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FATE 最終話 「運命は変えられる」
「男咲さん、この前は勝手に私の方から『別れて!』なんて
いって本当にごめんね」
「とんでもない。洋子がそう言うのは当然だったんだし。
それに、洋子に別れを切り出されたお陰でというか、
自分がいい加減なだめな人間になっていた事も分かったし。
それに何よりも自分は又強い人間に戻って、洋子が幸せに
なるように守ってあげないといけないという事を学ばせて
もらったんだから」
江崎男咲は心の底から今言ったように、洋子には多大なる
感謝をしていた。そして、それ以上に自分がかつてのチャン
ピオンだった頃のように、強い人間として生まれ変わるべく
決意をしたのだった。
「男咲さん、有難う。本当に男咲さんがそう思ってくれて
いるんなら。だって…だって、私は自分から別れを切り出し
たせいで、本当に男咲さんを失うかもって思ったから。。。」
蝶野洋子はこらえきれず、涙が溢れ出してきた。
「でも、男咲さん。私が別れを切り出したのは、決して男咲さん
と別れてもいいって思ったからじゃないの」
「じゃぁ、どうしてそんな事を言ったんだい?」
「それは…それはねぇ、実は私時々なんだけど、未来が見えるの」
「えっ?どういう事?」
「今から3年ほど前。丁度男咲さんと出会う前なんだけど。その時
から時々夢に未来の事が出てきて、私に教えてくれるの」
「それって予知夢みたいなものか?」
「そんな感じかなぁ?とにかく、去年の終わりに夢に男咲さんが
別の女性と楽しく一緒に暮らしている映像が夢に出てきたの。
つまり、その時点では私が何か変えない限り、そうなる運命だって
事だと教えてくれたの」
「それで、洋子は俺に別れを告げたと?」
「そうなの。それで男咲さんにも自分には私なのかそれともその女性
なのか。どちらが男咲さんにふさわしいのか考えて欲しかったし。
それに何よりも強い男咲さんに戻って欲しかったの。そして私自身も
自分を振り返って、男咲さんにとって自分が至らなかった所を反省
したの。そして、私はもっと素直に男咲さんに甘えたり、優しく
してあげないといけないって思ったの。それと、やっぱり離れて
暮らすなんて事は無理って思えたの。だから、私仕事を辞めて男咲
さんの傍にずっといるって決めたの」
「そ、そうだったのか!洋子、本当に有難う。俺の運命を正しい
レールに導いてくれて何て言ったらいいのか。。。
俺は、今からこのレールから決して脱線する事なく、いつまでも
洋子を俺の愛情のいっぱい詰まった列車で目的地まで送り届けるから」
「目的地って?」
「この世の果てまでさ。そして洋子が俺という列車に乗って良かったと
思えるように、事故ひとつない安全な旅を二人で楽しく送ろうな!」
蝶野洋子は自分の運命、そして江崎男咲の運命までも変える事ができた。
それも二人にとって、より良き方向へと。
あの蝶野洋子が見た予知夢のお陰で。
運命は宿命ではない。自分の意思で行動で必ずやより良き方向へと
変えられるものだから。。。
二人はずっとそう信じていた。
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