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野に生きるカエルたち m(Θ‥Θ)m
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書庫2015 ヒキガエル産卵祭

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ヒキガエルの産卵には長い時間が必要だ。半日以上掛かる場合もある。
これまで長時間観察中に、一晩が過ぎ朝を迎えても産卵し始めないのを何度か確認した。
確認の方法は、ライトで照らしてずっと追い掛け回すわけではなく、体の色柄や大きさ等の特徴を憶えておいて、数時間ごとにチラッと様子を見るという感じにする。


イメージ 1
↑移動しながら産卵する様子。産卵直後と1日経った卵嚢では太さが何倍も違う。


オスはメスの脇の下辺りに抱きつき(抱接)、太い前肢でお腹を締めつけて産卵を促す。
だがメスはすぐには産卵を始めないので、オスは催促するように鳴くことがある。
長い助走時間の後、メスが移動しながら少しずつ産む2本の紐のような卵嚢(らんのう)に、オスが放精して受精させる。産卵の最中なら、産まれた卵嚢を辿ればメスの軌跡を知ることが出来て興味深い。

産卵直後の卵嚢は、透明な細い紐の中に黒っぽい卵が詰まるように入っている。時間が経つにつれて卵を包むゼリー質が水を吸って膨張し、卵の間隔が広がる。
1匹のメスが産む卵塊は5〜10mの長さで、1,500〜8,000個位の卵を含むのが普通だが、小さいメスが産んだ2〜3mの卵塊を見たことがあるし、10mを越える場合もある。


イメージ 2
↑産卵を終えて池から上がって来たペア。メスは疲れ切っているのか動きが鈍かった。


メスはオスを背負って動かなければならないし、合戦に巻き込まれると呼吸もままならないから消耗が激しい。産卵後に力尽きたメスの姿は痛々しく、労わりたい気持ちになる。
大仕事を終えたメスの顔が、出産後の母親の美しさを漂わせている気がするのは、僕の思い入れが強すぎるせいだろうか。


イメージ 3
↑産卵が終わり静まり返った池の中に幾重にも折り重なる卵塊。何万もの命が宿っている。


ヒキガエルが大量の卵を産むのは、それだけ生き延びるのが難しいことを意味する。
変態するまでの間に散々捕食されてしまうし、運良くカエルになれたとしても、変態直後は1cmに満たない小ささでとても弱い。運動能力が低いので上陸に失敗して溺死したり、上陸後に干乾びて死んでしまったりする。そして子ガエル(幼体)の時は捕食者に狙われやすい。
そうやって物凄い勢いで数を減らしてゆき、成体になって繁殖に参加出来るのは数百分の一から千分の一ほどの少数だ。

彼らが生き残るための道のりは過酷だが、それは宿命であり重要な役目でもある。
食物連鎖の中間に位置して、捕食されたり捕食したりすることで、生態系のバランスを保つ役割を担っているからだ。
自然や生態系について考えると、人間の僕よりヒキガエルのほうがよっぽど役に立っている…生きていても死んでしまっても。。。

産卵の様子を届けて ヒキガエル産卵祭 は一段落。また後日、元気なオタマジャクシの姿を見せたいと思います。では、その時に…。


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