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今日、民主党の新役員人事が両院議員総会で承認された。昨日から内定人事は報道されているのだが、
改めて顔触れを見てみよう。
幹事長 輿石東参議院議員会長
慣例では幹事長は衆議院議員が就くものとされているが、異例の参議院からの登用、しかも議員会長である
輿石氏の起用は党内融和の象徴とも言えよう。トロイカ+1の鳩山氏、菅氏、小沢氏、輿石氏で、二人は総理
経験者、一人は党員資格停止では残る選択肢は一つしか無かった事になる。小沢グループでも鳩山グループ
でもない点も中立性を保つには重要、あえて参議院からなのも衆議院からでは不平不満が言い難いという
利点も有る。反主流派の大物議員が、党の要に就く事に反主流派としては異論は有るまい。これが噂に
上がった川端前文科相では抑える力が弱く、鹿野農相では代表選の遺恨がそのまま持ち越されたのは
間違い無い。
ただ輿石氏にも問題は有って、参議院議員故に衆議院の特に選挙区事情については詳しく無い。また選挙
其の物も落選経験が有り、昨夏の参院選も自民党新人に詰め寄られるなど、決して強い訳ではない。更に
政策に関して明るいという印象は無い。彼の口から政局の話を聞く事は有っても、政策の話を聞いた記憶は
無いと言って良いだろう。そしてあのルックス、野田総理共々、国民受けするビジュアルでは無い。これが何を
意味するかと言えば、選挙を戦う布陣には程遠く、総選挙は全く考えていないというメッセージが込められて
いると読んで良いだろう。
これは参議院の選挙制度改革を進めるに有効とされた人事にも見える。一般に参議院は衆議院からの指図を
嫌う。衆議院の優位性に対する反発が根に有ると思われるが、菅前総理が議員定数削減に言及した時も
西岡参議院議長は不快感を示した。参議院の一票格差は違憲状態に有り、この二年で選挙制度を大きく
改める必要に迫られている。其処に民主党のマニフェストに記載されている定数削減を盛り込む(野田総理も
代表選での演説で言及している。)には、輿石氏に旗振りをして貰った方が良いと判断していると推測出来る。
幹事長代行 樽床伸二元国対委員長
昨日迄の内定人事では幹事長代理だったが、代行に昇格させた様だ。やはり輿石氏では衆議院の勝手が
分からないという事になったのだろう。樽床氏は鳩山内閣退陣後の代表選に小沢系議員の応援を得て
出馬したが、以降は自前のグループを結成し、小沢氏とも一定の距離を取る中間派とされている。本人は
入閣希望だったと思われるが、今回もその思いは叶わなかった。樽床氏も松下政経塾出身でかつては民主党
七奉行の一人だったが、他の6人は全員、閣僚を経験する中、未経験。本人が焦るのも無理は無いが、その
意味ではこの人事、問題が無いとは言い切れない。彼もまた郵政選挙で落選するなど、選挙は強い方では
無い。やはり総選挙は野田総理の念頭には無い様だ。
政調会長 前原誠司前外相
民主党は政権交代後、小沢氏の意向により政策調査会を廃止した。これは自民党の様に族議員を輩出しない
為の措置だったのだが、鳩山内閣の政務三役との連携が上手く行かず、また幹事長室が巨大な権力を握って
しまった為、政府入りも幹事長室入りも出来ない国会議員は政策の検討、決定に関わる事が出来す、党内に
不満を溜め込む結果を招いてしまった。其処で菅内閣では政策調査会を復活させ、調査会長を国家戦略
大臣が兼務する制度に変更した。が政府が決定した政策を連絡する機関に過ぎなかったので、党内に異論が
噴出していた。今回は従来型の党内で政策を立案し、政府に答申するスタイルに改められ、政調会長と閣僚の
兼務も解かれ、専任とした。また政調会長の承認無しには各政策の閣議決定が出来ない事になり、以前の
政策決定プロセスの内閣一元化をした大統領スタイルから、党の意向を強く反映し内閣独自では政策決定が
出来ない様に改められ、政調会長の権限が強化された。其処に前原氏を持って来たのは、前原氏も代表選の
公約としていた衆議院の一票格差の是正と議員定数の削減を行わせたいからか。彼の外国人献金問題に
関しては自民党が引き続き追及の構えを見せたため、各委員会に出席しなければならない閣僚には据え
難かったとも言える。しかし彼を要職に起用する事で、代表選に出馬した他の候補者も要職に就けない事には
党内融和を体現出来ないのだが、三党合意の見直しに言及した海江田氏は閣僚に就任して委員会の答弁は
無事に済むのだろうか。
国対委員長 平野博文元官房長官
官房長官経験者として実務能力を評価しての人事と思われるが、一方で民自公の三党合意を巡って、民主
党内の主流派が取決めた合意に反主流派が反発した経緯を踏まえ、反主流派である鳩山前総理の側近を
交渉役として矢面に据えて責任を応分しようする狙いが有るのだろう。自分の身内が関与していれば、批判の
声はトーンダウンせざるを得ない。野党の頑強な抵抗の情報も反主流派に入り、自分達が主流派で衆参で
過半数を得ていた頃とは様相が違う事を、身に染みて分からせようとする作戦を平野氏は理解しているの
だろうか。(そもそもねじれ国会になった責任は菅前総理に全て有るのだが。)
要職適齢期の国会議員が民主党には少ないので、段々、使い回し人事になって来て新鮮味が無くなって
しまっているのだが、閣僚人事では初入閣組が出て来るのだろうか。
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2011年08月31日
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