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面白かった小説…勝手書評

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ionが読んで良かったと思う作品を勝手に書評♪
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「秘密」 東野圭吾  文春文庫

 何気ない日常会話の中にそっとしのばせる小さなアイテム。それが、あとあと、物語の「秘密」を解く、重要なキーとなる。
 いつもながら、「ウ〜ン」とうならせられる東野圭吾の得意とする手法です。「秘密」では、それが、すごく効果的に働いている。

 物語は、平凡だが、温かくて幸せな家庭を襲う、忌まわしいバス事故のニュースから始まる。よき夫であり、よきパパだった男に、奇妙な人生が科せられる。バス事故で死んだのは、妻・直子だった。生き残ったのは直子がかばって守った娘・藻奈美だった。そのはずだった。けれども…。

 先日、大阪で起こったスキーバス事故。規制緩和で、観光バス事業に容易に参入することができるようになった結果、過度の競争により生み出された、運転手の悲惨な勤務実態問題が、ニュース解説で報告されていた。
 「秘密」の中では、バス運転手の過酷な勤務には、別の理由があったわけだが、七年前に書かれたストーリーにしては、あまりにもよく似た事故原因で、その符帳の合致に、東野の「予知」能力めいたものを感じてしまった。
 本題からずれてしまったけど、「秘密」のよって立つ所が、そういうオカルトチックな「憑依」ってなモンなんだから、科学で解明できない「不可思議」に、つい関心が行ってしまうのはしょうがない。
 普段のサイエンティスト東野の筆致がいささか鈍っていると感じるのは、だから、仕方ないことかも知れない。個人的には、今回、「違うんじゃないか、違うんじゃないか、最後にどんでん返しが来るんじゃないか」という、逆の期待をラストまで捨てきれずに読んでしまったために、モヤモヤが残ってしまった。
 その点で、せっかくの、「秘密」は最後まで「秘密」のまま、という、夫であり父である男の心情に、百パー、感情移入しきれなかったのが、少し残念。
 とは言え、妻・直子の側からの苦悩と決断には、深く納得させられるところがある。それがあって、「秘密」のメインテーマが太い柱になって活きてくるのだから。
 そして、やはりラスト、娘の結婚式を前に、婿となる男に「二発殴らせろ」というシーンにはジーンときた。一発は娘を取られる父の…、そして、もう一発は…、こ、これは、か、書かないでおきましょう(汗;)。

 映画にもなって、主演の広末涼子が、巻末に解説も書いている。これは、これですごく良かった。いろんな形で、高い評価が固まっている作品なので、東野を知るための必読作品になると思えて、読んで損はなかったと言える…、よ、読んで損はなかった、…です(少しにじむ汗;)。 (人には)「おすすめ」です、と、ここはキッパリ!

    〈ion〉

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そんなに乗り出して見ないで!80000hit!!!記念 (番外)        月島衣音


 パンパカパ〜ン!! 「ドキ出来ショート」で、四苦八苦していた間に、
 な、な、な、なんと!! 前人未踏(?ウソでい)の80000hit オーバーしてしまっているではありませんか
 いつもめげずにご来訪下さったみなさま、ほんとうに、ありがとうございます!!

 記念に()、決死の「お宝映像」を披露してしまいます!!
 過去の画像フォルダーから引っぱり出してきたとっておき映像()です。

 「そんなに身を乗り出して見ないで!!!

 よっぽど気になる、美女(犬)でもいたんでしょうか 身を乗り出している姿に、思わず、「あぶないよ〜〜〜〜っ!」って叫んでしまいました。
 このあと、犬さんが必死で見ていた方向に、車は曲がって行きましたが、
 身を乗り出してまでアタックしたかったキミに、思いは届いたんでしょうか

    〈ion〉

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「アヒルと鴨のコインロッカー」 伊坂幸太郎  創元推理文庫

 伊坂幸太郎には、一度はまると抜けられなくなる。
 何が魅力なのかと言われれば、「全部」としか言いようがない。独特の善悪観、ワルが懲らしめられる痛快さ、散らばったピースが「ピタッ」と填って行く緻密さ、そして、アッと言わせられるどんでん返し。

