オランダ坂から

はかなさは花月の門につるしたる金燈籠の灯より来るらし 勇

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司馬遼太郎の本から

 司馬遼太郎の本を読んでいたら、次の発言をみつけた。

「文学というのは、結局は自分の中にある少年の投影だと私は思っている。同時に自

分の中から少年が消滅したときに作家は小説を書くことをやめてしまうものだし、別

の表現でいえば、少年の感受性を多量に持っていなければ作家であることが成りたち

がたいとも思っている。」


 これは、実によく理解できる。言葉を変えれば「想像力」といってもいい。

とかく、作家の代表作は20代30代が多い。無論、谷崎とか野上弥生子といった例

外もあるが大方は世故の現実に歳とともにこの想像力は敗北していく。作家が晩年に

なれば「歴史」に題材を求めていくようになるのもその事例といえなくはない。


 「歴史の交差路にて」司馬遼太郎・陳舜臣・金達寿 著 講談社文庫1991年刊。

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