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T・クランシーの一連の著作から読みとれるのは、東洋人蔑視と軍隊賛美がある。
こうも単純に軍隊を賛美されてはたまらないが作品の持つ先見性と世界情勢の把握、時代が持つ危険性
は群を抜いている。
今回のチェニジアから始まったアラブ動乱はエジプトの30年続いた政権を転覆させた。その土壌は
貧困、格差、食料の不足、役人の汚職、長期政権、自由のない圧政と共通している。そこに浸透したのが
インターネットである。 T・クランシーは、米のワールド・トレードセンターが旅客機の自爆攻撃で倒
壊するより前に「日米開戦」でJAL機を米国議会に突入させて米大統領始め政府要人を多数死傷させて
いる。この事件が勃発した時にあらためて彼の作品の現実性に読者は震撼となった。
このネットでの情報発信はやはり「大戦勃発」で中国軍部がシベリアへ進攻し大敗をする。それをしった
若者がネットで情報を発信し天安門広場に集結し中国政府部内に押し入るところで終わっている。
今回のチュニジア・エジプトで勃発した動乱は、動機こそ異なるがネットでの情報発信機能の国家転覆は
同一である。この作品が書かれたのは2000年であることを思えば彼の先見性に脱帽するしかない。
そのエジプトの会社が北朝鮮で携帯事業を推進していて30万人の人が使いはじめているというが
北朝鮮はより強固な軍事、秘密警察国家であるが北朝鮮の国民が情報を持つと金体制の崩壊が始まる
といっていい。金独裁政権はネットでのアラブ動乱を見てより強固に国民をしめつけていくのはまち
がいないが国民を締め付けることは自分の首を締め付けることであるのと同一であることがいつの
時代の独裁者も気が付いていない。
あとクランシーの作品で残されているのは紛失した「核」がテロリストの手に渡る「恐怖の総和」
がある。これも現実に米政府が一番恐れ対策を立てているが明日勃発してもおかしくない危険な時代が
眼前にある。彼の作品に書かれている事件と同一の事件が勃発しない事を祈るだけである。
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