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 いよいよ金堂や五重塔のある西院伽藍を拝観します。
 実は、今まで西院伽藍という名称は、このブログでは東大門より西側を一絡げにして指すような大雑把な使い方をしてきました。
 これから、しばらくの間、法隆寺の西院伽藍は、上から見ると「凸」の字型の回廊に囲まれた中という意味合いで書かせていただきます。回廊に囲まれた空間には、金堂と五重塔が建っており、回廊の北側、つまり凸の上辺には、大講堂が建てられています。南回廊、凸の下辺の中央には中門が建てられています。

 西院伽藍へ入場するには、南回廊の西端から入場します。入るとすぐに受付です。

 この日は、朝から雨が酷くて、回廊のような場所は、傘を差さずに写真を撮ったりできるので、大変ありがたいのです。
 上の写真は、回廊の外からの写真ですが、スロープが付けられている場所が入口です。

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 受付を過ぎるとすぐに見える景色が、こちら中段の写真です。右側には、五重塔、一番奥には大講堂が見えています。
 回廊が、凸型をしているのが、左端の回廊の屋根が突き出して見えるので分ります。曲がった回廊の向こうに見えるのは経蔵です。

 回廊の屋根の下や建物の中にいるときは、雨は気にならないのですが、当然そういう場所以外でも移動したり写真を撮ったりしますので、やはり雨というのは困り者です。
 下の五重塔の写真などは、雨粒が写り込んでしまいカーテン越しの写真みたいになってしまいました。

 ちなみに下の五重塔の写真の一層目、瓦屋根の下の屋根の様な物は、裳階といい建物の飾りです。また、二層目、三層目の高欄に見られるラーメン丼の模様みたいな飾りは、卍崩しと言います。

 法隆寺より後にできたお寺の建物と比較すると、随分、中華な雰囲気が強く感じられます。文明は中国から渡ってきたとも言えるので当たり前と言えば当たり前なのですが。

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 西円堂の拝観が終わったら、また急な階段を下って、いよいよ五重塔や金堂のある回廊内の拝観へ向かいます。

 上の写真は、西円堂の基壇上から、正面の南側を撮したものですが、向拝の先に三経院の屋根が見えています。

 三経院は、西院伽藍の西回廊の西側に、平行に建てられた南北に細長い建物で、元々は僧坊として建てられた西室の南側を改築して、三経院としました。

 三経院の名前は、聖徳太子が勝鬘経・維摩経・法華経の三つの経典を注釈されたこと(三経義疏)にちなんで名付けられました。お寺の公式ホームページを見ると

・・・現在も毎年、夏安居の3ヶ月間(5月16日〜8月15日)、法華経・維摩経・勝鬘経の講義を行っています。・・・

とあります。ちなみに夏安居とは、デジタル大辞泉の解説では、「仏語。僧が、夏(げ)の期間、外出せずに一所にこもって修行をすること」で、「げあんご」と読みます。

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 中段の写真は、まさに三経院の写真ですが、左に見える築地塀から北側が、西室。南側が三経院となっています。
 しかし、屋根などはまるで一続きの、一つの建物に見えます。

 下の写真が横から見た三経院となります。南側に正面で、出入口もあります。

 正面からの写真は、撮ってありません。しいて言えば「奈良への旅2036 法隆寺7」の中段の写真で遠目に見える位です。ウィキペディアでは

・・・鎌倉時代の建立。阿弥陀如来坐像持国天・多聞天立像(各重文)を安置。・・・

 とありました。

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 西円堂の建物は、八角形をしていますが、東西南北の面に扉があり、南西と南東の面には連子窓が造られています。正面は南ですが、南側の扉には、鎌倉時代に再建された時に向拝と呼ばれる廂が付けられました。
 上の写真で、建物の右側に張り出している廂がそれにあたります。

 もうじき節分の季節ですが、節分にこちらで行われる追儺式が有名です。追儺式については、法隆寺のホームページに簡単に説明がありましたので、引用させていただきます。

・・・追儺式 2月3日(午後7時頃〜) <西円堂> (参拝可)
 追儺式は、西円堂の基壇上で黒鬼、青鬼、赤鬼がそれぞれ所作を行い松明を投げ、その後に毘沙門天が現れて鬼を追い払います。寛政9年(1798)までは法隆寺の僧が鬼役を勤めていましたが、以後、丑寅の方向にあたる岡本法起寺裏の住人が勤仕することになりました。・・・

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 一番上の写真の西円堂の周りは、鉄パイプで造られた囲いで被われ、金網が張られるそうです。
 追儺式では、西円堂の基壇上から、鬼達が観客に向かって火の付いた松明を投げつけます。凄まじいですね。そのため危険防止の鉄パイプと金網なのです。

