イケ☆フラTV

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 次のページ ]

夜の不連続ネット小説「てっぱん」20111212
【黒髪】【夜更かし】【ラブホテル】
『幽霊を待ちながら
 
N「ラブホテルの一室」
 
男「……いるのかなあ? 本当にいるの? 見たいなあ。いや、見たくないなあ」
女「どっちなのよ」
男「だって俺、幽霊とか見たことないもん。○○は慣れっこかもしれないけど」
女「慣れないわよ、あんなもん。何回見たって慣れない」
男「そうなの? でさ、なんで俺なの?」
女「しょうがないじゃない、他に頼める人もいないし。……まあ、それだけじゃないけど」
男「え、やっぱ? なんだよ。最初からそう言ってくれればいいのに」
女「え?」
男「俺とラブホ、来たかったんでしょ? 素直じゃないなあ本当に」
女「全然違う!! そんなんじゃないわよ!!
男「え、じゃあなんだよ」
女「その頭!!
男「え?」
女「いい? 噂では、“このラブホのこの部屋に黒髪の女の幽霊が出る”わけよ。わかる?
黒髪の女なのよ。その頭!! そのハゲ頭だったらもし幽霊が出たとしても?
絶対に見間違えることがないっ!!
男「なんだよそれ!! じゃあ何? 俺がハゲだからここまで連れてこられたわけ?」
女「そうよ? 他に何があるのよ?」
男「だったら別に俺、いなくてもよくね?」
女「ラブホテルに女ひとりで入るってわけにもいかないでしょ?
しかも、“幽霊が出る噂があるんで取材させてくださ〜い”なんて、断られるのがオチだわ。
潜入レポ以外に選択肢がないじゃない」
男「うん、まあ。そりゃそうなんだろうけど」
女「○○くんは冷蔵庫のビールでも飲んでて待ってて」
男「待っててって、何? 幽霊が出るのを?」
 
SE:冷蔵庫の開閉、ビールを開ける音
 
男「飲む?」
女「いらない」
男「テレビでも見るか」
 
SE:アダルトチャンネル
 
女「ちょっ、変なのつけないでよ!!
 
SE:テレビ消される
 
男「しょうがないじゃん、ラブホなんだから!! しかし暇だな。シャワーでも浴びようかな」
女「え? なんで? なんでシャワー浴びるの?」
男「だってやることないし」
 
SE:バスルームのドアの開閉、シャワー音
 
女「ちょちょちょ、やめて、シャワー浴びるのやめて!!
男「なんで?」
女「『なんで?』って言われちゃうと、なんと言うか、なんて言ったらいいの?
わからないけど!! とにかくやめて!! なんか、なんか、うん」
男「あ、そう? まあ、そこまで言うなら」
女「とりあえずそこに座ってて!!
男「え、地べた?」
女「ベッドには私が座ってるからしょうがないでしょ? なんなの? 椅子もないの?
このボロラブホテル!!
男「普通あるもんなの?」
女「普通あるでしょ!! ソファーとか!! バリ風のアジアンテイストの椅子とか!!
男「へえ、そんなとこ行ってるんだ」
女「別にそんな、普段から行ってるわけじゃないわよ!! いいから座ってて!!
男「へーい」
 
N「男、座る」
 
男「そのさ、黒髪の女の幽霊ってのは本当に出るの?」
女「ウチの雑誌社に目撃情報が何通も来てるのよ。ちょっと尋常じゃないくらいにね。
 あんなに目撃情報が届くって前例がないわ。おかげでこっちは夜更かしづくめの寝不足よ」
男「で、どういう感じでその幽霊は出てくるの?」
女「その目撃情報に共通しているのは、皆、女性の方が見ているのよね」
男「ふーん」
女「この部屋、このベッドで行為の最中に、女性が天井を見上げる形になるでしょ?
 そのときに泣いている黒髪の女が見えるんだって」
男「じゃあ、アレじゃん」
女「何?」
男「行為に及ばなきゃ、ダメなんじゃないの?」
女「……」
 
N「男、ベッドに座る」
 
女「え、いや、その」
男「雑誌社に来ている目撃情報、誰が送ってると思う?」
女「……え?」
男「キミとここに来たくて、送っている男がいるとしたら?」
女「……嘘でしょ?」
男「嘘だよーん!!
女「なんでそんな嘘つくのよ!?
男「だって、暇なんだもん。……シャワー浴びていい?」
女「ダメ!!
 
