オランダ坂から

はかなさは花月の門につるしたる金燈籠の灯より来るらし 勇

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 宮本常一氏の「忘れられた日本人」を読む。

この本を読むとつくづく歴史は一様ではなく庶民の歴史はほとんど語れることなく埋もれてしまう

ものだと思う。宮本氏の一連の著作は「歴史学者」の盲点を補完するものであり、とかく歴史は支配者

の歴史となりがちである。昭和25年前後、宮本氏は各地を歩きそこの古老に話しを聞いている。

農・漁民の生活は苛酷であるもその中で娯楽をみつけ風習・因習・伝統にしばられながらしたたかに

生きている。愛知の山の集落は「庄屋」を交代でやり、他村から「口へらし」で連れてこられた

子供を我が子のように育ている。集落の子供が行方不明となれば誰に指示されるまでもなく各人が

役割分担で探索に駆け回っている。

 この方の労作のお陰で大正期までの各地の庶民の習俗が解るもことはありがたいことであり

貴重な書となっている。


  宮本常一 著「忘れられた日本人」岩波文庫

フランス革命

 河野健二氏の名著「フランス革命」を読んでいる。

この革命は、世界に激震を起し、アメリカを独立させ、その波は日本に明治維新を起した。

この維新の定義づけでその後、長い資本主義論争が興ったが、この本にある中立派の僧侶の発言

「諸王が精神界にあることは、怪物が物質界にいるのとおなじである。宮廷は犯罪の工場であり、

腐敗のすみかであり、暴君の巣窟である。諸王の歴史は、諸国民の受難の名簿である」

 この発言に匹敵する発言は小御所会議にも幕末の各種資料にもない。

江戸幕府の巧緻な「士・農・工・商」という身分制度は、明治になっても「華族・士族・平民」と

変化しただけであり王が将軍から天皇に代わっただけである。この発言の有無で明治維新の定義付けが

できる。「市民」は、明治維新にはどこにも存在していない。

フランス革命の質に追いついたのは司馬氏の言う通り1945年8月15日の敗戦後のことであろう。

魯山人味道について

 この本は、魯山人のエッセンスを弟子の平野雅章がまとめたものである。昭和49年1000部の限定本

として出され私の使用している本は文庫本である。格段、奇抜なことが書いてある訳ではない。少し

ひねりすぎるところがあるがそれも魯山人らしくていいと思って読めばいい。気になるところを

メモして置きたい。

 「料理と食器は車の両輪のごとき因縁をもってともに発達し、共に退歩しているものと見ている。

この意味からいうと中国の料理は明代が最高潮を呈していたであろうことが想像できる。・・中国歴史中

、一番食器に適した赤絵、染付け、金襴手、青磁など、後年の作家にはつくり得ざる名陶器(食器)

が盛んに制作されているからである。」

「藤村文集」から

 「藤村詩集」は、有名だがこの文集はあまり知られていない。

大正5年に春陽堂から刊行されている。次の文は、その一節です。


  ・・・われは春の花なり、うるはしき恋なり。年若き男よ、うるはしき乙女よ、われは

  空の星なり、萌え出づる草なり。われは流れ行く水のほとりに来り、青き草の岸の上にすわりて

  汝を思ふて涙ながしぬ。われは行衛定めぬ蝶なり、花の露なり。われは汝を見ざるが為に花の

  影に行きて苦しき嘆息を漏らす、されど汝を見るときは涙零つることいよいよ甚だし。

  嗚呼年若き男よ、うるはしき乙女よ、汝の涙をかくすなかれ。われをして汝の心を指さしめよ。

  汝なんぞ独り考ふるや、汝なんぞ独り悲むや。汝が途は遠し、汝が心は労れたり。

  汝は再び恋せじと言ふや。汝はわれを恨めりや。汝はわれを捨てんと思へりや。げにわれは

  歌を作りて、夕べの星に向ひて汝を思ふ。


  私の持っているこの本には「桂月」という誠に古雅な角印が押されている。

  大町桂月の蔵書印ではないかと密かに思っている。

オークション

 どなたかがオークションへ戦前から戦後の古雑誌を約200冊出品している。

それも全て100円スタートである。何冊かは3000円近くの値をつけている。私も「世界・昭和22年」

「人間・昭和22年」を入手した。他2冊は、競い負けをした。

「古雑誌」は、県立、大学図書館クラスだと蔵書は限られてくる。調べ物をするのにこの「古雑誌」は

難点である。先見の明があったのは、大宅荘一である。「大宅文庫」は、雑誌の図書館である。今は

娘の大宅映子が館長をしている。ジャーナリストでここを知らない人はいない。それほど貴重な

図書館である。

 地方にいて、この古雑誌を調べようと思うと壁・壁にぶつかる。

それほど「無い」のである。たまに売りに出ても高い。

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