 一見地味なお堂ですが、とんでもない行事が残っているものです。

 2番目の写真は、西円堂の建つ敷地の北西側の眺めです。奥に見える建物は、上御堂です。こちらの説明も法隆寺のホームページから引用させていただきます。

・・・このお堂は奈良時代、天武天皇の皇子である舎人親王の発願によって建立したと伝えていますが、永祚元年(989)に倒壊し、現在の建物は鎌倉時代に再建されたものです。堂内には平安時代の釈迦三尊像と室町時代の四天王像が安置されています。このお堂は毎年11月1日〜3日まで特別開扉をおこなっています。・・・

 ちなみに画面右側に鐘楼の一部が写っていますが、これは「時の鐘」で今でも午前8時から午後4時まで2時間おきに撞かれて時を告げています。正岡子規の「柿くへば」の鐘は、この鐘の音だそうです。

 下の写真は、西円堂の裏側、薬師坊庫裏と西円堂を結ぶ出入口です。追儺式の時は、鬼などがここを通って基壇上へ登場します。

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 西円堂のご本尊は、国宝の薬師如来座像です。西円堂と同じく、橘三千代の発願で造られた天平時代の仏様です。
 脱活乾漆像で、像高は244.5cmですから、堂々たる仏様です。

 峰の薬師とも呼ばれ、古くから信仰を集めてきましたが、耳の病に御利益があるとして錐を耳に当ててお祈りすると耳の病が治ると言われています。

 なぜに耳の病なのかと言う疑問がありますが、ネットを見ていると、聖徳太子は一度に多くの人が喋ることを理解できたと言うことから、耳に関する伝承ができたと書いてあったものがありました。

 私には、むしろ峰の薬師の「峰」の音が、「耳」を連想させて、耳の病の御利益が発生したように思います。耳の薬師と思われたと言うのは、どうでしょう。
 もちろん、根拠はまったくありません。

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 西円堂の建つ高台からは、南側の眺望が良く利きますが、東側の木々のあいだから五重塔や金堂の姿が見えます。
 特に五重塔は、ある程度高さのあるこの高台から写真を撮ると、歪みの少ない写真が撮れます。
 もう少し近ければもっと良いのですが、それでも知られざる法隆寺の絶景ポイントの一つだと思います。
 その写真が、中段の写真です。望遠レンズがあれば、五重塔の上層をアップで撮れるのにと思いつつ、実現しておりません。

 西円堂の建つ高台は南側と東側が、急斜面になっていて下っていますが、西側と北側は、平らか、やや高くなっています。

 西円堂の北側には、地図を見ると「薬師坊庫裏」と書いてある建物が建っています。
 下の写真が、西円堂の北側の写真です。

 じつは、西円堂の行事として、節分に行われる追儺式が有名ですが、その時に使われるのが、写真の奥に見える建物の左側に見える出入口です。

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 法隆寺の西院伽藍の西の端、西大門から真っ直ぐ東へ向かい東大門へ至る石畳の道があります。
 便宜上、西大門から中門前、南大門から北上してきた表参道と交差する場所までを、仮に西参道と呼ばせて貰いましょうか。そして、そこから東大門までを東参道と仮に呼びましょう。

 西参道の南側には、大湯屋などがありましたが、北側も境内の西の境界に沿って、塔頭寺院が並んでいます。
 そうした塔頭寺院の並んでいる奥の、西円堂へ向かいます。

 西円堂は、天平時代に光明皇后の母である橘三千代の発願で、行基により建立されました。西院伽藍の西北の丘の上に建つ八角円堂で、創建当時の建物は強風で倒壊したため、鎌倉時代に再建されました。

 西円堂への道へ、西参道から北に向かって踏み入れると、いくつもの階段の向こうに、随分高い階段が見えていて、その上にお堂があります。

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 最初のゆるい階段を上っていくと、右手に三経院と西室が見えてきます。中段の写真ですが、写真では西室と三経院の連なった建物の、南側、つまり三経院が見えています。
 ちなみに三経院の建っている土地の高さが、中門の階段下の土地の高さです。

 下の写真では、さらに西円堂に近付きましたが、正面の階段、急でしょ。

 でも、安心してください。階段の左側に、幾分ゆるい道もあります。階段も、確かに急ではあるのですが、何と言っても距離も高さも大したことは無いので、息が切れる前に登り切ってしまいます。

 そうは行っても、足の悪い方やお年寄りには、中々きつい道ですので、左側の迂回路ももう少しバリアフリー仕様だと良いなと思います。

 お堂の形が八角形なので、東院伽藍の夢殿と対を成す建物なのかと、勝手に想像していましたが、どうも全く関係の無い建物でした。

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