N「夜は更けていく」
夜の不連続ネット小説「てっぱん」20111111
【文化祭】【カメラ】【天動説】
『美しいは正義!!
 
SE:文化祭の廊下
 
N「文化祭、廊下」
 
生徒会長「ちょっと、どういうことなのかしら?
このクラスはプラネタリウムをやるって聞いてるんだけど?」
学級委員「ええ、ですからプラネタリウムをやってますよ。手作りで苦労したんですから……」
生徒会長「だったらなんなの、あの悲鳴は!?
 
SE:悲鳴
 
学級委員「え、いや、なんでだろう?」
生徒会長「『なんでだろう』じゃないでしょ? たくさんの生徒からクレームが来ているのよ?
中に入れて頂戴、確認するわ。カメラ回して。おかしなことがあったら証拠に残します」
学級委員「え、ええ、どうぞ」
生徒会長「あなたも一緒に来なさい」
学級委員「は、はい」
 
N「教室に入る。中は真っ暗である」
 
プラナレ「……また、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、
こいぬ座のプロキオンを結ぶと、冬の大三角形となります」
生徒会長「よくできているわ。ごく普通のプラネタリウムね……」
プラナレ「これらの美しい星座は、
大自然のなか、山頂などではより一層美しく観測することができます。
先日、私も兄の車で夜の山に観測に行きました。
しかし、その日はあいにく天気も悪く……、しとしとと雨が降り出しました。
引き返そうか迷ったのですが、山の天気は変わりやすいということで進むことにしました」
生徒会長「え、何の話?」
プラナレ「トンネルに差し掛かりました。そのトンネルは地元では有名な……、そう。
 霊が見えるというトンネルです。
しかし、私も兄も霊感などというものはないので、気にせず車を走らせました。
そのとき、バックミラーに女の人の影が!! 窓ガラスをバンバン叩く音がします。
見ると、無数の手形がバババーっと!! そして、フロントガラスに上から女の人がドーン!!
生徒会長「キャー!!
プラナレ「無我夢中でトンネルを通りぬけた私と兄は、ガソリンスタンドに到着しました。
 窓ガラスの手形を拭き取ってもらおうとしたのですが、
なぜかこすってもこすっても落ちません。
そう、その手形は……、車の内側からつけられていたのです……!!
生徒会長「キャー!! キャー!! キャー!! ってちょっと待った―!! 中止中止!!
 電気つけなさい!! ……電気付けなさいよ、早く!!
 
N「教室の電気が付く」
 
生徒会長「どういうことかしら?」
学級委員「すみません、どういうことなんでしょう。僕にはさっぱり……」
生徒会長「今、マイクで喋っていたのは誰? ……誰なの? 早く出てきなさい!!
プラナレ「どうでしたか、会長!! 私の“化けネタリウム”は?」
生徒会長「はあ?」
プラナレ「文化祭の風物詩“お化け屋敷”と、
教室の出し物では困難とされている“プラネタリウム”を融合させた、新しい出し物です!!
生徒会長「新しいか新しくないかはどうでもいいのよ!!
生徒会に申請されている企画書と内容が違うじゃない!!
学級委員「そうだよ○○、勝手なことするなよ。皆でプラネタリウムやるって決まったじゃん」
プラナレ「くだらん!! ……プラネタリウムなどくだらん!!
あれは教育的に素晴らしい表層を装っている、そこが気に食わん」
生徒会長「何言ってるの、あんた?」
プラナレ「ドーム状の空に中心の光源から星を映し出し、そして動かしていく。
これぞまさに天動説そのもの!!
この世界はコペルニクスが提唱しガリレオが人生を捧げた地動説なのはもはや周知!!
こんなに科学的に間違っていることを文化祭の出し物としてやっていいのだろうか? 否!!
学級委員「いや、でも、多数決で決まったことだし……」
生徒会長「プラネタリウムが非科学的ってなら、
お化け屋敷なんてもっと非科学的なのではなくて?」
プラナレ「論外!! お化け屋敷、つまり怪談、ホラーは文化であり文学、民俗学である。
 それを科学の天秤に乗せるなど、愚かしいにもほどがある!!
生徒会長「なにこいつ……?」
学級委員「すみません……」
プラナレ「さあ、私を論破してみたまえ。さすればプラネタリウムをやってやらんこともない」
生徒会長「わかったわ」
学級委員「会長……?」
生徒会長「プラネタリウムが天動説ってのはわかったわ。しかし、重要なのはそこじゃないの」
プラナレ「ほう……?」
生徒会長「間違っていることは重要じゃない。
プラネタリウムという空間が美しければそれでいいじゃない」
プラナレ「理論的ではないな。そんな理屈は通らん」
生徒会長「あら、そうかしら?」
 
