間が出来てしまう…。
まぁ、寂しい事だが、そうした一体感の無さを鋼のように纏め上げる力は、プレヴィンには既に無い、という証明なのかも知れない…(だとすれば、彼に任せた運営側の責任があるだろう)。
が、もう少しアンサンブルの良いオケを率いれば、彼は必ず見事な演奏をしてくれるであろう。
最後に9/23のモーシェ・アツモン指揮のオーチャード定期。
ラフマニノフのP協3と展覧会、という単純過ぎて驚きの組合せ(笑)。
この演奏会では、ラフマニノフはオケとピアノのコンセンサスがイマイチだったような感があり、こちらはそれほどでも無かったが、展覧会は音圧のしっかりかかったラッパが先導する見事な演奏。
こんな首席奏者、今のN響にいないだろう…と思ってよく見たら、(多分)都響の首席奏者だった。
それにしてもあのオケは、今は非常にラッパが充実しているという事を証明するかのような目の醒めるソロを冒頭から響かせ、最後のキエフの大門まで満足行く演奏を展開。
ついでに、もしかしたらホルンの首席も何処か他のオケではなかっただろうか?
取り合えず、悪くは無い…というか良い音をしていた。
単純で、深みには乏しかったかもしれないが、所謂、通俗名曲を見事に鳴らしきった快演であった。
要するに、病巣は金管楽器の首席にかなりある気がするのだ。
動きの硬さは伝統なので、何とかして貰いたいが一朝一夕にはいかないだろう。
だが、金管に関してはトランペットとホルンだけは優秀な若手を入れて貰えれば、全く異なる響きのオケへと変貌を遂げるはずだ。
期待したいのだが、中々世の中ままならない(笑)。
さて、こうして挙げると、随分辛辣な評のような気がする(笑)。
…が、私は、このオケに関しては定点観測的に聴き続けている事もあり、気になって仕方が無いのだ。
きっと、これからも聴き続けるだろうし…。
…という事で、希望的な観測を含めた展望をこの後は少し書いてみたいと思う。
マリナーは多分、感動は呼ばないだろう事が読めるのでどうでも良いが、来月のサンティには若干注目できる所があろう。
「ラ・ボエーム」は定期的にピットに入った経験をもたないオケがそうやれるとは思えないしN響はベトに柔軟性が無いのも痛感するので、いずれも期待は持てないが、チャイコフスキーの方は結構期待出来る気がする。
昨年の5番を聴く限りでは、作曲家に対する思い入れや理解も充分窺え、歌いつつも無理なテンポ・アップは控えた曲作りなどが光る指揮者なので、1番のようなマイナー・レパートリーもイケるのではないだろうか。
更に12月以降は呼んでいる奏者が非常に良いので、後はオケの表現力でかなり出来に差が出てくるだろう。
そして、一流でない楽器を扱う際の指揮者の真の実力、というのも垣間見える結果になるだろうが…。
それぞれ簡単に展望を書くと12月は次期NYPのアラン・ギルバートの手腕が窺えると共に、ベルクのヴァイオリン協奏曲は昨年、ローター・ツァグロゼクが見事な伴奏を付けている分対応が出来るだろうし、ヴァイオリンがフランク・ペーター・ツィンマーマンという物凄い奏者なので、かなり期待が持てる。
1月のブロムシュテットはやはりオール・シベリウス・プログラムが筆頭に挙がろう。
マーラー、ブルックナー(…orz)、という大曲の前に2月のチョン・ミュンフンはA,Cプロ共に得意のメシアンを持ってきており、彼のマーラーも録音はないが壮絶、と噂は聴くのでどれだけ出来るか是非聴いてみたい所。
まぁ、取り合えずは簡単だが、以上という事で…。
N響にはこれから、それなりの期待を抱かせる演奏をして欲しいなぁ…と切に願っている常連客がここに居る事を是非忘れて欲しくないもんだ…。
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