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夜の不連続ネット小説「てっぱん」20110826
【鉄の女】【六法全書】【歌舞伎町】
SE:歌舞伎町
N:「夜の歌舞伎町、キャバクラ店入口」
黒服「いらっしゃいませえ、一名様ご来店でえす。こちらへどうぞお!!」
N「客、かなり酔っている」
客「あ〜、う〜、よいしょ(座る)」
黒服「失礼します、ランさんでえす」
ラン「こんばんはー」
客「あい、こんばんわあ」
ラン「あっ……」
客「んー? どしたのー?」
ラン「(やばいやばいやばいやばい、○○くんじゃん。
どうする? あたしどうする? どうするどうするどうするどうする?)」
客「お名前は? お名前はなんて、言うんですか?」
ラン「あ、はい?」
客「お名前」
ラン「あ、名前、名前ね、ここでは、あ、ここではじゃなくてあのその、ラン!! ランです」
客「ランちゃ〜ん」
ラン「は、は〜い」
客「ランちゃ〜ん」
ラン「な、なんですか〜?」
客「ランちゃんは、恥ずかしがり屋さんですか〜?」
ラン「え、なんでです?」
客「だってえ、全然こっち見てくれないからあ」
ラン「そ、そうなんです、恥ずかしがり屋でして」
客「え〜、でも、お顔ちゃんと見たいなあ」
ラン「そ、そうですよねえ、はいっ!! はいっ!! はいっ!!」
N「ラン、首をぶんぶん左右に振る」
ラン「……はいっ!! はいっ!! はいっ!!」
客「ははは、面白いねえランちゃんって」
ラン「そうですかあ? あはははは!!
(どうなのこれ? バレてない? バレてないんじゃない?)」
よ、よくこういうお店来るんですか?」
客「うーん、先輩に連れられて来たことあるけど、あんまり来たことない」
ラン「そうなんですかあ。今日はひとりですか?」
客「う〜、皆で呑んでたんだけど、なんかいつのまにか? 皆いなくなっちゃって、で、あれ?
で、なんかわかんないんだけど○△×○△×!!」
ラン「そうなんだ〜。
(だいぶ酔ってる!! 私ゴリゴリにメイクしてる、大丈夫、きっと大丈夫!!)」
かなり酔ってるみたい、大丈夫ですか?」
客「ランちゃ〜ん」
ラン「はい?」
客「酷いんだよ、聞いてよランちゃん〜」
ラン「な、なに?」
客「今皆で呑んでたんだけど、あいつらさ、人の悪口ばっかり言ってさ」
ラン「悪口言われたんですか?」
客「いや、言われたのは俺じゃないんだけど、人の悪口って聞いてて気分良くないじゃん?」
ラン「そうですねえ」
客「ウチの大学のゼミにいる子がさ、すっげえ真面目なの。無愛想でメガネかけてて、
メガネっ子っつっても、アレだよ? 萌え系じゃないっていうか、牛乳瓶の底系の。
で、服装も地味っていうかいつも同じの着てるし、あれ、彼氏とかいないんだろうな。
できたことないんだろうな。どこいくのにも六法全書脇に抱えてさ、あ、法学部なんだけど。
あの雰囲気は異常よ、異常。で、ゼミでちょっと私語とかしてたりするとキッと睨むのよ。
その目がまた怖くて。ありゃ鉄の女だな、鉄の女」
ラン「(え、それ、まさか?)」
客「○○さんっていうんだけど」
ラン「(あたし―!! ビンゴ―!!)っていうか、○○くんがその人の悪口言ってない……?」
客「え? あ、そうだね。あはははは」
ラン「(あははははじゃないわよ!!)」
客「あれ? なんで俺の名前知ってんの? 言ったっけ?」
ラン「え、あ、い、言いましたよ!! 最初に!!」
客「あ、そっか」
ラン「(あぶねー!!)」
客「でね、でね。あいつら、○○さんの悪口で超盛り上がってんの。
そりゃもう、ここ最近の呑み会で一番盛り上がったなこれ」
ラン「(ガビーン!! あたしの悪口そんなに酒すすむの!?
そりゃさ、自分で大学であんな態度取ってるから多少は覚悟してたけど、
最高の盛り上がり、見せちゃう? ショック!!)」
客「いやでもさ、本当に鉄の女って感じ。呑み会とかにも来たことないしノリ悪いんだよ。
もっと気楽に生きりゃいいのに、必死なんだよ、なんかさ。なんだってあんなに必死に……」
ラン「あんたいい加減にしなさいよ!!
あたしもさ、バカのくせに頑張って法学部とかに入って必死にならなきゃついてけないから、
必死になるし、必死になるじゃん?
あんたたちみたいなボンボンと違ってこうやってバイトしないと、大学のお金払えないの!!」
客「だー!! 最後まで聞いて」
ラン「何よ!? なんなのよ?」
客「で、皆で話してたらなんかだんだんムカついてきちゃって!!
なんで俺ムカついてんのかなと思ったらさ、俺、あの子のこと……、好きなんだなって!!」
ラン「えええええ!?」
客「どこがいいのか説明できないんだけど、ずっと頭から離れないのは確かだし!!
皆で悪口言ってるから悔しくなって……、ランちゃん!! 俺、俺、どうすればいい?」
ラン「さんざん悪口言われたあとに、はあ? 何? 好きって何? パニック!!」
客「ランちゃん、俺、どうすればいい?」
ラン「どうすればいいのかわからないのは、こっちじゃあ!! あたしはどうすればいいの?」
黒服「お客様、そろそろお時間になります」
2人「延長お願いします!!」
N「歌舞伎町の夜は更けていく」
SE:歌舞伎町
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