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「捨てられた犬」 月島衣音 捨てないで。 犬から見れば「捨てる」は「捨てられる」になる。 さみしい。 「きゅ〜〜〜ん」 ボクがないても、だれもこない。まわりはくらくなって、よけいさみしくなる。 ボクが生まれたとき、イヌママは「カワイイよ」っていって、「ペロペロ」ボクをなめてくれた。 ボクといっしょにうまれたきょうだいは、「かわいい」っていわれて、どこかだれかにつれていかれた。 ボクは、「みっともない」っていわれて、でもずっとイヌママといっしょにいられるってよろこんでいた。 だけど、きょう、 ボクはあたらしいダンボールにいれられ、おトウちゃんに、この、さみしいところへつれてこられた。 「ひとりにしないで」って、ボクは、おトウちゃんの目を見ておねがいした。 でも、おトウちゃんは、「そんな目で見るなよ」っていって、かおをそむけた。 そのまま、たちあがって、ひとりでおうちにかえっていっちゃった。 あめがふってきた。 ダンボールのなかもビチャビチャになって、ボクはさむくて、さむくて、くしゃみもいっぱいでた。 ボクは、なんどもイヌママをよんでないた。 イヌママはいまごろ、きっといっしょうけんめいボクをさがしている。 さみしくって、さみしくって、なんども、なんどもイヌママをよんでないた。 あめのなか、カサをさしてしらないだれかがきた。 ボクをみつけて、「かわいそうに」っていってくれた。 でも、しらないだれかは、いってしまった。 あめは、ずーーっと、よるのあいだふっていた。 あさになって、あめがやんだとき、ネズミいろのふくをきたおじさんたちがきて、ボクをみつけてくれた。 おじさんたちは、のってきたじどうしゃのうしろをあけて、そこにあったゲージのなかにボクをいれてくれた。 そこには、ほかにもゲージがあって、そこにイヌおじさんがいれられていた。 イヌおじさんは、ボクをみていった。 「オマエもつかまったんか?」 「ボク、つかまったのとちがうよ。おじさんにひろわれたんだよ」 イヌおじさんは、「フンッ」っていって、なぜだかかなしそうなかおになった。 じどうしゃにゆられて、ボクはユメをみた。 ユメのなかで、ボクはイヌママにあまえていた。 ボクのまわりには、イヌにいちゃんや、イヌねえちゃん、イヌおばちゃん、ほかにもなかまがいっぱいいた。 おトウちゃんもいて、おなかペコペコのボクに、おいしいミルクをのませてくれた。 イヌママはまた、「カワイイよ」っていって、ボクを「ペロペロ」なめてくれた。 やさしいだれかが、おおぜい、ボクたちのまわりをかこんで、うれしそうにみている。 ボクもうれしくなって、ユメのなかで「きゅん、きゅん」ってないた。 そのとき、「カシャーーン!」って、おおきなおとがして、めがさめた。 いつのまにかじどうしゃからおろされて、つめたいコンクリートのへやに、ボクはゲージごと、ほうりこまれていた。 〈ion〉
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そうなんですよね、捨てられた動物は。。。
心が痛みます。
900話目、おめでとうございます。あと11で目標達成ですね!
2008/5/2(金) 午前 1:06
捨てられた犬や猫たちのキモチ。かわいそうだけれど、忘れてはいけないキモチ。目をそむけてはいけないキモチ。
2008/5/2(金) 午後 1:22
ノアの箱舟に乗せる 第一候補の方が 決まった ようですね。
2008/5/2(金) 午後 5:15 [ ang*a*ugen ]
はじめまして、こんばんは。
ionさんのストーリーを読み進んでいくうちに涙が溢れて・・・とめどなく流れ落ちてしまい...。
今、ワタシの膝には愛する猫が座っていますがストーリーのワンちゃんを想像しながら読んでいたらね・・・捨てられている犬の気持ちになっていました。
ちょうど今夜は強い雨が降っているし、とても哀しい気分になるストーリーになんだかココロが沈んじゃったけど・・・。
シアワセになれるストーリー展開を期待したいワタシです。
2008/5/2(金) 午後 8:59 [ - ]
☆きららさん、おかげさまでなんとか900話まで来ました。ありがとうございます♪
2008/5/3(土) 午前 5:15
☆KOKOさんありがとうございます。キモチ、大切です。
2008/5/3(土) 午前 5:16
☆angyamugenさんありがとうございます。なるほど、神様はそうして、残す者を選んでおられるのか。
2008/5/3(土) 午前 5:17
☆aoi_tsukiさんありがとうございます。悲しませてすいません。次はシアワセな展開目指してがんばります♪
2008/5/3(土) 午前 5:19