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「横山秀夫勝手傑作選」…勝手に書評

 この正月、時間はたっぷりあるのに、新たに本を買う余裕もなくて、仕方なしに本棚から前に読んだ本を引っ張り出してきて読みあさりました。
 全部読み返した訳ではないですが、やっぱり、横山秀夫は何度読んでも面白い。と言うわけで、本棚にあった横山秀夫作品を、「横山秀夫勝手傑作選」と題して、初版発刊日順に並べてみました。

陰の季節』(1998年.10月)
 横山秀夫独特の陰影の世界が広がる。「退官幹部の再就職斡旋」なんて、警察の悪しき慣習が、事件の根元。横山はこんな警察組織の相当踏み込んだ内情まで、小説の題材にしてしまう。
 主役は事件の最前線で事件に向き合う刑事などではない。「陰の季節」「地の声」「黒い線」「鞄」、どれも、組織の維持や、問題の漏洩阻止等に心を砕く、警務部の人事課みたいな所で地味に働く男達が主役なのだ。

動機』(2000年.10月)
 タイトルになっている「動機」の他に、「逆転の夏」「ネタ元」「密室の人」の中・短編を載せています。
 「動機」は、機構改革の一環で警察手帳の「一括保管」を敢行したことから、30人分の警察手帳が盗まれるという不祥事が主題。例によって、横山流の、警務部と刑事部の確執、報道機関への公表問題、彼個人の家庭の問題を絡ませる、ねちっこいストーリー展開。

半落ち』(2002年.9月)
 病に苦しむ妻を殺した警察官は、妻の後を追って死にたかった。容疑を認めているものの、犯行後の空白2日間について黙秘する「半落ち」状態。死にたいが死ねない理由は何か?。
 理屈っぽいかもしれないけど、こういう、「人知れずこだわる」みたいな、ねちっこさが横山ミステリーの面白さなのだ。

FACE』(2002年.10月)
『陰の季節』の「黒い線」に登場し、問題児として扱われていた平野瑞穂婦警なる主人公が、プロローグ,魔女狩り,決別の春,疑惑のデッサン,共犯者,心の銃口,エピローグという、連作に登場する短編集。
 「顔」が全体を貫くテーマになっているのは、彼女が鑑識課で「犯人の似顔絵」描きをしていたからだ。

深追い』(2002年.12月)
 本のタイトルとなっている「深追い」に始まり、「又聞き」「引き継ぎ」「訳あり」「締め出し」「仕返し」「人ごと」の章毎にそれぞれ完結した短編が、警察内部の複雑な人間関係を背骨にして収束し、一つの長編の小説となっている。
 事件や登場人物が入れ替わっていくため、視点も変わる、それが独特の面白みを醸し出している。

第三の時効』(2003年.2月)
 「沈黙のアリバイ」「第三の時効」「囚人のジレンマ」「密室の抜け穴」「ペルソナの微笑」「モノクロームの反転」の六つのそれぞれ完結した短編が、F県警捜査一課の三班の班長のせめぎ合いを背骨に、一つの長編となっている。
 事件の謎解きも面白いが、「朽木」「楠見」「村瀬」の三人の強烈な個性と、人間模様の描き方に注目。特に公安上がりの「楠見」の非情さの間に人間味溢れる側面をかいま見せる、ゆがんだ男気質が、横山ならではの面白味を出している。

真相』(2003年.6月)
 「真相」は、表題の「真相」「18番ホール」「不眠」「花輪の海」「他人の家」と、完全に独立した短編集になっている。
 主人公も、警察からちょっと離れ、二代目税理士とか、村長選出馬の元県庁職員、前科ある夫とその妻、リストラの会社員等々、横山イコール警察小説という単純な図式を、快くも崩してくれる作品群です。
 トリックや、どんでん返しが隠されているとかいったことはないので、ここは素直に、人間関係の機微や悲哀を、横山流の視点から捉えて訴えた、社会派小説として楽しみたい作品集。

クライマーズ・ハイ』(2003年.8月)
 上毛新聞の記者だった横山自身が、自分が体験した「御巣鷹山日航機墜落事故」の取材の顛末を小説化したもの。ほとんど、ドキュメンタリーと思える、リアリティー感に圧倒される。
 ミステリーの要素や、人間関係の愛憎ドラマも描き込み、谷川岳衝立山に挑戦する現在と、墜落事故直後の1週間を同時進行させ、苦くも壮絶であったその記憶を辿って、横山ならではの超一級の「感動のヒューマンドラマ」に仕立てている。

看守眼』(2004年.1月)
 本のタイトルとなった「看守眼」では、刑事にあこがれたまま退職を間近かに控えた留置場の看守が、最後の執念で「死体なき殺人事件」の真相を暴く。
 他、「自伝」「口癖」「午前五時の侵入者」「静かな家」「秘書課の男」で、それぞれ個性的な主人公を通して、人間社会の皮肉や悲哀が語られる。

臨場』(2004年.4月)
 「終身検視官」と、皮肉も込めて呼ばれる、ベテラン検死官の鋭利な「検視眼」を持つ、倉石から任された「臨場」。一ノ瀬は見極めることができるのか。
 「赤い名刺」「眼前の密室」「鉢植えの女」「餞」「声」「真夜中の調書」「黒星」「十七年蝉」と、またまた、一癖もふた癖もある男たちが、核になって、警察の組織や昇進、職務と人情が複雑に絡むストーリーが展開する。
 組織の中で異物と言われ、一匹狼を貫き、死んだ人間の人生をも救ってしまう倉石。これが、横山流のヒーロー像なのかも知れない。

 〈ion〉

閉じる コメント(2)

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私は最近クライマーズハイを最近図書館で借りてきました。 冒頭を読んだ感じですと、真保ゆういちさんのホワイトアウトみたいな感じを受けました。ぜひ今度は私のお勧めの宮本輝さんの作品も読んでみてください。

2006/1/10(火) 午後 9:11 [ - ]

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動機は読みました。横山さんの本は良くできてますね〜。短編で読みやすかったしファンになりました。

2006/1/12(木) 午前 7:03 [ tuk**a12*2 ]

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