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無茶大路博士は超天才科学者。なぜか、わたし「ジュリ」の通う大学に入り浸っている。 そんな博士から、「夏休み期間中のボロい儲け」というバイトを頼まれてしまった。 イケメン男の里仁模君と、三河湾内に浮かぶ猫島に住み込み、猫たちの世話をすることになったのだが…、 な、な、なんと、そのネコというのは!!!! ビックリマーク4・5コつけても足らない、し、新種ネコー!!?? ペットプームの火に油を注ぐようなビックリ新種ネコ!!??を狙って、襲い来る悪漢ども!! 裏には、新種ネコ!!??開発に潜む、博士の空恐ろしい策謀!!?? あまりの高額バイト代の真意を知った頃にはもう遅い!! 恐怖の異生物!?までもが襲来してきて!!!! あーーーーーーーーっっ!! もう!だめーっ!! どうなっちゃうの!? わたしたちーーーっっ!??? で、でも…、里仁模君となら…、わ、わたし…、が、がんばれるかもーっ!? って、言わせないでーっ!! *最初から読む ←こちらから、最初からお読みいただくことができます。 50日に亘って連載して来ました、「ドキドキ出来事奇っ怪猫島」は完結いたしました。ご愛読下さった皆様、長い間おつき合いいただき、ありがとうございました。
お読み頂いたご感想、コメント、お寄せいただければ幸いです。お待ちしています。 |
ドキドキ出来事「奇っ怪猫島」
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五〇、里仁模君のカノジョ〈最終回〉 「わ、わしは、ちょ、ちょっと、コーヒー飲みたくなったから、コ、コーヒー缶、買いにちょっと…。」 博士は立ち上がって、その場を離れて行ってしまった。その博士を振り返ってもう一度、「博士ーっ」と、里仁模君が呼ぶ。 「アンポンタン次第ということで。わしゃ知らん。」 廊下の向こうで博士が手を振って応えた。 「ジュリちゃん」 「里仁模君?」 「ボ、ボクは、えーっと、せ、正式におつき合いを申し込みたい訳で…。」 「え?、でも、里仁模君にはカノジョが…。」 「いないよ。」 「いない?」 「いないよ。いるって言ったのは、博士から、ジュリちゃんにもしものことがあったら絶対、赦さんって。彼女いるってことにしておけって、きつく言われて、それで…」 「なんぁ〜んだ、そうだったの。『禁』って、そのことだったの?」 「そう。」 病院の廊下にはだ〜れもいなくなっていた。里仁模君のわたしの手を握る力が強まる。わたしもこらえていた気持ちがいっぺんに爆発する。 「じゃ、いいのね? 誰に気兼ねなく、里仁模君、好きになっても。」 「誰にも気兼ねなく。ボクも好きにならせてもらいます。」 わたしが肘を引いて里仁模君に「グッ」と顔を寄せると、里仁模君もそう言って、そのわたしの唇に自分の唇を重ねてきた…。 「ちょっと。もしもし、お取込み中悪いんだけどね。」 誰かが肩を叩く。今、邪魔しないで欲しい。 「あんたらにも事情聴取させてもらわなかんのやけど。」 刑事さんかよ。あっち行って。恋愛小説のクライマックスよ! 大事なシーンでなんなの、もう。 「はい。なんなりと。」 やだ〜っ! もう、里仁模君! 世渡り上手もいいけど、熱いわたしの気持ち置いて、刑事さんなんかのお相手、始めちゃって……。 アニキとゴンジは、博士が赦してあげると言ったので、警察の方でも軽い処罰ですんだみたい。 猫島のバイトは、ブタと吸血コウモリは処分してもらって、ミニ猫や、母猫、それに父猫のアビーの世話を、今も続けている。もちろん、大好きな里仁模君と一緒に。 ミニ猫は無事出荷されて、ペット市場で大人気となり、博士はまたまた大もうけで笑いが止まらなくなっている。バイト代は増額してもらいたいけど、まっ、いっか。このバイトで、わたしはいっぱい幸せもらっちゃったんだから……。 了 とうとう今日が最終回になってしまいました。ずっと、ご愛読くださった方々、ありがとうございました。良かったら、ご感想などをお寄せ下さい。
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四九、アニキの涙 「ウウウッウーン」 その時、アニキの方が呻きながら目を開けた。救助されて病院に担ぎ込まれた時には、そのまま二人は疲労と緊張から解かれた安堵感で意識を失ってしまっていた。アニキの方が、今、ようやく意識を取り戻したようだ。 「ゴンジは?」 アニキの最初の一声だった。 「ゴンジも無事だよ。ほら。」 わたしが隣のベッドで寝ているゴンジを指し示しながら言うと、アニキはゴンジを見て、ボロボロ涙をこぼした。 「ゴンジ。良かった。…悪かった。オレがこんなことに引き込んだばっかりに…」 良かったのか、悪かったのか、訳分からないことをまた言う男だと、心で言ってみたけど、ほんとは、アニキの言いたいことは良く分かっている。 アニキの意識が戻ったことを知って、警察の人が来た。入れ替わりに、わたしたちは病室を出た。 「あなた方にもあとで、事情聴取させて貰いますから…」 警察の人の言葉に「ハイ」と応えながら、里仁模君は病室のドアを閉め、わたしに、 「…だって」 と、言った。わたしたちはまだ、「解放された訳じゃない…んだって」って意味だ。 「里仁模君、ありがと。」 廊下のベンチシートに腰掛けながら、自然に口をついて出た。つい、里仁模君を見る目が潤んでしまう。 里仁模君もわたしの目をまっすぐに見て、手を握ってきた。そのままの姿勢で、博士の方を見ずに、その博士に言った。 「は、は、博士、き、『禁』を破っていいですか?」 「『禁』って?」 わたしが聞く。 つづく いよいよ明日12月28日が最終回になってしまいました。ずっと、ご愛読くださった方々、ありがとうございます。最後までご来訪、ご愛読の程よろしくお願いします。
