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日曜日の朝、私はこの日スクールの先生、生徒さん達と一緒に、
ボーリングに行くことになっていた。
『皆には悪いけど、ボーリングしても全然楽しめる気分やないけど!』
とは思いながら、皆で企画し、私も賛同した上で、私から積極的に
メンバーを募ったのだから、行かない訳にはいかなかった。
10時にスクールの入っているビルの前に集合であった。
私は、責任者及び主催者である為、9時半にはそのビルに到着していた。
5分ほどして、先生の一人であるスティーブがやってきた。
「Good morning, Steve. How's it going?」
「Pretty good! Are you OK, Mr. K? You look sad!」
私は一人で待っている間も、知寿子の事が心配で気になって、
そんな表情が彼に映ったのかもしれない。私は、思わず仕事モードに
切り替えた。
「Really? I couldn't be better!」
私はこれ以上ないほど元気であると、空元気を見せた。
スクールの先生6人と、生徒さん15名ほどで楽しくボーリングを
し、そして昼間から大盛り上がりの宴会となった。
そして、宴会の席では、生徒さんの一人である前川信子さんが
ずっと私の隣に座っていた。
「河野さん、ボーリング上手なんですね!?」
「有難うございます。中学の時は2日に1回くらいのペースで
行ってたし、それに大学の時ボーリング場でバイトしてて、そこで
専属の人に教わったりもしたんで。だから普通ですよ!」
「男の人はやっぱりスポーツできるとかっこいいですよね!」
「でも、逆に女性はできなくっても、かわいいって思われるから
いいじゃないですか!特に、前川さんなんか、何もしなくっても
かわいいってモテモテでしょ?」
「河野さんって、ほんまに口上手いですよね!」
「自慢じゃないですけど、私正直なんで、心にも思ってへん事をいうと、
ジミー大西みたいに体じゅう掻き毟らなあかんようになりますんで(笑)!」
「それは、じゃぁ、どうも有難うです。今度私にもボーリング教えて
くれません?」
「又、じゃぁ皆で行きましょう。その時お教えさせてもらいますんで。」
「他の人に見られると恥ずかしいから、河野さんと二人で行きたいんですけど!」
「それは、まずいですよ!私たちは基本的に生徒さんと個人的に遊びにいったりとか、
おつきあいとかしたらあきませんので。」
「でも、スティーブとか慶子と付き合ってるし、他の先生も!」
「あいつらは、言ってもきけへんから、いいんです!ただ、問題は絶対起こさない
様に私からもきつく言ってます!」
「そうなんや!でも、また考えといてくださいね!?」
「分かりました。」
私は、既に生徒さんである知寿子と交際しているにもかかわらず、
会社のポリシーを並び立て、建前で彼女に告げた。
しかし、この彼女とも後で少し問題になったのだが。。。
宴会も無事終わり、私は自分の部屋に戻った。
時計を見ると、7時前だった。
『えらい昼から長いこと、ほんで又ようけ飲んだなぁ!』
と思いながら、少し眠気が襲ってきた。
その時、私の眠気を覚ますべく電話が鳴った。
「もしもし、こうちゃん。(ダークなテンション)」
知寿子からであった。
私は彼女の話すトーン、テンションから、ただならぬ
気配、嫌な予感がした。
そして、運命の時が近づいていた。
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