幸福点の花束

新鮮、もう一度読みたい作品つくりを目指します。

(短歌風)・掌編小説

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わたしが小学校1年生に入学したばかりの春でした。
おかあさんは小学一年生になったばかりのわたしと弟をハイキングに連れていってくれました。
近くの県立森林公園でした。

小道を幾曲がりして公園を散策しまた。
森林公園は芽吹いたばかりの若葉の森でした。
おかあさんは弟の手をしっかり握って坂の小道を登りだしました。

坂を登る足取りは息苦しそうでした。
「おかあさん、ぜいぜい言って苦しいの・・」
「すこしだけね。でも大丈夫よ、美奈ちゃん」
「おかあさん、広志ちゃんだってぜいぜいしないよ」
「そうね・・、広志ちゃん、偉いね」
小道に覆い被さった木木の上から木漏れ日が綺麗でした。

坂を登りつくとそこは小高い丘でした。
丘には黄緑の芝が絨毯のように生えていました。
「美奈ちゃん、広志ちゃん、この丘の一番高いところでお昼の弁当をたべようね」
おかあさんを中心に右の弟の広志、そして左にわたしが芝に座りました。
巻寿司、いなり寿司、サンドイッチは母の手作り弁当でした。

「美奈ちゃん、広志ちゃん、ああ、すぐ下に綺麗に花水木が咲いているね」
わたし達の座ったすぐ丘の下に白い花水木とピンクの花水木が咲いていました。
「白いお花、ピンクのお花、並んで咲いている」
わたしは思わず言っていました。

「美奈ちゃん、広志ちゃん、花水木の花をよく見て・・。どの花びらのお空を向いて咲いているでしょう」
「本当だ、お母さん。白い花、ピンクの花。みんな空を見て咲いている。お母さんってすごいね」
こう弟が言った。

「美奈ちゃん、広志ちゃん、お母さんがもし、いなくなっても上を向いて暮らすのよ。どんなときも上を向いて歩くのよ」
「お母さん、いなくなるってどこかに行くの・・」

「いいえ、どこにも行かないけれど、もし・・」

あわってて口こもるたおかあさんの目に涙がうっすらと光っていました。





あれから2年が経ちました。
わたしは小学3年生になりました。
弟の広志は小学1年生に入学したばかりです。

わたしと広志は5月5日の子供の日に森林公園にきました。

2年前と同じく晴れています。

やはり丘には黄緑の若い芝が絨毯のように今年も生えています。

おかあさんを中心に右に広志君、左にわたしが若草の上に座りました。

でも、もうお母さんはもう、いません。
おかあさんの代わりに小さな遺影を中心に置きました。

おかあさんはあのハイキングの日から暫らくして死んでしまいました。
乳癌の進行が早く腫痬は肺まで転移していました。
おかあさんが31歳になったばかりの日でした。

こんど、お父さんに新しいお嫁さんがくるのです。
わたしたちの新しいお母さんです。


晴れた丘の下には、
あの日と同じに
花水木の4枚の花びらはみなお空を向いて咲いています。

「広志君、あの花水木の花、みんなお空を向いて咲いているね」


   (完)

僕は終電を乗り継いで自宅の最寄駅に下車した。
都心から離れた深夜の最寄駅にはもう自宅までの交通機関がない。
バスは勿論、タクシーさえない。

僕は自宅まで歩いて帰えろうと決めた。
3〜4kmであるからさほどの距離ではない。

小さな商店街を過ぎたころに漆黒の空から雨が降ってきた。
梅雨の終わりの時期である、さほど降りはしないだろう。

僕は三叉路にかかったとき近道を選んだ。
雨が降っているので急ぎたい。
森林公園を横断すれば30分は早く自宅に着くだろう。


公園に僕は入りこんだ。
森林公園はところどころに外灯があるだけで漆黒の闇であった。
雨がだんだん強くなった。
頭の上から叩きつけるように降ってきた。
傘など持っていない。
土砂降りになった。
雨が顔を襲ってくる。
よく前が見えない。
下着まで雨に濡れだした。
雨脚は増すばかりだ。

僕は濡れ鼠になりながら外灯のあるベンチに目がいった。

ベンチのそばの道路になにやら白いものが落ちている。
得体の知れない物体に見える。

近寄ると!!
「ああ、人だ!!。若い女だ。!!」
仰向けに股を大きく開き道路に落ちている。
若い女の顔はナトリウム灯に青白く濡れている。
白い上着、白いスカートを穿いている。


僕は恐る恐る声をかけた。

「お嬢さん、どうなさったのですか。」

「・・・」

(死んでいるのかな?)

 死んでいるようだ。

雨脚が強まった。
まるで瀧だ。

女から少し離れたとことに白い犬が死んでいる。
(犬と散歩?中に、殺(や)れた?)

僕は露わになった女の太ももが気になった。

(強姦され?、て、やらてた?)

僕は女が強姦されたならば、パンティーを穿いていないだろう。と、推測した。
びしょびしょに濡れたスカートの裾を摘んでたくしあげた。
太ももの奥に微かに黒い部分が覗いた、そのときである。

今まで寝ていた女が静かに上半身を起こしたのだ。
目を瞑ったまま、青白い顔、乱れに乱れた髪の毛。
無言のまま上半身を起こしたのだ。

半身を起こした。


僕はとっさに駆け出した。
闇雲に濡れ鼠になって駆け出した。
身体の震えが止まらない。
心臓が恐怖で脈動している。

雨が上から横から下から叩きつける

だた、豪雨の森を濡れ鼠になって疾走した。


記憶はここまである。
あの夜のことはこれ以上、まったく記憶がない。
ぷっつりと記憶が無い。


5年が過ぎて初めてこのブログに僕は書く気になった。


   (完)

小説を書きますと矢鱈エネルギーを費やします。

しっかり書こうとすれば最低の基礎工事をしなければなりません。

僕の場合は簡単に5W1Hをメモに書いてみます。

 いつ 、 どこで 、 だれが 、 なにを 、 なぜ  、 どのように

以前書いて書いていたエッセーの習慣が残っているせいでしょう。


短歌を詠むときはこんな5W1Hなどまったく頭にありません。
感動をまず優先して歌を詠んでゆきます。

短歌の手法で小説を書いたら面白だろうと思いついたのです。
もし短歌的に書くと5W1Hの幾つかが抜け落ちるでしょう。

絶対落ちないのは「だれが」でしょうか。
短歌は「われ」と書いて無くとも主人公は作者自身なのですから。

こんなのを(短歌風)・掌編小説を名づけてみました。

これなら気楽に掌編を書けそうです。

近々、第一作を試作してみようと思います。

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