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一昨日の内閣人事、人々の耳目は人寄せパンダとしての賞味期限切れの蓮舫行刷相の退任でもなく、代って
人寄せパンダを命ぜられた細野原発相でもなく、最優先課題の震災復興を担う松本復興相でもなく、一政務
次官人事に集まった。自民党所属の参議院議員、浜田和幸氏の総務政務官への就任だ。彼は民主党政権の
政務三役に就任するにあたり、自民党を離党した。昨夏の参院選に鳥取県選挙区候補者として出馬し初当選、
国会議員歴は1年に満たない。
先週、国会の会期延長を巡って菅総理と民主党執行部、野党の自公両党は激しく対立したばかりだ。50日間の
延長で民自公の三党で合意が出来ていたにも関わらず菅総理は70日でゴリ押し、結果として三党合意は白紙と
なった。其処へ自民党議員の引き抜き騒動、自民党の面々が良い顔をするはずが無い。バラマキ政策の財源と
なる特例公債法案は元より、被災地復興に必要な第二次補正予算案まで反対に回る事を検討し始めている。
国会運営に苦心してきた民主党執行部からも批判の声は出ている。参議院で与党議員の数は過半数を大きく
下回っている以上、たった一人が野党から与党に移った処で大勢に影響は無く、事態は悪化するだけとして
いる。また反主流派を中心に他党の一年生議員にカネとポストを用意した事への批判も出ており、昨日の
民主党両院議員総会でも取り上げた。議員歴1年に満たなければ、政権交代選挙で議席を得た多数の小沢
チルドレンの方がキャリアは長い訳で、不平不満が起きるのは当然と言える。
浜田氏を引き抜いたのは国民新党の亀井代表と民主党の石井一参議院議員だが、特に亀井氏の功績が
大きい様だ。郵政民営化見直しを巡っての菅氏との意見対立から、閣僚も辞した亀井氏だが、此処に来て
急接近しているのは、民主党の主流派反菅グループの画策する民自の大連立構想阻止の為だろう。ポスト菅の
一番手の彼等と自公両党は増税路線で一致しており、反増税路線の国民新党は議席数でも用済みの為、
連立から弾き出される確率が極めて高いが故に、菅内閣の延命に手を貸し、自らの延命も図っていると
思われる。そして今日、亀井氏は1名引抜きの種明かしをした。現在、参議院での民主党や国民新党など、
与党系議員は110名、これに浜田氏を加え、更に社民党の4名と共産党の6名を加えると121名となり、
参議院の過半数を確保する事が出来るというものだ。反原発派の社民党と共産党ならば再生エネルギー
法案で賛成に回るのは確実、第二次補正予算案は被災地用の物なので反対に回るはずもなく、バラマキ
政策の財源である特例公債法案も、富裕層や法人から搾取して庶民に分配する事を党の基本理念としている
社共両党からすれば、庶民にばら撒かれる政策には合意出来るだろう。これで菅総理は退陣の目処が立つ
訳だが、あの性格からしてすんなり引き下がるとも思えない。続投宣言をして物議を醸し出す中、今度は税と
社会保障の一体改革で、国民新党と社共両党を切り捨て、自公両党に擦り寄るかもしれない。何しろ国民が
政策的部分連合を望んでいる以上、菅総理として民意に従っていると嘯く事も可能だ。行き詰まったら解散、
総選挙も充分に有り得るか。
政局の道具にされてしまった浜田氏だが、彼の思いは被災地復興に尽力したい、ただそれだけだったろう。彼が
出馬した昨年、自民党は既に下野しており、政権政党で無いのは理解した上で公認候補として選挙を戦った
はず、しかし当選していざ国会に参加してみるとあくまで立法府の一員、しかも野党では、政府や行政府を
動かす事が無理である事を痛感したはずだ。其処へ未曾有の大震災、それでも何も出来ない状況に、何の為に
政治家に成ったのか分からないと苦悩しても不思議は無い。先日の朝まで生テレビでも自民党の茂木衆議院
議員が、「我々は立法府の人間なので執行は出来ません。」と繰り返し発言していた。出来るのは被災地復興の
為の立法のみ、為政も統治も執行も行政府の人間でなければ成し得ないのだ。720人以上の国会議員、同じ
思いの方々もたぶん居るのではないだろうか。
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2011年06月29日
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