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   とぼとぼ歩いていると森の入り口にたどり着きました。
   『おい、小熊や。君はどこから森に入った?

   『え?僕は・・・いつの間にか森に・・・

   『おかしな事を言うやつだな。わしは森の番人として毎日森の入り口におる。昨日入ったのはカラスの兄弟と女の子、今日はうさぎの子供だけだ。君は見てないぞ。

   『え・・・

   『まぁ良い。今からどこに行くのだ?森を出ると右は動物の町、左は人間の町だぞ。2つの町は交流があるからどちらでも住みやすいところだ。

   『僕は・・・動物だから動物の町に行くよ。

   
   森を出て川を越えて、ようやく町らしきものが見えてきました。
   『あれ?・・・しまった・・・ここは人間の町だ・・・
   
   どうやら途中で道を間違えてしまったようです。
   『どうしよう・・・今から戻ると動物の町に着く前に夜になっちゃう・・・でも人間の町にいてもクマなんて泊めてもらえないだろうなぁ・・・どうしよう・・・

   途方にくれたクマくんはぼんやりと歩いていました。
   通り過ぎる人間達はクマくんに何の興味をもちません。
   『はぁぁあ・・・どうしよう

   『あれ?こんな町にクマがいる・・・どうしたんだい?

   『え・・・人間・・・ぼ、ぼく泊まる場所がないんだ・・・

   『うむ・・・迷子かな?俺の家に来るかい?

   『うん!ありがとう!

   クマくんは不安で一杯でしたが優しそうな人間に付いていくことにしました。
   歩きながら様々な話をしました。
   人間は動物の町にもよく通い、クマの知り合いもいるそうです。
   また、クマくんに行くところがないと知ると一緒に住もうよと言ってくれました。
   人間の家に着き、一緒にご飯を食べておしゃべりしながら眠りました。

   
   クマくんにとって幸せな毎日が続きました。
   自分が誰か分からないけれど、今の日々を過ごせるならこのままで良いと思っていました。
   人間も楽しそうでした。
   しかしクマくんは人間が時折見せる表情に気づいていました。

   『ねぇ、君はどうして時々寂しそうな顔をするの?

   『・・・君は他のクマと違って鋭いね。実はね・・・
   人間の話した内容は愛する女性がいなくなったというものでした。
   ある日喧嘩をしてしまい、その時から連絡が途絶えてしまったそうです。

   『俺はきっと嫌われたのさ。

   クマくんは一生懸命考えました。
   『きっと女の人にも何か理由があるんだよ!

   その言葉が気休めにしかならない事をクマくん自身にも分かっていました。

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