N「生徒会長、○○に顔を近づける」
 
生徒会長「ねえ、どう?」
プラナレ「ど、どうって何がだ?」
生徒会長「私の顔」
プラナレ「顔? ど、どうということはない」
生徒会長「あら、そうかしら? 私の顔、どう? 美しいかしら?」
プラナレ「ま、まあ、どちらかと言えば」
生徒会長「はっきりおっしゃい」
プラナレ「……美しい」
生徒会長「ちゃんと、プラネタリウム、やってくれる?」
プラナレ「わかった、わかったから顔を近づけるのを止めろ!!
生徒会長「なんだ、言えばわかってくれるじゃない」
プラナレ「……論破ではないがな」
生徒会長「あらそう? 私、間違ってるかしら。でもいいのよ。これで論破。
天動説が間違っていることは重要じゃない。プラネタリウムが美しければそれでいいじゃない。
同じよ。私が間違っていることは重要じゃないの。私が美しければ、それで」
 
N「生徒会長、去る」
 
SE:文化祭
夜の不連続ネット小説「てっぱん」20110826
【鉄の女】【六法全書】【歌舞伎町】
『鉄の女、夜の蝶』
 
SE:歌舞伎町
 
N:「夜の歌舞伎町、キャバクラ店入口」
 
黒服「いらっしゃいませえ、一名様ご来店でえす。こちらへどうぞお!!
 
N「客、かなり酔っている」
 
客「あ〜、う〜、よいしょ(座る)」
黒服「失礼します、ランさんでえす」
ラン「こんばんはー」
客「あい、こんばんわあ」
ラン「あっ……」
客「んー? どしたのー?」
ラン「(やばいやばいやばいやばい、○○くんじゃん。
どうする? あたしどうする? どうするどうするどうするどうする?)」
客「お名前は? お名前はなんて、言うんですか?」
ラン「あ、はい?」
客「お名前」
ラン「あ、名前、名前ね、ここでは、あ、ここではじゃなくてあのその、ラン!! ランです」
客「ランちゃ〜ん」
ラン「は、は〜い」
客「ランちゃ〜ん」
ラン「な、なんですか〜?」
客「ランちゃんは、恥ずかしがり屋さんですか〜?」
ラン「え、なんでです?」
客「だってえ、全然こっち見てくれないからあ」
ラン「そ、そうなんです、恥ずかしがり屋でして」
客「え〜、でも、お顔ちゃんと見たいなあ」
ラン「そ、そうですよねえ、はいっ!! はいっ!! はいっ!!
 
