オランダ坂から

はかなさは花月の門につるしたる金燈籠の灯より来るらし 勇

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ジャック ヒギンズ

 「死にゆく者への祈り」早川文庫から


 「忘れたかね、ミスター・ミーアン、キリストは金貸したちを教会からおいだされた

  主のために寄付せよとは金貸しにはいわれなかった」・・・ダコスタ神父。

入江相政氏の本から

 時々、歩きながらでも思い出して笑ってしまうことがある。

入江相政氏は、先帝陛下の侍従として陛下の側には必ずそのお姿があった。お顔は、いかにも

お公家顔の典型のような上品な顔立ちである。この方の家は、江戸期に冷泉家から分家し維新の

時に天皇とともに上京した家である。冷泉家が藤原の北家か南家から分家しているので公家の本筋

の家柄となる。

 入江氏は在職中からペンを持ち何冊かの洒脱なエッセイを遺している。幅広い交友関係とともに

城の中のことが窺い知れて私も愛読者の1人である。その中の1冊に珍妙な事柄、日本の歴史上

初めてではないかと思うようなことが書かれている。陛下は、夏の一時期を那須の御用邸で過ごす

のが恒例であった。その折には、お供の者と近在の植物観察にお出かけになった。陛下の私的なお楽しみ

のお時間でもある。先帝陛下のご専門の研究テーマは相模湾の「ヒドロゾア」が有名であり御著書も多い

。植物も大変お詳しく並の知識ではお相手できるものではない。

 そんなある日、数人のお供の者と植物に誘われて農家の庭先に入られてしまった。

外の物音にたぶん昼寝でもしていたであろう農家の主が「おうー」と出てきた。

主は多分、近所の者でも来たのだろうと思ったのかフンドシ1丁の姿であった。

外に出てみたら天皇陛下が立っていた。主は「あう・・あう・・」と声にならない声を出し

体を震えて立っていた。

 私は、この光景を時々思いだしている。農家の主にとっては、庭に出てみたら陛下がいたなんて

ことは想像を絶することであり、陛下にとってもよもや、フンドシ1丁で主が現れるとは想像の

範囲ではないだろう。これは歴史的な事実である。

20年探した本

 「パリは燃えているか?」早川書房・上・下巻。D・ラピエール・L・コリンズ共著。

貧乏学生だったから何度か古本を売却している。実家から持ち出した鏡花、夢路、などの本も売った。当

時、換金性のある物は、本くらいしか持っていなかった。「女房質に入れても本は売るな」と思うが当時

は女房もいない。その後、この本をもう一度読みたくなって探したがない。旅先の古本屋、古書店、催

事、通販目録にもない。神田の古本屋に依頼すれば見つかったであろうが自分で売った物は自分で見つけ

たかった。

 この本は、同名の映画になった原作本である。ロバート・キャパの写真が使用されていた。

パリ解放のドキメンタリーな実録本である。本の題名になった言葉は、ヒットラーの有名な言葉をその

まま使用している。ヒットラーは、パリ占領軍総司令官フォン・コルテイッツ将軍にパリを焦土にして

撤退を命ずる。その確認の電話の言葉である。「フォン・コルテッツ!パリは燃えているか?」

 映画は、日本で同本が発売された同じ年に公開されている。この映画は見た方がたくさんおられると

思うがこれが又凄いメンバーである。監督ルネ・クレマン 脚本フランシス・コッポラ。出演、カーク・

ダクラス、イブ・モンタン、JP・ベルモンド、アラン・ドロン、ブルーノ・クリマー、オーソン・ウェル

ズ、シャルル・オワイエ 音楽はモールス・ジャール。

 札幌にいた時に休みごとに古本屋めぐりを楽しみにしていた。札幌は、北大がある関係で古本屋も

多い。弘文堂という全国区な店もある。いつもは北大前にある古本屋を回るのが定期のコースだった

がその日は郊外に出た。北天堂書店へ初めて入った。棚を一巡する。そこに見覚えのある装丁が眼に

飛び込んで来た。下巻は、キャパの写したドゴール将軍の写真が表紙に使われている。この本は、

ボクが手放した状態のままであった。まるで同じ本が20年して手元に来た感じであった。初版、帯び付き

である。試しに業界のNET書店で見てみたがボクのもっている同じ状態の本は数冊しか売りに出ていない

。今は、大事な本だけ収容しているガラスケースの書架に並んでいる。

花森 安治

 これが、札幌なのか。

 これが、かって新しい町づくりの夢をたくした札幌なのか

 理想という言葉は、色あせ、汚れ、たれもかえりみなくなった。理想なき

 人間が、したり顔で国つくりをいい、人つくりを説いている。・・・・

 札幌よ

 その鉛いろの空とビルの上に

 いま一たび、新しき旗をかかげ

 りんれつとした寒風に鳴らしめよ。

 札幌よ

 いま一たび、ここにかがやかしき星をかかげ

 りょうりょうと北風に歌わしめよ。

 老人すでに黙すとあらば、

 若き者たて

 男子すでに志を失うとあらば

 女子立て。

 立って、日本にただひとつ、

 ここに、理想の町つくりがはじまると

 世界に告げよ

 boys and girls

 be anbitious!

 これは、花森安治が昭和39年2月暮らしの手帳に書いた「札幌」と
 題した文の最終行である。「一銭五厘の旗」所収。

山下 武氏逝去

 山下 武氏が亡くなられた。83歳であった。

作家、文学研究、芝工大講師、詩人。この方は、あの落語家、柳家金五楼の

のご子息であり、ロカビリー歌手、山下敬二郎氏は異母弟になる。作家としての代表作は「幽霊たちは

実在を夢見る」であるが、売れた本ではなくわが道をいくという孤高の人でもある。

私が愛読したのは、「古書のある風景」「古書発掘」などの一連の古書シリーズであった。

豊富な知識からのエッセイは読みものとしても面白く楽しませてもらった。古本屋には辛口批評で有名

であり業界には悪くいう人もいたというが私はこの業界の「いい加減な買取値段」の実情は、山下氏

の指摘が当然であり、その結果がブック・オフの興隆の源となっている。東京郊外のある古本屋の

オヤジは自分の著書の中で「私の値づけに異論をいう人からは買わない」という暴論を吐いている。

こういう輩が大きな顔で商売できる閉鎖性を指摘した人物とも云える。いずれにしても20円で客から

買った本をその100倍、2000円の値札を貼り客に売りつける業界もあまりないのではないか?私

は、本の売却はNETオークションを進める。決して古本屋には売却するなといいたい。

 それにしても、山下氏の収集した膨大な本はどこへ行くのであろうか?図書館へ行くよりマーケット

に流れる方が故人の意志にあっている。ご冥福をお祈りします。

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