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2015年7月11日05時00分 @朝日新聞デジタル

性犯罪「告訴を不要に」 厳罰化求める意見も 有識者会議案

 性犯罪の厳罰化について話し合ってきた国の有識者会議は10日、これまでの議論の報告書案をまとめた。強姦(ごうかん)罪の法定刑の下限を引き上げることや、被害者の告訴がなくても同罪に問えるようにすべきだといった意見が多数を占めた。8月にも正式な報告書とする。法務省は報告書を踏まえて法改正を検討する。

 会議は、大学教授や裁判官、弁護士などで構成される「性犯罪の罰則に関する検討会」(座長・山口厚早稲田大教授)。性犯罪の厳罰化を持論とする松島みどり前法相が設置を指示し、昨年10月から議論。報告書はまず、強姦罪など性犯罪の位置づけについて「被害者の人格や尊厳を著しく侵害する犯罪だ」とした。

 強姦罪の法定刑が「懲役3年以上」で、強盗罪(同5年以上)と比べて軽さが指摘されている点について、「『魂の殺人』として被害が一生続く」などとして下限を引き上げ、厳罰化を求める意見が多数だった。親子間など、地位を利用した性暴力に新たな規定を求める意見も多かった。

 また強姦罪などは被害者の告訴が必要な「親告罪」だが、告訴を不要とすべきかも検討。「事件化を被害者が望まないこともある」として親告罪のままとすべきだとの主張もあったが、「通常は被害者の協力がなければ事件化は困難で、被害者が望まなければ起訴はされない」と指摘された。全体としては「告訴は被害者の心理的な負担になる」などとして「非親告罪」にすべきだとの意見が多数を占めた。「親告罪でも非親告罪でも、よりいっそう被害者に配慮することが望まれる」との意見も出た。

 性犯罪の被害に詳しい村田智子弁護士(東京)は「被害者支援の立場からは不十分な点もあるが、全体を見ると意義のある前進だ。非親告罪化や尊厳に対する罪だと打ち出したことは評価できる」と話した。

 (金子元希)

■性犯罪の厳罰化をめぐる議論の結果
<主なテーマ>
結果/主な意見
<強姦(ごうかん)罪と強制わいせつ罪の起訴に告訴を不要(非親告罪)とすべきか>

 ◎/重大な犯罪だと位置づけるためにも告訴を不要とすべきだ

<地位などを利用した性暴力に新たな規定を設けるべきか>

 ◎/支配・従属の関係を利用する犯罪があり、何らかの規定を設けるべきだ

<強姦罪の加害者・被害者に性差をなくすべきか>

 ◎/男性も強姦罪の被害者になりえるので、性差をなくすべきだ

<性犯罪の法定刑を引き上げるべきか>

 ○/強姦罪は下限(懲役3年以上)を引き上げるべきだ。強制わいせつ罪(同6カ月以上10年以下)は現状維持とする

<強姦罪は「暴行・脅迫」を受けていることが成立条件だが、これを緩和するべきか>

 △/現状でも裁判で「暴行・脅迫」は広く認められており、緩和の必要はない

<暴行などがなくても強姦罪が成立する被害者の年齢(現行は13歳未満)を引き上げるべきか>

 ―/16歳未満への引き上げなどを求める賛成論と、引き上げに慎重論があり、いずれも多数を占めなかった

 〈◎は賛成側が多数、○は一部は賛成側多数、△は消極側が多数、―は賛否両論〉

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