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夜の不連続ネット小説「てっぱん」20110513
【一人暮らし】【ひなたぼっこ】【女教師】
N「夜のしじまに男の声が響く」
校長「わ、わ、わしが悪かった、そんな……!! く、くるなあ〜。ぎゃあああああ!!」
N「数日後」
SE:海の波。
女「あら、見かけない顔……」
男「あ、どうも。すみません、私(名刺を見せる)、こういうもんです」
女「○○新聞社、××××さん……」
男「いやあ、この島にやってきて最初に会う方がこんな美人さんとは光栄だ」
女「そんな。で、東京の新聞社の方がこんなへんぴな島に、何しにいらっしゃったのです?」
男「いやね、先月、ここの学校の校長先生がお亡くなりになったでしょう?
そのことでちょっと」
女「校長先生の件、ですか?」
男「ええ、この新聞をご覧ください。小さい記事ですがね。『自殺』となっているんですよ。
しかしねえ、これがどうも自殺じゃないんじゃないかとね」
女「そうですか……。それでわざわざ東京から」
男「そうなんです。早速で悪いけどお姉さん、何か知りませんかね?」
女「いえ……。でも私、その学校で教師をしている者でして。
協力できることがあれば、言ってください」
男「そうですか!! それは何よりだ。では、まずはその学校へ案内していただけますか?」
女「……今からですと日が落ちてしまいます」
男「そんな、まだ午後2時ですよ? まだ日は落ちないでしょう?」
女「いえいえ、島のことはおまかせください。まずは私の家へいらっしゃいませんか?」
男「しかし……」
女「今日は泊まるところもないんでしょう?
まずは荷物を置いていただいて、我が家でゆっくり休んでください」
男「いや、ご迷惑では……」
女「迷惑などではございません、むしろ大歓迎です。私、一人暮らしですからお気兼ねなく」
男「一人、いや、その、あ、ありがたい話ですが、その……!!」
女「では、早速我が家へどうぞ、ね?
あ、夜までには少し時間がありますので、縁側でひなたぼっこでもしておいてもらえれば……」
男「え? ひなたぼっこする時間はあるんですか? え? え?」
女「気持ちいいですよ〜、ひなたぼっこ」
男「は、はあ……」
N「男、女の家にムリヤリ連れ込まれる。そして、夜を迎える」
女「お静かに」
男「……うわっ!!」
N「布団で目をつむっていた男の首元に、包丁が突きつけられている」
男「な、なにを……?」
女「校長の件から手を引きなさい」
男「そうか、やはり、キミが……」
女「やはり? どこまで知っているの? 言いなさい!!」
男「その前に、その包丁を下げてくれないか? 喋りにくい」
女「ダメよ。場合によってはこのまま刺す」
男「わかった。単刀直入に言おう。校長を殺したのは、ずばりキミだ!!」
女「包丁を突き付けられといて……、度胸があるわね。
しかし、そう言うのなら死んでもらうしかないわ」
男「まあ待て、落ち着け。キミは校長に恨みがあった。
この島で権力のあった校長にキミのお母さんは、慰み者にされていた。そうだな?
そしてキミを妊娠して出産するのと引き換えに、命を落とした。
つまり、校長は……、キミのお父さんだ。母の恨みを持って、キミは校長をその手にかけた」
女「……そうよ。そこまでわかってて、何を今さら!?」
男「しかし、この話には続きがある」
女「え?」
男「僕の鞄を開けてくれないか?」
N「女、言われたとおりに鞄を開ける。中から大量の古い手紙が出てくる」
女「これは……? 手紙?」
男「そうだ。その百通以上にも及ぶ手紙は、キミの母から父に宛てた、愛の手紙だ」
女「そんな、どういうこと!?」
男「キミの母は、慰み者になどされていない。
キミの父と母は確かに愛し合ってはいた……、が、身分が違い過ぎた。結婚は許されない。
そこで、キミの父が権力を振りかざすふりをして、キミの母を妾として雇った。
そして、キミが産まれた」
女「そんな……」
N「女、包丁を握る手を緩める」
男「そして僕は!!」
N「男、包丁を奪う」
男「僕は、キミの腹違いの兄!! 父の……、正妻の長男で、キミに父を、殺された男!!」
女「きゃあああああ!!」
N「夜のしじまに女の声が響く」
SE:海の波。
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