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四八、海上保安庁出動要請 「アンポンタン! おみゃあはだからアンポンタンだっちゅうんや。そんなコウモリから猫が生まれる訳がにゃあがや!」 恐ろしかった台風の一夜が明けて、わたしたちは今、蒲郡市内の病院にいた。 隣り合わせの二つのベッドの中にいるのは、アニキとゴンジだ。死んだように眠りこけている二人に遠慮もなしに、博士はいつもの「宮地佑紀生」節で、ガナッている。 「でも、博士のことだから、遺伝子操作とかでやっちゃったんじゃないかって…。」 「いかな、わしでも、そんなこと出来せんて。神様じゃにゃぁ〜んやで。」 完全にわたしの思い違い、考え過ぎだった。アビーがミニ猫たちの父猫なことは間違いなかった。アビーは突然変異で生まれた、たった一匹の大事なミニ猫の遺伝子を伝える父猫だったのだ。コウモリと猫のキメラ、「吸血コウモリ猫」などは、存在しなかった。 「だけど、なぜ、博士は、吸血コウモリのこと黙ってたのよ? あの吸血コウモリはいったいなんだったの?」 「そ、それはわしも悪かった。あれはインフルエンザワクチンを開発しようと飼ってたんじゃ。隠そうとしていたのは悪かった。」 「インフルエンザワクチン?」 「ああ、ミニ猫たちのな。ミニ猫が完成してから気付いたんじゃが、ミニ猫特有のインフルエンザが発生してな。人間に染ることはないんじゃが、そんなことを言うとおみゃーたが、世話を断るんじゃないかと、それが心配で…」 「それで、隠してたのね。」 博士は強気の態度から一変して、しょぼんとしてしまった。里仁模君が察して、話題を切り替える。いつもながらソツがない。 「でも、博士が海上保安庁にまで出動の要請してくれて、助けにきてくれたのは、ほんと、良かったです。」 ケータイの留守電に入っていた里仁模君の「助けて」の声で、博士が、海上保安庁に連絡して、助けにきてくれたのだ。 アニキとゴンジは嵐の波の上に、助けを求めている姿をすぐに見つけることが出来た。なんと二人は、吹き飛んだブタ小屋のトタンの屋根が、大きな筏状態になって浮いていたのに掴まり、それに這い上がって、命拾いしたのだった。 つづく いよいよ12月28日が最終回です。ずっと、ご愛読くださった方々、ありがとうございます。最後までご来訪、ご愛読の程よろしくお願いします。
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四七、キバを剥く大波 突然、アニキが、こちらを向き直り、いきなりわたしの腕を掴んだ。そのまま、わたしを片手で抱え、銃を突きつけ、里仁模君に向かって怒鳴った。 「キーを! ボートのキーをよこせっ! 持ってるんだろ!」 里仁模君はポケットからキーを取り出し、アニキに向かって投げた。 宙でキーに手を伸ばして掴み、アニキは、わたしを突き飛ばした。同時に高く跳躍し、次の瞬間、アニキはゴンジの乗っているボートに飛び移っていた。 激しい波に翻弄されながらも、ボートはエンジンを始動し、爆音と共に、嵐の海に飛び出した。 だが、直後、海は恐ろしいキバを剥いた。わたしの背丈の何倍もあるような大波が、ボートを追うようにしてその背後から襲いかかった。 「ドドドッパーーンンン!!」 里仁模君の照らす照明の輪の中、ボートはあっという間に転覆し、船底を見せて、そのまま白い波に呑み込みまれていった。 「ゴンジーッ、アニキーッ」 わたしにとって最初は悪党だった二人。その二人をわたしは声を涸らして呼んだ。 「里仁模君! 助けてっ! 助けてあげてーっ! おねがいーっ! 二人を助けてーっ!」 大波の吼え狂う海に体を乗り出して叫ぶわたしを、必死に抱き留めて、里仁模君は怒鳴った。 「だめだっ! ジュリちゃん! だめだよっ! もう助からない!」 「だって! だって、死んじゃうよ! 助けてあげないと死んじゃうよう!」 「キミまで、波にのまれちゃったら、だめだーっ!」 恐ろしい大波は、わたしの声もかき消して、里仁模君の声も呑み込んで、懐中電灯の光の輪の中でいつまでもいつまでも吼え狂っていた。 つづく いよいよ、物語も終章を迎えつつあります。予定では12月28日が最終回です。クライマックスシーンをお見逃しなく、最後まで気を抜かずにご来訪の程よろしくお願いします。
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