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夜の不連続ネット小説「てっぱん」20101126
【コインランドリー】【流しそうめん】【雪】
『冬はコタツで』
 
SE ドアの開閉
 
女「ただいま〜。あ〜、さむさむ」
男「あ、おふぁへひ(おかえり)」
女「あああああ!! 何してんの!? 何ひとりでアイス食べてんの? ズルくない?
 どういうこと? 人にコインランドリー行かせといてそれはなくない?」
男「やっぱ冬はコタツでアイスでしょ」
女「はあ? やっぱじゃないでしょ。そういうこと言ってんじゃないでしょ?
アタシの分は?」
男「ないよ。ラスイチ。一口いる?」
女「いらないわよ!! 外寒いんだから食べたいわけないでしょ?」
男「なんだよ、じゃあ文句言うなよ」
女「だいたいそのアイス、アタシのじゃないの?」
男「え、そうだっけ?」
女「そうよ。アタシのよ!! 許せない。次○○が洗濯物取りに行ってよ、罰として」
男「えー。やだよ。外寒いもん」
女「アタシは!! 寒いなか行ってきたでしょうよ? アタシのアイス食べるし!!
 そうやって自分ばっかり……」
男「最初はグー!!
女「え?」
男「じゃん!! けん!!
2人「ぽん!! あいこでしょ!! あいこでしょ!! あいこでしょ!!
 
N「10分後」
 
2人「あいこでしょ!! あいこでしょ!! あいこでしょ!!
女「しゃあああ!!
男「くっ……!!
女「長い戦いだったわ。……さあ、洗濯物を取りに行ってきなさい!!
男「ちぇっ、わかったよ」
 
N「数分後」
 
SE ドアの開閉
 
男「ただいま」
女「おかえり〜」
男「えええええ? ちょ、ちょっと!! 何してんの?」
女「やっぱ冬はコタツで流しそうめんでしょ?」
 
N「部屋のなかに流しそうめんが設置されている」
 
男「聞いたことないよ、そんなの!! うわ、風呂場からわざわざ水引いて……。
 嘘でしょ?」
女「本当はひとりでやろうと思ったんだけど、自分で流して自分で食べんのがちょっと難しいわ、やっぱ。ちょっと早く来て。流してくんない?」
男「流さないよ!! 付き合ってられるか!!よくまあ人がコインランドリー行ってる隙にこんなの……」
女「いやあ、なかなか大変だったわ」
男「褒めてない。とにかく乾燥機かけてきたから。次、まきが取りに行ってくれよ」
女「えー。……最初はグー!!
2人「じゃんけんぽん!! あいこでしょ!! あいこでしょ!! あいこでしょ!!
 
N「10分後」
 
男「よっしゃあああ!! はあ、はあ、はあ」
女「ま、負けた……」
 
N「数分後」
 
SE ドアの開閉
 
女「ただいま。乾燥機終わったよ……、って、信じられない!? 何?」
男「(震えながら)ややややっぱ冬はコタツでプールでしょ」
 
N「コタツの上にビニールプール。そのなかに男が海パン一丁で入っている」
 
女「いや、これはもう。逆に尊敬するわ」
男「ままままきも入んなよ、ふ、冬のプール、さささ最高!!
女「やだ、ちょっと引っ張んないで」
男「うわっ!!
女「きゃあ!!
 
SE 水しぶき
 
N「男、バランスを崩しビニールプールごとひっくり返る」
 
女「やだ、もう、冷たい!! なんなの!?
男「い、痛い〜!! 寒い〜!!
 
SE ドアを叩く音
 
隣人「(オフ)ちょっと、静かにしてもらえませんか?」
2人「あ、す、すみませ〜ん」
女「あー!! 洗濯物が!?
 
N「プールの水で洗い終わった洗濯物がビショビショになっている」
 
女「うわ、全部やり直しじゃない。ちょっとアンタ!! 今すぐコインランドリー行ってきなさいよ!!
男「え、ちょ、さ、最初は」
女「うるさい!!
男「だってこの格好……」
女「知るか!! ほら行く!!
 
