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夜の不連続ネット小説「てっぱん」20111111
【文化祭】【カメラ】【天動説】
SE:文化祭の廊下
N「文化祭、廊下」
生徒会長「ちょっと、どういうことなのかしら?
このクラスはプラネタリウムをやるって聞いてるんだけど?」
学級委員「ええ、ですからプラネタリウムをやってますよ。手作りで苦労したんですから……」
生徒会長「だったらなんなの、あの悲鳴は!?」
SE:悲鳴
学級委員「え、いや、なんでだろう?」
生徒会長「『なんでだろう』じゃないでしょ? たくさんの生徒からクレームが来ているのよ?
中に入れて頂戴、確認するわ。カメラ回して。おかしなことがあったら証拠に残します」
学級委員「え、ええ、どうぞ」
生徒会長「あなたも一緒に来なさい」
学級委員「は、はい」
N「教室に入る。中は真っ暗である」
プラナレ「……また、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、
こいぬ座のプロキオンを結ぶと、冬の大三角形となります」
生徒会長「よくできているわ。ごく普通のプラネタリウムね……」
プラナレ「これらの美しい星座は、
大自然のなか、山頂などではより一層美しく観測することができます。
先日、私も兄の車で夜の山に観測に行きました。
しかし、その日はあいにく天気も悪く……、しとしとと雨が降り出しました。
引き返そうか迷ったのですが、山の天気は変わりやすいということで進むことにしました」
生徒会長「え、何の話?」
プラナレ「トンネルに差し掛かりました。そのトンネルは地元では有名な……、そう。
霊が見えるというトンネルです。
しかし、私も兄も霊感などというものはないので、気にせず車を走らせました。
そのとき、バックミラーに女の人の影が!! 窓ガラスをバンバン叩く音がします。
見ると、無数の手形がバババーっと!! そして、フロントガラスに上から女の人がドーン!!」
生徒会長「キャー!!」
プラナレ「無我夢中でトンネルを通りぬけた私と兄は、ガソリンスタンドに到着しました。
窓ガラスの手形を拭き取ってもらおうとしたのですが、
なぜかこすってもこすっても落ちません。
そう、その手形は……、車の内側からつけられていたのです……!!」
生徒会長「キャー!! キャー!! キャー!! ってちょっと待った―!! 中止中止!!
電気つけなさい!! ……電気付けなさいよ、早く!!」
N「教室の電気が付く」
生徒会長「どういうことかしら?」
学級委員「すみません、どういうことなんでしょう。僕にはさっぱり……」
生徒会長「今、マイクで喋っていたのは誰? ……誰なの? 早く出てきなさい!!」
プラナレ「どうでしたか、会長!! 私の“化けネタリウム”は?」
生徒会長「はあ?」
プラナレ「文化祭の風物詩“お化け屋敷”と、
教室の出し物では困難とされている“プラネタリウム”を融合させた、新しい出し物です!!」
生徒会長「新しいか新しくないかはどうでもいいのよ!!
生徒会に申請されている企画書と内容が違うじゃない!!」
学級委員「そうだよ○○、勝手なことするなよ。皆でプラネタリウムやるって決まったじゃん」
プラナレ「くだらん!! ……プラネタリウムなどくだらん!!
あれは教育的に素晴らしい表層を装っている、そこが気に食わん」
生徒会長「何言ってるの、あんた?」
プラナレ「ドーム状の空に中心の光源から星を映し出し、そして動かしていく。
これぞまさに天動説そのもの!!
この世界はコペルニクスが提唱しガリレオが人生を捧げた地動説なのはもはや周知!!
こんなに科学的に間違っていることを文化祭の出し物としてやっていいのだろうか? 否!!」
学級委員「いや、でも、多数決で決まったことだし……」
生徒会長「プラネタリウムが非科学的ってなら、
お化け屋敷なんてもっと非科学的なのではなくて?」
プラナレ「論外!! お化け屋敷、つまり怪談、ホラーは文化であり文学、民俗学である。
それを科学の天秤に乗せるなど、愚かしいにもほどがある!!」
生徒会長「なにこいつ……?」
学級委員「すみません……」
プラナレ「さあ、私を論破してみたまえ。さすればプラネタリウムをやってやらんこともない」
生徒会長「わかったわ」
学級委員「会長……?」
生徒会長「プラネタリウムが天動説ってのはわかったわ。しかし、重要なのはそこじゃないの」
プラナレ「ほう……?」
生徒会長「間違っていることは重要じゃない。
プラネタリウムという空間が美しければそれでいいじゃない」
プラナレ「理論的ではないな。そんな理屈は通らん」
生徒会長「あら、そうかしら?」
N「生徒会長、○○に顔を近づける」
生徒会長「ねえ、どう?」
プラナレ「ど、どうって何がだ?」
生徒会長「私の顔」
プラナレ「顔? ど、どうということはない」
生徒会長「あら、そうかしら? 私の顔、どう? 美しいかしら?」
プラナレ「ま、まあ、どちらかと言えば」
生徒会長「はっきりおっしゃい」
プラナレ「……美しい」
生徒会長「ちゃんと、プラネタリウム、やってくれる?」
プラナレ「わかった、わかったから顔を近づけるのを止めろ!!」
生徒会長「なんだ、言えばわかってくれるじゃない」
プラナレ「……論破ではないがな」
生徒会長「あらそう? 私、間違ってるかしら。でもいいのよ。これで論破。
天動説が間違っていることは重要じゃない。プラネタリウムが美しければそれでいいじゃない。
同じよ。私が間違っていることは重要じゃないの。私が美しければ、それで」
N「生徒会長、去る」
SE:文化祭
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