N「ラン、首をぶんぶん左右に振る」
 
ラン「……はいっ!! はいっ!! はいっ!!
客「ははは、面白いねえランちゃんって」
ラン「そうですかあ? あはははは!!
(どうなのこれ? バレてない? バレてないんじゃない?)」
 よ、よくこういうお店来るんですか?」
客「うーん、先輩に連れられて来たことあるけど、あんまり来たことない」
ラン「そうなんですかあ。今日はひとりですか?」
客「う〜、皆で呑んでたんだけど、なんかいつのまにか? 皆いなくなっちゃって、で、あれ?
 で、なんかわかんないんだけど○△×○△×!!
ラン「そうなんだ〜。
 (だいぶ酔ってる!! 私ゴリゴリにメイクしてる、大丈夫、きっと大丈夫!!)」
 かなり酔ってるみたい、大丈夫ですか?」
客「ランちゃ〜ん」
ラン「はい?」
客「酷いんだよ、聞いてよランちゃん〜」
ラン「な、なに?」
客「今皆で呑んでたんだけど、あいつらさ、人の悪口ばっかり言ってさ」
ラン「悪口言われたんですか?」
客「いや、言われたのは俺じゃないんだけど、人の悪口って聞いてて気分良くないじゃん?」
ラン「そうですねえ」
客「ウチの大学のゼミにいる子がさ、すっげえ真面目なの。無愛想でメガネかけてて、
 メガネっ子っつっても、アレだよ? 萌え系じゃないっていうか、牛乳瓶の底系の。
 で、服装も地味っていうかいつも同じの着てるし、あれ、彼氏とかいないんだろうな。
 できたことないんだろうな。どこいくのにも六法全書脇に抱えてさ、あ、法学部なんだけど。
あの雰囲気は異常よ、異常。で、ゼミでちょっと私語とかしてたりするとキッと睨むのよ。
その目がまた怖くて。ありゃ鉄の女だな、鉄の女」
ラン「(え、それ、まさか?)」
客「○○さんっていうんだけど」
ラン「(あたし―!! ビンゴ―!!)っていうか、○○くんがその人の悪口言ってない……?」
客「え? あ、そうだね。あはははは」
ラン「(あははははじゃないわよ!!)」
客「あれ? なんで俺の名前知ってんの? 言ったっけ?」
ラン「え、あ、い、言いましたよ!! 最初に!!
客「あ、そっか」
ラン「(あぶねー!!)」
客「でね、でね。あいつら、○○さんの悪口で超盛り上がってんの。
そりゃもう、ここ最近の呑み会で一番盛り上がったなこれ」
ラン「(ガビーン!! あたしの悪口そんなに酒すすむの!?
そりゃさ、自分で大学であんな態度取ってるから多少は覚悟してたけど、
最高の盛り上がり、見せちゃう? ショック!!)」
客「いやでもさ、本当に鉄の女って感じ。呑み会とかにも来たことないしノリ悪いんだよ。
 もっと気楽に生きりゃいいのに、必死なんだよ、なんかさ。なんだってあんなに必死に……」
ラン「あんたいい加減にしなさいよ!!
あたしもさ、バカのくせに頑張って法学部とかに入って必死にならなきゃついてけないから、
必死になるし、必死になるじゃん?
あんたたちみたいなボンボンと違ってこうやってバイトしないと、大学のお金払えないの!!
客「だー!! 最後まで聞いて」
ラン「何よ!? なんなのよ?」
客「で、皆で話してたらなんかだんだんムカついてきちゃって!!
なんで俺ムカついてんのかなと思ったらさ、俺、あの子のこと……、好きなんだなって!!
ラン「えええええ!?
客「どこがいいのか説明できないんだけど、ずっと頭から離れないのは確かだし!!
皆で悪口言ってるから悔しくなって……、ランちゃん!! 俺、俺、どうすればいい?」
ラン「さんざん悪口言われたあとに、はあ? 何? 好きって何? パニック!!
客「ランちゃん、俺、どうすればいい?」
ラン「どうすればいいのかわからないのは、こっちじゃあ!! あたしはどうすればいいの?」
黒服「お客様、そろそろお時間になります」
2人「延長お願いします!!
 
N「歌舞伎町の夜は更けていく」
 
SE:歌舞伎町
夜の不連続ネット小説「てっぱん」20110826
【花火大会】【不治の病】【最終電車】
『最期の思い出』
 
SE:電車の到着、ドアの開く音、ざわめき
 
N「終電間際の駅、賑わう人々」
 
男「あー、閉まっちゃう閉まっちゃう!!
女A「待って待って!!
 
SE:ドアの閉まる音
 
男「あっ、間に合わなかったー!!
女A「嘘でしょ!? あー、どうしよう。タクシーだとだいぶかかっちゃうし……」
男「しょうがないから、どこか呑みにでも行く?」
女A「ダメ、それは契約違反。約束と違うよ」
男「そんなこと言ったって、どうしようもないし……」
女A「まあ、それはそうなんだけど」
男「じゃあ、とりあえずどっか行こうよ? ね? ね?」
女A「なんかさー。変なこと考えてない?」
男「考えてない考えてない」
女A「ホントー? なんか怪しい……」
男「ホントホント」
女A「ホントに考えてない?」
男「考えてないって!!
女A「じゃあさー。なんで手繋いでんの?」
男「これは、アレだよ。人多いから。はぐれないように」
女A「もう全然、人いないでしょ!!
男「そんなことないよ。ほら、あそこにも人、あそこにも人いるし」
 