SE ドアの開閉音
 
男「(オフ)ひ〜」
女「うるさい!!
男「(オフ)あ、雪、雪降ってきたよ。死んじゃうよ?」
女「知らないわよ!! あ、帰りにアタシのアイス買ってきてね。『やっぱ冬はコタツでアイス』だからね」
男「(オフ)そ、そんなあ……」
夜の不連続ネット小説「てっぱん」20101022
【京都】【ノーベル賞】【魚肉ソーセージ】
『再会』
 
N「街が一望できる小高い丘。西日が差している。そこにたたずむ男と女」
 
女「『ノーベル賞取ったら結婚しよう』て」
男「え? ああ……。そんなこと言ったかも知れないな」
女「『かも』ってなんよ。言うてた」
男「あ、う、うん。言ったね」
女「ノーベル賞取るのって、みんなおじいちゃんやろ。
いったい何歳になんねーんって。うふふ」
男「……はは。確かに」
女「あれから何年?」
男「15、6年?」
女「もう、お互いにおっちゃんおばちゃんやな」
男「いや。僕はともかく、君は本当に変わらない」
女「あほか!もうおばはんやわ」
男「本当本当。君に会った瞬間、当時の記憶が全部蘇った。
タイムスリップしたんじゃないかという錯覚さえ感じた」
女「ふふ。ありがとう。あんたも変わらへんよ」
男「え?」
女「目。その目が全然変わらへん。
どっか遠くを見てる、いつも考え事してる、それでいて野心に満ちあふれている、
そんな目。頭の上は少し寂しくなったけどね」
男「これは……。しょうがない」
女「あんたの、そんな目が好きで……、嫌いやった。
研究に没頭してて夢中になってる、子供のようでどこか鋭い目。
で、付き合っている私のことなんか目に入っていなかったやないの」
男「そんなことは……」
女「せやかて……。『ノーベル賞取ったら結婚しよう』やなんて。
女からしたらバカにしてるとしか思えへんわ。
結婚したくない、体のいい言い訳にしか聞こえへんよ?」
男「ごめん」
女「そのまま、アメリカ行ってまうし」
男「ごめん」
女「謝らないで。時効時効。私もあのあと結婚したし。あれは失敗やったけど」
男「……そうなんだ。おめでとう、っていうのも変かな?」
女「ふふ。変やけど、ありがとう」
男「本気だったから。ノーベル賞。ノーベル賞が欲しくて……」
2人「湯川先生のいた、京都大学に来たんだ」
女「あはは」
男「いや、これは。……参ったなあ」
女「懐かしいなあ」
男「そうだね。……あれ? 今何時?」
女「6時ちょっと過ぎ。……あ」
男「あの鐘はもう鳴らなくなったの?」
女「いや。そんなことないよ。昨日も6時にお寺の鐘、鳴ったと思う。
おかしいなあ。……行きましょ!!
男「え? どこに?」
女「お寺に決まってるやろ? 鐘が鳴らへんなんておかしいやろ」
男「え、ああ……」
 
N「女、男の手を引く。男もつられて歩き出す」
 
女「そっか。今日はお寺の鐘、鳴らへんのや……。そっか」
男「鳴らない日なんて、あったっけ?」
女「ないわよ? でも今日は鳴らへんみたい」
男「……?」
女「あの鐘。あの鐘が鳴ったらあんたはいつも研究室に戻ってた。
パブロフの犬みたいに。鐘はあんたが研究室に行く合図。
あの鐘が私たちを引き裂くシンデレラの鐘やった」
男「なんだ、妙に詩人だね」
女「前からそうや」
 
N「2人、寺に辿り着く。鐘の前ではお坊さんが地団駄を踏んでいる」
 
お坊さん「……ああ、ほんまに!! どこへ行った!?
女「どうしはったんですか?」
お坊さん「どこの悪ガキやねん、こんなことしよって!!
男「落ち着いてください、あの、何かあったんですか?」
お坊さん「どうもこうもあるかい!! これを見んかいこれを!!
 
N「お坊さんの指さす方向には、寺の鐘。
そして鐘を突く棒の代わりに、妙なモノがぶらさがっている」
女「えー、あははっ、何これ?」
男「え? 魚肉ソーセージ?」
お坊さん「誰かがイタズラで撞木をソーセージにすりかえよったんや!!
なんやこれは? どういう意味なんや!?
女「あはは、ひどいイタズラやね」
 
N「女、魚肉ソーセージで鐘を突く」
 
SE:プニュッ
 
女「あはははは」
男「なるほど。そうか。鐘がならないのか。今日はそういう日なんだな。……よし!!
 
N「男、魚肉ソーセージを手にする。それを女の前に差し出す」
 
男「結婚しよう!!
女「あはは……、え?」
男「僕と、結婚してください」
女「ちょ、急にどうしたん? 何言うてんの?」
男「今日は、鐘が鳴らないから。……だから!! ノーベル賞が、ここにあったから!!
女「え? 何?」
男「鐘が鳴らない、つまり、ノー、ベル。ノーベル賞、今取りました!!
女「アホちゃうの?」
男「本当、バカだと思う。バカだったと思う」
女「それで、次は教会の鐘鳴らそうとか言うんちゃう? やめてやー。
……私、再婚になるから。式はやらへんよ?」
 
N「女、魚肉ソーセージを受け取る。夕日が京都の街を染めていく」

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