 「アヒルと鴨のコインロッカー」、主人公、ボブ・ディランを口ずさむ、新米大学生「椎名」。彼がいきなり「河崎」に書店強盗の相棒に付き合わされるところから話が始まる。書店強盗と言ったって、盗むのは「広辞苑」一冊。彼は裏口から店員が逃げ出さないように「見張り役」。
 どう考えたって、このお膳立てでは、伊坂の目くらましの術にはめられそうなのは分かっている。だけど、だけど、その幻術の罠に、はまりたくって、はまりたくって仕方なくなる。

 物語は、椎名の現在と、二年前の「琴美」の話が交錯して語られる。ジグゾーパズルの上と下からピースを填めていくみたいに。
 真ん中の辺で「ピタッ」と、痛快きわまりなく、最後のワンピースが填るんだろうなって、いやが上にも期待させられる。
 現在二年前のどちらにも出てくる「河崎」と、ブータン人「ドルジ」。ドルジは…、でもなぜか、現在では影の様に姿が薄い。

 「アッと言わせられるどんでん返し」、これを言っちゃっちゃおしまいだけど、すごいよ。「な、な、な、な、なに〜〜っ」って言うよ。ゼッタイ

 タイトルの「アヒルと鴨」の意味は、読んでいてすぐに分かるが、「コインロッカー」、こいつが分からない。最後の最後になって分かる。しかも、これが、どえらいテーマの神髄の骨頂のエッセンスになっているとは。「神様を閉じ込めに行かないか?」、神様が何を意味するのかは、読んでのお楽しみ。

 「ワルが懲らしめられる」のは、伊坂作品のいつもと同じ。伊坂の指さすワルは、例によって、「動物を虐待する」奴らのこと。今回はハッキリ「ペット殺し」という名前を頂いて出てくる。男二人、女一人
 けれど、ワルがすべて懲らしめられて終わるわけじゃない。悲しい結末が待っている。のみか、現在の椎名の話に繋がるページの発端となる災厄も引き起こされる。浜の真砂は尽きるとも、世にペット殺しの悪は尽きまじなのだ。

 「独特の善悪観」、これには、伊坂の言うままに納得させられたくない。一言、言いたい。伊坂のどの作品にも必ず「チョイ悪」が登場するが、彼らはみんな伊坂の目から見ると「ワル」ではない。愛すべき一般市民だ。伊坂が「ワル」の線を引くのは、「動物(植物)を虐待するか否か」という「モノサシ」。そして、ワルは徹底してワル
 心情的には共感できるが、世の中、いや、人間ってそんなに単純じゃない。いじめ問題一つとっても分かるけど、ある時はいじめられる側に立ち、ある時はいじめる側に立ち、同じ一人の人間が、ひ弱で、優しい気持ちを持ち、強欲で、残虐な気持ちを持ち、同時に善悪両面の気持ちを持ち合わせているのだ。「にんげん」って、絶えず、いつも、いろんな場面で、振り子のように揺れ動いて、善人ウィルスにも、悪人ウィルスにもすぐ感染する、ひ弱軟弱な「生き物」なんじゃないだろうか
 「ペット殺し」の犯人達を岸の向こう側に置いて、「なんてひどい人たち」と言いながら、岸のこちら側で、毛皮のコートを見せびらかし合いっこして「どう 似合う」って言ってしまうんだ。
 そこんところを、伊坂は「見て見ぬ振り」している。

 偉そうなこと書いてしまったけど、でも、伊坂作品にけちをつける気など毛頭ない。どれも、これも、グイグイ引き込まれて、アッという間に読まされてしまう作品ばかりなのです。
 あ〜っ、また、また、本屋に行くと、伊坂作品しか目がいかなくなる、伊坂中毒に罹ってしまっている〜〜〜っ。まだまだ、読まなきゃならない作品がいっぱいあるぞ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!