N「男、何人かいる人たちを指さす。そのなかのひとりと目が合う」
 
女B「あー!!
男「はい? あ、あー!!
女A「え? 知り合……?」
女B「○○くん!! なんで? なんで生きてんのよ!?
男「いや、その。なんでって、生き、生きてるものはしょうがない!!
女A「○○くん、誰?」
女B「あなた何? 彼女? え? なんなの? 生きててそのうえ彼女いるってどういうこと?」
男「いや、この子は彼女じゃなくて」
女A「はい、彼女とかではない、です」
女B「じゃあなんなの?」
女A「私はただの友達で、その。今日、花火大会があって、それで誘われて……」
女B「ハ・ナ・ビ・タ・イ・カ・イ〜?」
男「いや、これは……」
女B「去年とまったく同じ!! 同じじゃない? 何これ? あきれた!! ああ、そういうことね。
 そういう手口!!
女A「手口……?」
女B「あなた!! この人の余命どのくらい?」
女A「え? 余命?」
女B「そう、余命。余命どのくらいって言われてる?」
女A「……さ、三か月?」
女B「おんなじ!! そこまでおんなじ!! あのね、この人余命三か月でもなんでもないわよ」
女A「え? どういう……?」
女B「どうせこう誘われたんでしょ?
『僕は不治の病にかかってて。医者に余命三か月って言われているんだ。
でも、死ぬ前に女の子と花火大会に行きたいから』っつって!!
女A「ま、まさに。でもなんでそれを知っているんですか?」
女B「私が!! 私が去年それで、その手口で誘われたからよ!! それで行ったわよ。花火大会!!
 でもって、終電逃したわよ。今からあなた、ホテル誘われるわよ?
 で、ホテル行くことになるわよ? 行くかどうかはまあ、あなた次第だけど、そうなったわよ。
そして、なんだかんだ病気を理由に連絡取れなくなるわよ!!
余命三か月? ちゃんちゃらおかしいわ。一年たってピンピンしてるじゃない?
騙したの、そう。騙したのね。騙すにしてもそんな汚いやり口ってある?
余命何か月とかいう嘘、人として最低じゃない?」
女A「そ、そうなの?」
男「違う、違うんだって!!
女B「何が違うっていうの?」
男「生きちゃった!!
女B「はあ?」
男「生きちゃったんだって!! 生きちゃったんだからしょうがないじゃないか!!
 医者に余命何か月だって言われて、そのつもりで生きてきたけど。奇跡だよ。
奇跡が起きて、今までなんとか生きてこれたんだ。素晴らしいことじゃないか。
でもこの間病院に行ったら、また余命三か月だって言われて、
それで、最期の思い出に花火大会をと思って……。
 それをそんな言い方するなんて……、ゲホッ、ゲホッ!!
女A「○○くん、大丈夫?」
男「う、うん。ちょっと興奮したら気分が……、ゲホッ、ゲホッ!!
女B「え、あ、ごめん。だ、大丈夫?」
女A「○○くん、どうしよう? 救急車呼ぶ?」
男「あ、いや。ちょっと横になれば大丈夫だから。ここら辺に横になれる場所ないかな?
 あ、あそこに連れてってくれれば。二人、肩貸して。あそこ。あそこで横になれると思う」
女A「どこ?」
男「あそこ、ネオンで看板が出てる……、ホテル『モニカ』?」
女B「てめえどこまでもクズだな!!
女A「余命3秒にしてやろうか!!
 
