「ゲド戦記」

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ゲドの言葉

書きかけ・・後で修正します。

「あそこは何の楽しみもないところだ。」

大賢人はゲドに言った。ゲドを正式の魔法使いと認めた日のことだった。

「富も名声も、いや冒険さえも、期待できぬ所だ。それでも行ってくれるか?」

「参ります」

ゲドは答えた。言われたからではなかった。以前には考えられないことだが、ローク山のあのできごと以来、ゲドは名声とか見てくれのよさには嫌悪を抱くようになっていた。

「影との戦い」P123より


「ただ生きたいと思うだけでなくて、さらにその上に別の力、たとえば、限りない富とか、絶対の安全とか、不死とか、そういうものを求めるようになったら、その時、人間の願望は欲望に変わるのだ。そして、もしも知識がその欲望と手を結んだら、その時こそ、邪なるものが立ちあがる。そうなると、この世の均衡はゆるぎ、破滅へと大きく傾いていくのだよ。」

「さいはての島へ」P65−66より

「ゲド戦記」は戦記と名づけられてますが、そこには華々しい戦いなどあまり出てきません。
むしろ、ゲドは「何もしないこと」が一番いいことだと言ってます。
力では問題は解決しないということを常に言っているようです。

中沢新一氏“『ゲド戦記『』の愉しみ方”より抜粋
パリで5月革命が起こったとき、若者たちは文化人類学者のレヴィ=ストロースを担ぎ出そうとしました。彼はブラジルのインディオを調査し、未開文明の価値を評価して白人文明と相対化しようとした人ですから、若者たちは当然、レヴィ=ストロースが自分たちのやってることに賛成してくれるものだと、思っていたのです。ところが、レヴィ=ストロースはこう答えました。
「私は反対です。あなた方がやっていることはまちがってます」
「あなた方は街路樹を切って、バリケードをつくってますが、あの木には命があり、心があるということを知らないのですか。そんな運動は、いくら何をやっても生まれないでしょう」
 植物にも命があり、心があり、それらを人間と同じように大切に考えて行動するところまで行かなければ、本当の意味での文明の転換などはできないなどということを、彼は言いたかったのです。
が、当時の若者はそのことを理解できませんでした。悲しいことにレヴィ=ストロースは「反動分子」というレッテルを貼られてしまうのですが、私は、彼のいっているほうが絶対に正しいと思ってました。
〜中省略
表面的な政治行動よりも、街路樹に魂があると考え、そういう思いで街を歩き、人間関係をつくり直していったときに、はじめて文明の転換が起こると考えたレヴィ=ストロースの方が正しい。
そういう意味でル・グウィンも、正しい道を選んだ人だと思います。


なんとなくこれからの時代の生き方のヒントが隠されているような気がします。
第1巻「影のとの戦い」に登場するのが“オタク”という小動物がいます。
本名は“ヘグ”。
通り名は“オタク”

「ゲド戦記」では本名を明かすということは大変なこと。
だから映画の中でも“ゲド”という名前はほとんど出てきませんでしたね。
通り名“ハイタカ”でした。

ちなみに、「ゲド戦記」では名のないものはありません。
どんな小さな動物、植物に至るまで、真(まこと)の名前があります。

“オタク”のこと
79Pより抜粋〜
マントのひだの間に、いつの間にか小さな動物がもぐりこんで、まるくなって眠っている。
ゲドは目を見張った。めずらしいオタクとい動物だった。〜

“オタク”は四つの島にしか見られない動物で、からだが小さいわりには横に広い顔と鋭く光る大きな目を持ち、全身はこげ茶かぶちの光沢のある毛でおおわれている。鋭いきばがあって、獰猛だから人間のペットになることはめったにない。

ゲドは太古のことばで、真の名を口にした。
「ヘグ、おれについてくるか?」
オタクはゲドの手のひらにすわって、からだの毛をなめはじめた。

いつも一緒だったオタクは、
黄泉の国に魂だけいったゲドの体をなめて命を救ったこともあります。

でも、いなくなってしまいます。
「ヘグ・・・ヘグ・・。」
彼を死の世界から引きもどしてくれた、あの、獰猛だが、主人に忠実な、小さな、ものも言えない動物もまたいなくなっていた。
〜ゲドは無駄だと知りつつ、それでもいま一度かわいがっていた動物の名前を呼んだ。
ゲドの目に涙が光った。〜(168P)

なんとなくナウシカのテトと重なってきますよね。^^

1巻しか登場しないのが残念でした。

ペットといえば、第5巻「アースシーの風」で猫が出てきます。
ハンノキという登場人物が毎夜悪夢に悩まされ、ゲドはハンノキに対して一匹の子猫を飼うようにススメます。
その体に触れていれば、眠っても恐怖の夢を見ないでいられました。

ゲド戦記

TVで放映された『ゲド戦記』を観ました。

アレンが父親殺しのシーンがありますが、それは原作にはありませんでした。

原作では、アレンは父親から世界の均衡が崩れている原因を探ってこい、と使われてゲドの元へ行くのでした。

ベースになっている第三巻「さいはての島へ」は、邪悪なもの正体をつきつめようと
商人と甥にその姿を変え、”はてみ丸”に乗ってホートタウンへ向かうのです。

アレンの悩みは、誰もがエンラッド王の息子としか見てくれないこと。

まるで吾朗さん=アレンの姿にだぶって見えてくるようでした。

そこで父親殺しをして、まずは父親の影を無くしてしまったのかな(笑)と。

原作では、海での航海の間、二人はいろいろ話をしたりします。

ゲドはアレンの前でほとんど魔法は使わない。

なぜ使わないのかということを、ゲドはアレンに説きます。

クモはゲドが以前黄泉の国へ連れていって、二度と死者を呼び出さないように誓わせた魔法使いでした。

クモが生死の扉を開けていたのですが、ゲドは持てる力のすべてを注ぎ込んで扉を閉めるのでした。

とりあえず、ここまで(細切れアップですみません)

イメージ 1

続きです。^^

いよいよ、今夜『ゲド戦記』ですね〜。

ゲドは褐色の肌です。
白人ではありません。

中沢新一氏によるとギリシャ文明もエジプト文明も、黒や褐色の肌をした人々がつくったものだということです。
ハリウッドでクレオパトラが映画化されると、演じるのは白人ですが、本当のクレオパトラは黒人でした。
エジプトのファラオたちも、褐色の肌を持つ黒人でした。

とのことです。

『ゲド戦記』の特徴にこの肌の色が随分関係しています。

舞台はアースシーという多島海。
たくさんの島々からなっている世界です。

以下中沢新一氏の『ゲド戦記の愉しみ方』より抜粋

〜ここは、たくさんの島が海に浮かぶ世界、つまりは揺れ動く水が支配している世界です。
〜島ごとに多少なりとも安定した世界がつくられていて、海に隔たれているため、おのおのが閉鎖された世界でもあります。そのことによって生じるディスコミュニケーションのために、戦争が起こる可能性もはらんでいます。こういた揺れ動く多島海世界を舞台にしなくては、この物語は成立しないと彼女は考えたのです〜

〜おそらく彼女は、物語世界の時間軸を、古代ギリシャの時代においているのでしょう。

つづく

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