    〈ion〉

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「陽気なギャングが地球を回す」 伊坂幸太郎  祥伝社文庫

 またまた、楽しい伊坂さんの一冊に出会ってしまった。
 それぞれ、チョイ悪な四人が、たくらんで銀行強盗をしでかす。
 四人とも個性派で、誰にもない特技を生かして銀行強盗を成功させる。
 ところが♪

 なぜ銀行強盗を働くのか。首謀者の成瀬には「美学」があり、演説好きの響野には「ロマン」がある。久遠には日本の法律とは別の「法律」がある。雪子は…、人に言えない「理由」がある。
 伊坂作品のどれにも、ほとんど必ず出てくるアウトローたち。伊坂自身は、彼らをアウトローと思っていない(たぶん)。みんな、常人とは違う法律を心に持っていて、常識的社会からはみ出し、けれどもしかも社会にとけ込んで生きている。

 「柴犬が人間に殺されるのを見るくらいなら、柴犬にかみ殺される人間を見る方がいい」という久遠は、伊坂の気持ちを代弁しているように思える。「オーデュボンの祈り」の処刑人「桜」も、「重力ピエロ」の「春」も、伊坂の作品に出てくる人間、ほとんどが日本の法律とは別の法律を内に持っている。もちろん、「死神の精度」の「死神」もだ。
 人間よりも、例えば、カモシカが大事って、本気で思っている。ニュージーランドの「羊」や、南極の「ペンギン」、「人間とチンパンジー以外の類人猿」の方が、人間よりも偉いと思っている。伊坂作品の根底に流れる信念だ。突き詰めて考えさえしなければ、同感できる。

 現金強奪は、一旦、成功したかに見えて、思わぬ事態で破綻する。ニュージーランドの「羊」と暮らす悠々自適の生活の夢は崩れ去る。偶然に見えた破綻の原因は、内側にあった。謎が解ける時、ジグゾーパズルの破片すべてに意味があったことを知る。知って、「アッ」と思わせられるのは、いつも通り。

 伊坂幸太郎をまた読みたくなるのは、破片がすべてつなぎ合わされて全体が見えた時の快感が忘れられないから。

 〈ion〉

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「手紙」 東野圭吾  文春文庫

 今、本屋に行くと、「手紙」が死ぬほど山積みにされている。なんと! 早くも「たちまち百万部突破」だって♪ 待ちに待っていた文庫版、買わないわけにいかない。

 解説に「重い話である」とある。重いテーマだと。
 兄が強盗殺人という罪で服役している。それが、自分に重くのしかかる。隠しても暴かれる。掴みかけた幸せは、またもや逃げていく。
 読み終わって、涙があふれて止まらなかった。「イマジン」は理想でしかない。人の心は変えられない。ただ、理解することで、私たちは超越するしかない。

 人と人が繋がること、それが、幸せの種にも、不幸の種にもなる。蒔いた種は芽を出す。それを刈り取らねばならない。不幸の種を蒔けば、蒔いた本人のみならず、周囲の人も不幸の実を刈り取らねばならない。
 深いテーマだ。苛烈なテーマだ。
 癌があれば、切り取らねばならない。そして、手術すれば、周りの癌でない細胞も一緒に切り取られる。細胞に意思はない。だが、人間には意思がある。犯罪者のレッテルを貼られた者の周囲の人間、その人たちに罪も責任もないはずなのに、同じレッテルが貼られる。
 「重い」テーマは、レッテルを貼る側に問いかける。強盗殺人犯を身内に持つ者たちとお近づきになりたくはない。悪意はない、むしろ同情の目を向け、見守っている。だが――。突き付けられる重いテーマ。救いはない。ただ、そのことに思いを馳せるだけでも価値はある。

 ジョン・レノンの「イマジン」が文脈の背景に流れ続けている。「イマジン」は理想でしかない。だけど、それが実現すれば、どんなに良いか…、だれもが夢想はしなくてはならない。
 「想像してごらん

 ラスト一行は涙なしには読めない。弟は刑務所の慰問で「イマジン」を歌おうとする。うつむく兄が目にはいる。
 だが声が出ない。 どうしても出ない――。

 〈ion〉

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