SE:殴る音
 
N「女、2人とも去っていく」
夜の不連続ネット小説「てっぱん」20110729
【中二病】【流れ星】【夏期講習】
『中学一年生のための特別夏期講習』
 
SE:蝉の声
 
N「教室。夏休み中だというのに生徒が集まっている」
 
生徒A「(アドリブで休み時間)」
生徒B「(アドリブで休み時間)」
 
SE:扉の開く音
 
講師「はい、静かにー。皆さんは、中学校に入って初めての夏休みですね。
 つまり、中学一年生。来年は二年生になるわけですけれども……。
これは、ちゃんとした中学二年生になるための、特別夏期講習です。
中二と言えば、中二病。中二病でなければ中二でない!!
ちゃんと中二病にかかって、どこに出しても恥ずかしくない、
恥ずかしい中学二年生になりましょう」
生徒A「はーい」
講師「そもそも中二病とはなにか……?
 中二病とは、あなたたちのような思春期の子たちが自意識過剰になり、妙に大人ぶったり、
漫画やゲームの影響を受けすぎたりして、大人から見て恥ずかしい状態になることです。
まずは先生から質問。皆さんは……、必殺技を持ってますか? はいキミ、持ってますか?」
生徒A「え? あ、はい」
講師「先生に必殺技を教えてください」
生徒A「いや、その……」
講師「必殺技……、お・し・え・て?」
生徒A「は、はい。『ブラック・シャイニング・アイ』です」
生徒B「は?」
講師「漢字で書くと?」
生徒B「漢字?」
生徒A「えっと、『漆黒』に『太陽』に『邪眼』で『ブラック・シャイニング・アイ』です」
生徒B「ださっ!!
講師「その『ブラック・シャイニング・アイ』を受けた相手はどうなるの?」
生徒A「えっと……、僕の第三の目を見たものは、なぜか自殺したくなって、死んじゃうんです」
生徒B「なにこれなにこれ?」
講師「いいですねー。中二病、もう発症していると言っても過言ではないわ。
 そうです、中二病にかかると必殺技を持ちます。
特に彼のように漢字にカタカナの読み方をさせるのは王道です。はいキミ。キミは? 必殺技」
生徒B「え、いや……」
講師「え? 持っていないの? 大丈夫?」
生徒B「え、えっと、それじゃあ……。『シューティング・スター・プレス』?」
講師「漢字で書くと?」
生徒B「漢字!! シューティングスターだから…、流れ星? 圧? 圧縮の圧?」
生徒A「先生―。○○くんのは違います。『シューティング・スター・プレス』は、
プロレス技です。必殺技としてはちょっと違う気がします」
生徒B「何言ってんだよ、『シューティング・スター・プレス』は立派な必殺技……」
講師「確かに、プロレス技だとちょっと中二病とはニュアンスが違うわね。
もっと現実的じゃない技じゃないと。じゃあ、○○くんは来週までに必殺技を考えておくこと。
いいわね」
生徒B「……はーい」
講師「はい、じゃあテキスト開いて。先生のあとに続いて読んでください」
生徒A「はーい」
講師「ブラックコーヒー」
生徒A「ブラックコーヒー」
講師「ブラックコーヒー」
生徒A「ブラックコーヒー」
講師「コーヒーは甘い方が好きだけど、中二病は無理してブラック飲みます。
 ジッポライター」
生徒A「ジッポライター」
講師「ジッポライター」
生徒A「ジッポライター」
講師「未成年なのでタバコは吸わないけど、ジッポは持ってます。
 セックス・ピストルズ」
生徒A「セックス・ピストルズ」
講師「セックス・ピストルズ」
生徒A「セックス・ピストルズ」
講師「さぞ昔から聴いていたかのように洋楽を聞きます。レコードなら完璧!!
 憧れの国はアメリカ!!
生徒A「憧れの国はアメリカ!!
講師「アメリカの陰謀だ!!
生徒A「アメリカの陰謀だ!!
講師「自分はBIGな人間だ!!
生徒A「自分はBIGな人間だ!!
講師「あの星空に比べたら、自分はちっぽけだ!!
生徒A「あの星空に比べたら、自分はちっぽけだ!!
講師「俺は変身をあと二回残している!!
生徒A「俺は変身をあと二回残している!!
講師「○○くん!!
生徒B「……はい」
講師「全然言ってないじゃない。やる気あるの?」
生徒B「……こんなの、やる気出したってしょうがないじゃないですか」
講師「なんですって?」
生徒B「中二病? 笑わせないでくださいよ、バカバカしい。
 そんなの、あんたたち大人が勝手に作った話でしょう?
 いちいち付き合わせないでくださいよ!!
中二だからって、そんな中二病みたいなのにはなりませんよ!!
あんたたちの作った枠に、収まってたまるかっつーの!!
講師「あなた……、その発言」
生徒B「発言がなんだってんだよ?」
講師「その発言、『枠に収まってたまるか』? ……最高じゃない!! おめでとう!!
あなた、この教室で今、一番ぶっちぎりの中二病よ!!
 
SE:蝉の声
 
N「蝉の声が響き渡っていく」

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 次のページ ]


.
検索 検索
大輪教授
大輪教授オフィシャルブログ
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事