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前回の記事で衆議院は300議席の小選挙区と50議席の比例代表連用と50議席の小選挙区惜敗率上位
50名で400議席とするのが望ましいのではないかと書いた。今日は三番目の惜敗率上位50名について
検証を行う。世間では比例復活当選に関して批判の声が大きい。小選挙区で落選させたのに甦って議席を
確保するのは納得が行かないとする論旨が大半だ。現行の制度では小選挙区の有効投票数の10%を得票して
いれば、所属政党の拘束名簿で順番が回ってくれば、比例代表として当選出来るシステムだが、如何考えても
この10%という数字が低過ぎる様に思える。小選挙区の選挙結果を見ると次点候補者が落選しているのに、
三番目の候補者が比例復活当選という或る意味、小選挙区の有権者の意思を無視したかの様なケースも
見受けられたりする。一方で比例代表に重複立候補していない場合、かつて野田総理が新進党所属銀議員と
して迎えた総選挙で、僅か5票差で落選という事態も生じたりする。一昨夏の衆院選、公明党は小選挙区
候補者が太田党代表含め全員が落選した。こちらも重複立候補の措置を取っていなかった事によるものだ。
公明党は支持団体の関係上、自党の獲得票予測は他党を寄せ付けない正確さだが、対峙勢力にあれ程の
追い風が吹くとは予測出来なかったのだろう。この非常に厳しい小選挙区という制度で、政界に有用な人材を
失ってしまうのも其れは其れで惜しい気がしてならない。其処で惜敗率による救済措置は如何という事なの
だが。
一昨夏の衆院選での得票数を基に惜敗率で並べ変えてみた。まず上位10位だが、
1 位 青森 3区 自民党 大島理森 90,176 民主党 田名部匡代 89,809 99.59%
2 位 神奈川 2区 自民党 菅義偉 132,270 民主党 三村和也 131,722 99.59% 3 位 鳥取 2区 自民党 赤沢亮正 84,659 民主党 湯原俊二 84,033 99.26% 4 位 北海道 7区 自民党 伊東良孝 100,150 民主党 仲野博子 99,236 99.09% 5 位 山形 1区 民主党 鹿野道彦 106,202 自民党 遠藤利明 104,911 98.78% 6 位 神奈川 13区 民主党 橘秀徳 138,104 自民党 甘利明 136,164 98.60% 7 位 秋田 2区 無所属 川口博 93,951 自民党 金田勝年 92,600 98.56% 8 位 徳島 3区 自民党 後藤田正純 81,581 民主党 仁木博文 80,359 98.50% 9 位 大阪 6区 民主党 村上史好 109,143 公明党 福島豊 107,336 98.34% 10位 長崎 3区 民主党 山田正彦 79,223 自民党 谷川弥一 77,816 98.22% 惜敗率トップは99.59%の青森3区、開票速報で当確誤報を流してしまう程の激戦区だった。そして9位には
早くも落選した公明党候補者が顔を見せる。双方11万票近い得票の中、票差は2,000票無い。その後、
15位 兵庫 8区 新党日本 田中康夫 106,225 公明党 冬柴鐵三 103,918 97.83%
20位 東京 11区 自民党 下村博文 117,472 新党日本 有田芳生 113,998 97.04%
28位 熊本 2区 民主党 福嶋健一郎 104,876 自民党 林田彪 99,933 95.29%
30位 広島 5区 民主党 三谷光男 99,770 自民党 寺田稔 93,594 93.81%
公明党候補者に混じり、政党として比例票を集めきれなかった新党日本、比例名簿において優遇されなかった
自民党候補者の名前が挙がる。そして議席数の目処の50位前後だが、
40位 東京 1区 民主党 海江田万里 141,742 自民党 与謝野馨 130,030 91.74%
41位 広島 1区 自民党 岸田文雄 95,475 民主党 菅川洋 87,557 91.71% 42位 東京 10区 民主党 江端貴子 105,512 自民党 小池百合子 96,739 91.69% 43位 東京 12区 民主党 青木愛 118,753 公明党 太田昭宏 108,679 91.52% 44位 栃木 5区 自民党 茂木敏充 101,383 民主党 富岡芳忠 92,592 91.33%
45位 福井 1区 自民党 稲田朋美 78,969 民主党 笹木竜三 72,119 91.33%
46位 千葉 10区 民主党 谷田川元 118,564 自民党 林幹雄 107,745 90.87% 47位 富山 1区 民主党 村井宗明 90,377 自民党 長勢甚遠 82,040 90.78% 48位 山口 2区 民主党 平岡秀夫 117,571 自民党 山本繁太郎 105,940 90.11% 49位 東京 9区 民主党 木内孝胤 140,109 自民党 菅原一秀 126,026 89.95% 50位 愛媛 2区 自民党 村上誠一郎 94,843 社民党 岡平知子 85,299 89.94% 52位 群馬 1区 民主党 宮崎岳志 122,711 自民党 尾身幸次 109,846 89.52% 53位 福岡 9区 民主党 緒方林太郎 122,815 自民党 三原朝彦 109,807 89.41% 54位 神奈川 18区 民主党 樋高剛 64,879 自民党 山際大志郎 58,001 89.40% 48位迄は惜敗率90%以上、一つの目安として捉えて良いだろう。40位から既に当選者と次点候補者の票差も
1万票を越える選挙区も出始め、惜敗とは呼び難くなって来ている実態も有る。上位50位迄を救済措置対象
とするのは妥当ではなかろうか。因みにこの50議席での議席配分は自民党26議席、民主党19議席、公明党
3議席、社民党1議席、新党日本1議席となる。比例代表連用制導入により民主党は87議席、自民党は55議席を
失うのだが、少しは腹の足しになっただろう。
惜敗率を使用する利点は、当選者に対する割合なので有力候補者が2名でも3名でも均等に比較出来るという
点だ。得票差という実数ではこれが難しく、また一票格差を厳密に是正しなければ比較尺度としても相応しく
無い。また政党の恣意的な名簿順位よりも有権者の意思が反映される点、比例票の無い、或いは少ない
無所属や小党の候補者でも当選の可能性が有る点も利点として挙げられるだろう。一方、共産党の様に
何処の政党とも選挙協力を行わない政党の候補者は、惜敗率と言えども高い数値を出すのは難しく、当選が
覚束無い欠点は有ったりする。
さて各政党は現実的な解を見つけ出し、合意に至る事は出来るだろうか。
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2011年10月01日
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