オランダ坂から

はかなさは花月の門につるしたる金燈籠の灯より来るらし 勇

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加島祥造の詩

  



          時を惜しめと



     時を惜しめと人は言う

     ああ 違うのだ

     われらを惜しむのだ

     時は過ぎゆくと人は言う

     ああ 違うのだ

     われらが過ぎゆくのだ

 一昔まえまで、秋になると佐藤春夫のこの歌を引用して秋の到来を告げるアナウンサー

などが多かった。秋=秋刀魚、「さんま、さんま」という単純な図式によるがこの詩を読んだ人は

お解りだがこの詩は「さんまの歌」ではない。中身は、「人妻を恋する詩」である。
 
その人妻は、谷崎潤一郎の妻「千代」であった。谷崎と年下の佐藤とは友人である。谷崎は、この千代の

姉(お艶殺し・お才と巳之介のモデル)お初(芸者)に結婚を申し込み断られるが妹の千代を紹介され

結婚をする。しかし谷崎は千代を「従順なだけの家畜みたいなもの」と評し、自分の好みは「家畜

より猛獣が好きだ」といって千代の妹・おせい(痴人の愛・ナオミのモデル)と交際し深い仲となる。

谷崎の家に出入りしていた佐藤春夫は谷崎に見捨てられた千代に恋いをする。

 まだ谷崎の妻である千代への思いを詩にしたのがこの「秋刀魚の歌」でこの詩は長詩である。


     あはれ

     秋かぜよ

     情(こころ)あらば伝へてよ        で始まる。


 この時に佐藤春夫も別な女性と結婚していた。春夫も逃げても逃げても追いかけて来るこの妻に

閉口していた。

その後も色々あったが佐藤と千代は谷崎の公認のもとに結婚をする。友人に配った連名の挨拶状が

新聞にスクープされこれも大きな話題となった。

小島政二郎と立原正秋

 この両名は、食通でも有名であった。

小島は、「食」については大いに書き何冊か本を出している。その代表が「おいしん坊」「味見手帖」で

あろう。

ただ甘党であった。そのために長正殿、両口屋などのお菓子にも執筆の幅を広げているが

それを大酒飲みで自分でも出刃包丁を持った立原が一刀両断にしている。

「・・小島政二郎氏が、相模湾で食べられるのは鰯だけで、あとはまずくなった、というようなことを

書いてあるのを読んだことがあるが、酒ものまずに肴を語るのは、これはもうはっきりインチキで

、あの老人が食いものについて、書いたものを読んだことがあるが、どうもこれは味覚の発達して

いない人だな、という気がしてならない」−魚と酒ー

 この二人を比較するのは、無理がある。小島みたいに出来合いの物を食べて文にするのと立原は

料理屋も一目おく腕があり舌があった。横綱と十両くらいの差が有ると言える。私は、たしか「味見手帖

」であったと思うがあれほど餡のことを執拗に書く男とはつきあいたくないと思ったことはたしかだ。

啄木の歌と人生

 啄木は、明治45年27歳で死んでいる。

少年期の一時期を除けばその生涯は貧窮の内にあった。「働けど働けど・・・」という有名な歌

があるから啄木が懸命に働いたと思われるがその素振りはあまりない。借金・借金の生活である。

新婚の金田一京助に金を借りに行き、その金で吉原へ遊女を買いに行っている。

私は、啄木の歌の中で

   かにかくに渋民村は恋しかり

   思いでの山

   思いでの川

を真っ先に思いだす。この歌に啄木の人生が凝縮されているからである。

開高 健

 開高は、色紙を求められると次の文をよく書いた。


  「明日地球が滅びるとも君は今日林檎の木を植える」

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