|
第2話 「すごい!?」
私は昨年のような失敗は2度と繰り返さないようにと、
この日は朝から自分がパンツを履いていることを
しっかりと確認をして学校へと向かった。
この日は小学校最後の6年生の身体測定の
日であった。
朝集団登校で、他の近所の子供たちが集まるのを
待ちながら、この2年間をもう一度振り返っていた。
『去年の身体測定はパンツ履いていくん忘れたし』
『おととしはおととしで、「黄パン」ってあだ名つけられ
たし』
昨年は前にもお伝えしたと思いますが、実はおととしは
間違いなくパンツは履いていたのですが、パンツそのものに
問題が発生したのでした。
保健室で体重測定を控えて、皆ズボンを脱ぎ終わっている中
私一人だけ終えていなかったのを当時担任だった泉先生が見つけて、
「河野君、早く脱いで準備しなさい。ほんとに、いつも最後まで
遊んでるんだから」
私は先生の最後の一言は余計じゃないかと思わず抗議をしたかったが、
どうも受け入れてくれる気配ではなかったようだと思い、しかたなく
先生の指示に従い、ズボンをさげパンツを披露した瞬間だった。
「河野、お前パンツにフリルついてんぞー」
「河野、お前パンツ黄色のふりふりやんけ」
そうだったのです。
この日私が皆の前で披露したのは、間違えて履いてきた姉のパンツ
だったのです。
もっと正確に申し上げるならば、姉が昔履いていたパンツを
私はよくオネショをするという事で、光栄にもそのパンツを
『おさがり』として姉から譲り受け、履かされていたのです。
こんな大変スマイリーでラブリーな身体測定が2年も続いていた
ので、今年こそは絶対失敗しないようにと、準備、確認に
余念がなかったのです。
そして、集団登校を待ちながら、仁王立ちをしたくなるくらい
完璧であると自信をもち、身体測定に臨みました。
身体測定は、何の失態、問題もなく順調にすすんでおり、
残すは最後の座高測定だけとなりました。
しかし、ここで思わぬ事態が起こってしまいました。
先生が余計なおべんちゃらを、しかも大きな声で!!!
私は、座高を測ってもらうべく、その計測器へと
腰をかけました。
測定してくれたのは、担任の田中先生でした。
「次、河野か。今年は何事もなくってよかったなぁ」
「いやぁ、ちょっとした実力ですよ」
先生といかにも師弟愛の通い合った会話を交わしていると、
「河野は。。。?」
「どうしたんですか、先生?」
「河野は、えっ?」
「先生、何びっくりしてはるんですか」
「(馬鹿でっかい大声で)河野、お前80センチ!」
「うそでしょ、先生」
「(引き続き大声で)河野すごいな!お前クラスで3番目の座高や!」
担任の田中先生が、驚くのも無理はなかった。
なぜなら、当時私の身長は135センチで勿論クラスで一番の
おちびちゃんだったのだから!
そして、先生が大声で私を賞賛していただいたおかげで、
新たに「ザコー」というあだ名を獲得できたのだった。
|