オランダ坂から

はかなさは花月の門につるしたる金燈籠の灯より来るらし 勇

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VIKING 87号 1957年10月15日発行 定価70円 満10年記念号

発行所 神戸市生田区元町二丁目七四 清島屋
VIKING club 
発行人 坂本 真三 編集人 富士正晴 茨城市安威天王

杉浦明平は、「満10年VIKINGへのメッセージ」を寄せている。

この雑誌は、戦後の関西を代表する同人雑誌である。富士正晴が中心となり島尾敏男、

林富士馬などが参集し多くの作家が育っていった。

 杉浦と富士は、同じ大正2年生まれであるが初対面がいつであったかは杉浦の刊行

されている本には記載はない。

 いあわゆる「文壇」に興味、関心もなかった杉浦の交遊関係は、旧制一高・帝大時代

からの友人とそこから派生した人とアララギ関係、各種社会的運動で知りえた友人とに分

けられるが富士の義弟である野間宏とは昭和21年田園調布の瓜生忠夫の家で会っている。

戦後の一時期は、上京するたびに野間の家を襲い野間が不在でも上げてもらい寝込んでメ

ガネのありかを探す醜態を書いている。富士も大阪茨木の居住であり、行動範囲の広い作

家ではない。対談したり、富士の全集に寄稿したりしているので身近な存在の作家で

あるのは間違いない。富士の深夜の電話魔は有名で司馬遼太郎も触れているが同じ夜型の

作家の杉浦もこの電話のことは書いている。未だ刊行されていない「杉浦日記」でも

読めば初対面がいつか解るはずだ。

 

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