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「危ない女」 月島衣音 「あの女はやめときなさい。 あの女は危ない女よ」 市民サークルで知り合った女の子が好きになり、彼女の友人にそれとなく訊いてみた。 その答えが、この忠告だ。 そんなことを言われるとよけい気になるというものだ。 ボクの話した印象では、彼女はとっても心やさしい女にみえる。 ボクはある時、彼女の帰りのあとを追った。 彼女は一軒の建物の中に入って行った。 見ようによってはヤクザの組事務所風にも見える。 「危ない女ってのは、このことか…」 あの友人の言ったことがウスウス見えた気がした。 彼女はヤクザの世界に足を踏み入れているのだ。 だとしたら、よけいほっておけない。 ホントは心やさしい彼女を、ボクの力でヤクザの世界から救い出してやらねばならない。 おそるおそる彼女のあとを追って中に入った。 見ると、彼女が一段と高い壇上にいる。 中は広いが薄暗い部屋で、彼女は男たちに両側から挟まれた格好で立っている。 その時、いきなりボクの肩がうしろからつかまれた。 振り向くと、サングラスの男がボクをにらんでいる。 「オマエ、何モンだ?!」 すごまれて、ボクは口ごもって言った。 「イエ、あの、怪しい者じゃございません。先に入って来たあの女の…」 そこまで言うと、サングラスの男は「ニッ」と笑って言った。 「オマエも見たいか?」 「え?」 「アブナイ女だぜ、あれも」 「あ、あの危ない女とは?」 ボクが訊くと、男は胸ポケットから黒光りする拳銃を取り出した。 「まあ、見て行けや。 面白いモノが見れるぞ」 男はそう言って壇上に上がり、「ツカツカ」と、彼女に歩み寄った。 そして、な、な、な、なんと! 手にしていた拳銃を彼女の前に突きつけたのだ! ヤクザの掟は厳しい。 きっと彼女はこの世界から足を洗いたいと申し出たのだ。それが、この結果だ。 彼女の顔は蒼白に見える。恐怖で頬が膨らんでいる。 その時、サングラスの男が、彼女の顔の前に向けた拳銃の引き金を引いた。 「アアーッ!」 ボクは思わず声を上げた。 だが、次の瞬間、思わぬことが起こった。 「カチン!」と音を立てて拳銃が鳴った。 だが、なんと! 拳銃に見えたのはただのライター。 そのライターの火に向かって、彼女の口から「ブーーッ」と、液体のしぶきが吹きつけられた。 彼女の口から出たしぶきは炎の帯となり、薄暗かった部屋を照らし出す。 サングラスの男が叫ぶ! 「ご覧ください! 人間火炎放射器のすご技です! 拍手をどうぞ〜〜〜〜〜ッ♪」 ステージの前には、大勢の観客がいて、その間から一斉に大きな拍手が沸き起こった。 ボクは叫んだ。 「ひぇ〜〜〜〜〜〜ッッッ!! なんちゅうアブナイ女だ!」 〈ion〉
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「よ〜し! ボクも危ない男に なるぞ〜!
秋刀魚の頭と尾っぽを両手で持って、彼女の吐く火炎で 煙 もうもう と焼いてやる〜」 ^^^
2009/10/16(金) 午前 9:22 [ ang*a*ugen ]
☆angyamugenさんありがとうございます。脂ののったサンマ!さぞかし旨いことでしょう♪
2009/10/17(土) 午前 3:35