こんな本を読みました
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ベストセラーは滅多に読みません。かなり偏った選本です。
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最近読んだ本、これから読む本、あれこれ。 |
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この夏はたくさんのいい本に出会えたので、忘れないように記しておく。 『誤解でございます』松永美穂(清流出版)http://www.amazon.co.jp/%E8%AA%A4%E8%A7%A3%E3%81%A7%E3%81%94%E3%81%96%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99-%E6%9D%BE%E6%B0%B8-%E7%BE%8E%E7%A9%82/dp/4860293304図書館の新刊コーナーにあって、面白そうだなぁと手に取った本。 松永美穂という方の名前も経歴も全く知らなかったけど、 読み進めるうちに、この方がベストセラー『朗読者』の訳者だということを知った。 できちゃった結婚だったこと、子連れでドイツ留学したこと、学生に間違えられてばかりの教員生活等、 ユーモア溢れるエッセイで、なかなかお茶目で可愛い方だよなぁと楽しませてもらった。 学生の面倒も良く見ているし、しかもそれを楽しんでいるようだから、 こんな先生にお世話になっている早稲田の学生が羨ましい。 『ケンブリッジ・サーカス』柴田元幸(スイッチパブリッシング)http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9-SWITCH-LIBRARY-%E6%9F%B4%E7%94%B0-%E5%85%83%E5%B9%B8/dp/488418291X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1282321044&sr=1-1ポール・オースターの訳で有名な翻訳家であり、現代アメリカ文学の研究者である柴田元幸の初のトラベルエッセイ集。 今まで訳本しか読んだことがなかったけど、ウブな少年がそのままおじさんなったような方のようだし、 生まれ育ったのが(今も在住か?)東京都大田区六郷と知り、大田区在住の私として親近感がある。 旅にまつわる内容だからかもしれないけど、読んでいて映像がありありと浮かんでくるような文章で、 さすが言葉を使って仕事をしている人だよなぁ‥とうっとりしてしまった。 萩中(六郷の近く)に「刀屋」という美味しい蕎麦屋があるようだから、今度行ってみようかなぁ‥。 『アール・デコ ザ・ホテル』稲葉なおと(求龍堂)http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%B3-%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E2%80%95%E7%A8%B2%E8%91%89%E3%81%AA%E3%81%8A%E3%81%A8%E5%86%99%E7%9C%9F%E9%9B%86-%E7%A8%B2%E8%91%89-%E3%81%AA%E3%81%8A%E3%81%A8/dp/4763006231/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1282319859&sr=1-2パリ、ロンドン、上海、サンタモニカ、ニューヨーク等のアールデコ・ホテルの写真集。
実際に自分で泊まり、ゲストとしてホテルライフを楽しみながら撮影しているけど、 中には苦労して撮影許可を貰ったホテルもあるし、かなり危ない場所(足場が)で撮った写真もあり、 命をかけて、ホテルの美しさを追求している。 ホテルの写真も見事だけど、長旅で体調を崩したり、 執筆に夢中のあまり、お風呂のお湯が溢れて部屋が水浸し‥なんてハプニングを紹介した旅行記も楽しい。 この方を初めて知ったけど、大学の建築学科を卒業した方(一級建築士)で、紀行作家として活躍されているらしい。 どうでもいいことだけど、「B'z」の稲葉浩志さんのいとこなんだとか。 |
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いつも利用している区立の図書館の「新刊コーナー」にはいろんな本が並んでいるので、 パラパラ〜と立ち読みすることが多い。 その中で、インパクト大だった本があったのでご紹介しておく。 纏足は、かつて中国で女性に対して行われていた風習で、 幼児期より足に布を巻かせ、足が大きくならないようにしたもの、という程度は知っていたけど、 この本では、その成り立ちから手順、嗜好、盛衰のすべてが判る。 ただ単に子どもの足のサイズなのかと思っていたけど、 親指以外の4本の指を内側に曲げ、更に足の甲を前に伸ばさず縦に曲げて、先が尖った足に変形させている。 激痛で泣き叫ぶ女の子の描写は痛々しいし、 「骨折させる」「足を腐らせる」というような表現もあるので、かなりグロいかも。 その過程で運悪く亡くなってしまう女性もいたというのも初めて知った。 結局、じっくり座って1時間ぐらいパラパラ読んだけど、もうお腹いっぱいの気分になって、新刊コーナーに戻す。 この本も凄かった‥。 ロボトミー手術をこの世に広めた(初めて行ったではない)ウォルター・フリーマンという医師に関する本。 「ロボトミー」という言葉を聞くと、人間性を破壊する野蛮な治療という暗いイメージが広がるけど、 かつてはこの治療法が脚光を浴び、実際に病状が改善した患者がいて、 本人や家族から感謝された一時期があったことに驚いた。 また、頭蓋骨に穴を開ける方法だけでなく、 上のまぶたからアイスピックのような器具を脳まで差し込むようなギョッとする方法(経眼窩術式)もあり、 その写真まで掲載されているので、かなりグロい。 ウォルター・フリーマンの生い立ちや生涯は恵まれたものではないけど、 この本では、マッドサイエンティストのような描き方ではなく、 謙虚さや、事実を正しく見る視点を持っていない医師、という見方だったよなぁ‥。 これもパラパラしただけでしんどくなってきたので、新刊コーナーに戻す。 どよーんとした気分になるのが判っているのに、この手の本をつい読んでしまう私も私だけど、
どちらも高い本なのに、区内の図書館に数冊置いてしまう図書館も太っ腹だよなぁ。 読む人が少ないと思うけど、私のような興味本位の読者も多いのかしらねぇ‥。 |
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先日、川崎の丸善で「君はエンタメ・ノンフを知っているか?」というフェアをしていたので、 それって一体何?とチラチラ覗いてみた。 『「エンタメ・ノンフ」とは、面白い読み物であることを第一義にしたノンフィクションである』とのことで、 ノンフィクション作家の高野秀行さんという方が提唱している新しいジャンルらしい。 私はこの方の名前も作品も知らなかったけど、早稲田大学探検部のOBなんだとか。 フェアなので、実物の本が展示・販売されていたけど、 この高野秀行さんと丸善のスタッフの方たちが勧める本のパンフレットもあったので、それだけいただき、 面白そうな本を図書館で探して読んでみた。 『潜入!ニッポン不思議島』 ちょっとオドロオドロしい表紙に合った、ダークな奇祭がある島もあれば、 その昔「11PM」でやっていた、いそのえいたろうやカルーセル麻紀の性風俗レポートちっくな島もあって、 聖と俗がごちゃまぜのテイストで、なかなか面白かった。 『だから直接聞いてみた−教えて広報さん−』 小さい頃、カルピスを飲んだ後、必ず喉に痰のようなものが絡んでいやだったことがあったけど、 「カルピスを飲んだ時、喉にたまる白い物はなんですか?」とカルピスのお客様相談室に電話した顛末が書かれていて、 痰みたいなものが絡むのは私だけではなかったんだぁ‥と新鮮な驚きと懐かしさがあった。 最近、カルピスを飲んでいないけど、今でも喉に引っかかるのかなぁ‥。 『キミは他人(ひと)に鼻毛が出てますよと言えるか』 今までやりたかったけどガマンしていたことを、勇気を出してやってみたルポ。 全体的に自虐的モードで、トホホ感が漂っているけど、 「結構、この著者っていい人かもしれないなぁ」とうっとりして、 読んでいるうちに「頑張れ!」と応援したくなってくる。 フリーライターって大変なんだろうなぁ、と思わせるルポもあるけど、 この北尾トロという方はずいぶん本も出しているようだから、売れっ子ライターなのかしらね。 でも、『だから直接聞いてみた−教えて広報さん−』と文体や雰囲気が似ているので、 「柔らかさ」「気の弱さ」が最近好まれるライターに共通した要素なのかなぁ。 『神の棄てた裸体−イスラームの夜を歩く−』 単に大きな出版社だから凄い!と言っているわけではないけど、 新潮社が出版するだけのことはあるなぁ‥としみじみ思うような、読ませて、考えさせるノンフィクション。 イスラム世界の性って何だろう、という単なる興味本位で読み始めたので、 まさかこんな内容だったとは!と衝撃を受けることばかり。 インドネシア、マレーシア、中東の国々の一般市民の性ではなく、貧困層の人々の性を追ったもので、 「取材」ではあるものの、その人々と同じ空気を吸い、生活の全てを知り、 自分と違う価値観を受け入れようと努力している真摯に姿が感じられて、好感を持つ。 著者の石井光太という方を初めて知ったけど、考え方にブレがないというか、 表現したいもののテーマや方向性がきっちり定まっていて、凄いよなぁ‥と圧倒される。 この方のサイトやブログも興味深い内容で読み応えがある。 http://www.kotaism.com/ http://kotaism.livedoor.biz/ 『ヴォイニッチ写本の謎』 この本を読むまで「ヴォイニッチ写本」と呼ばれる本がこの世に存在することさえ知らなかったけど、 「世界で最も不可解な書」と言われているらしい。 詳しくはこちらをご参照。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%82%A4%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%81%E6%89%8B%E7%A8%BF 文字は、くるんくるんとした、キノコの胞子のような可愛らしい形だけど、 いまだに全く解読できていないし、 元祖ヘタウマのイラストのような挿絵は、中世らしい、おどろおどろしい雰囲気に溢れ、 地球上には存在しない植物などが描かれていて、一度目にすると一生忘れられないくらい衝撃的だ。 この本では、この写本がどんな本なのか、今までどんな研究がされてきたかが多面的に説明されていて、 なかなか興味深い。 かなり難しいことも書いてあるので、なかなか進まず、まだ読み終えていないけど、 この写本に対する胡散臭い感情と、神秘的なものに憧れる感情が混ざっていて、 掴み所がない雰囲気が漂っていていい感じ。 ********************************************** どの本も、慌しい日常の中では、なかなか読めそうにないタイプの本で、
「夏休みだから、頭をあまり使いたくないよなぁ‥」という気分の時にぴったり。 子どもと一緒にお昼ご飯を食べ、布団の上でごろごろしながら本を読み、うとうと昼寝‥という、 朝から晩まで汗水垂らして働いている方には申し訳ないような時間の過ごし方だったけど、 古き良き夏休みみたいで、贅沢なひとときだったなぁ‥。 |




