格差社会

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どんな夢を見ますか

  昨夜夢を見た。起きた時2つの夢を覚えていた。

 一つは、海水浴に来ていて、波打ち際を走る夢だ。

 もう一つは、何と見合いをする夢だ。これまで見合いをしたことなどないと言うのに。確か30代の自分であって、結婚する気などさらさらないという態度を示していた。

 脳梗塞後、私は1度も夢を見た覚えがない。夢を見ても覚えていないのか。夢を見なくなったか。今回夢を見ることができて、とてもうれしい。わたしは、これを脳梗塞からの回復・正常化のプロセスの一つと見ている

 夢は、昨日の夜12時前に起きて、しばらく本を読み、2度寝をした時に見た。この時に読んだ本は、ホーキング『ホーキング 宇宙を語る』(早川書房、1989年)である。

 昔40代初めに読んだ本の2度見である。まったく忘れている。昔読んだ時は、そのおもしろさに感動した。今は、難しくて、理解するには大変である。眠気を誘うには丁度よい。

 なぜホーキングの本を取り出したかといえば、これから生きていくにあたって宇宙の謎を知りたかったからだ。

 我々のまわりには、謎解きが必要な無数の現象が存在する。私が経済学を学んだのも人間社会の仕組みの謎解きの関心からであった。考えてみると、学問というのは、謎解きではないか。それが大学の学問の主流ではなかったか。遺伝子工学で役立てるとか自動車の最新の技術を開発するとか、応用目的の技術系学問は、それなりの位置を占めるが、決して主流ではなかった。もちろんここにも謎解きのおもしろさがあるのだが。

  謎解きについて言えば、最先端の研究にいくほど、わからないものだらけで、しかも不確かになる。だからこそ、研究のやりがいが生ずる。正しい解答は一つと学ぶ高校教育では想像できない世界だ。

 ホーキングの本を最初に読んだ時は、私は気鋭の学者で、自分は頭のいいやつだと思っていた。

現代資本主義の画期的な経済学体系を世に問うて、定年を迎えるつもりであった。あの時は、夢があったなあ。

現実には、『日本を貧しくしないための経済学―ほんとうにだいじなお金の話』ナカニシヤ出版、2015年を書き、誰にでもわかる経済学を出版して終わった。

さて、今日は、これから自主トレをして、大学の図書館に古書を届けた後、午後からデイサービスである。
  今月4日、厚生労働省が発表した「平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」にると、労働者全体に占める非正規労働者の割合が初めて4割に達した(2014101日時点)。内訳は、パート58%、契約社員9%、派遣労働者6%などである。

                     朝日新聞デジタル2015/11/04 21:14より
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 私の本(上条勇『日本を貧しくしないための経済学―ほんとうにだいじなお金の話』ナカニシヤ出版、2015年)では、非正規労働者が4割であると、ことあるごとに指摘していた。この時、じつは正確に言えば、4割弱の状態を指摘していたのである。今、実際に去年101日時点で4割に達していたのを知り、感慨深い。


 企業側が非正規を雇う理由の38.6%が「賃金の節約」であるという。続いて「仕事の繁閑に対応」が32.9%。いずれも人件費節約のためである。


 『朝日新聞デジタル』(2015/11/0421:14)は、非正規雇用が4割に達した理由を、こう述べる。

高齢世代が定年を迎えて正社員が
減るなか、人件費を抑えたい企業が非正社員で労働力を補っている実態が浮き彫りになった。」

もちろん若者の労働力が不足しているわけではない。若者のフリーターの数は、2003年に217万人に達した後漸減したが、それでも2011年の数字で176万人である。これにニート60万人が加わる。若者は、非正規で利潤追求のために消耗させられている。

 企業は、競争に打ち勝つために人件費削減をめざし、労働規制の緩和を利用しては、非正規労働者の数を増やしている。その結果、格差社会の拡がりとワーキングプアを生み出している。企業の利潤追求競争に歯止めをかけないかぎり、この傾向はつづくだろう。この問題の解決には、規制緩和でなく規制強化が必要である。


 デイサービスから帰ってきました。いつもどおりのスケジュールをこなしただけですが、スポーツ系なので結構充実した気分で終わりました。

 月曜と木曜の週2回のデイサービス、金曜週1回の病院でのリハビリが私の日常生活の柱をなしています。

 ところで日本のデイサービスは大変なことになっています。今年の4月から、特別養護老人ホームは儲けているなどの理由をあげて、政府は介護報酬(介護サービスの対価として事業者に支払われる報酬)の大幅な引き下げを行った。

 小規模事業所ほど大きな影響を受けるという話である。小規模のデイサービスは要介護で平均9.2%。、要支援で21%以上の介護報酬の引き下げにみまわれた。(ちなみに、私は、要支援2である) 

 その結果、経営難から事業所の整理・縮小、事業からの撤退が激増している。9月までの介護事務所の倒産件数は、57件と過去最高を記録した。

 安倍首相は、「新アベノミクス」で「介護離職ゼロ」をうたった。この人の言葉の軽さ・不誠実さには本当に腹が立つ。


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  私は、オモチャのような経済学理論、すなわちラッファー・カーブが現代世界の格差社会の傾向を基礎づけたと述べた。

1980年代におけるレーガン大統領の経済政策をレーガノミクスという。アベノミクスという言葉は、このパクリであるという。レーガノミクスは、金持ちに対する大減税を行った。その理由は、こうである。

金持ちに減税すると、彼らは、やる気をおこして、一生懸命貯蓄し、せっせと投資し、生産活動に励み、所得をふやす。税収=税率×所得である。税率を下げても、それを上まわって所得が増えれば、税収が増える。

それに対して貧乏人に減税しても無駄だ。彼らは減税で得たものを全部消費してしまう。生産活動に役立てない。金持ちに減税して、経済発展すれば、やがておこぼれが貧乏人にもまわってくる。

ラッファー・カーブは、この金持ちに対する減税を、非常に単純な形で基礎づけたものであった。それは、よく考えてみると、実離れしたものであっても、わかりやすい。アメリカの政策担当者たちを魅了したのである。

累進課税は、金持ちへの課税を高くして貧乏人に所得を再配分する格差社会を解消していく制度であった。カネのあるところに課税するというのは、本来は当然のことである。ところが、アメリカでは、今やカネのあるところにはいっそうカネを増やすために減税し、他方で中間階級が税負担をいっそう担うようになった。

金持ちに対する累進課税率、相続税が引き下げられた。企業経営者たちは、安心して、自らの高額報酬をいっそう引き上げることができた。

日本ではレーガノミクスをマネして中曽根税制改革が企てられるにいたった。そしてちょっと金持ち減税の財源が心配だったので、消費税を導入することにした。

日本では、金持ちに対して税金では優しくし、貧乏人には厳しく課税する露骨な措置がとられたのである。

私は、「貧しき者ますます貧しくなり、持てるモノも奪われるなり」という聖書の言葉を思い出す。

レーガノミクスは、現代における格差社会の拡大の引き金をひいた。そしてこれを基礎づけたのがラッファーカーブであった。

トマ・ピケティの『21世紀の資本』に掲載された次のグラフは、このことを見事に証明する。
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ピケティ、26頁

 ちょっと見づらいが、1980年代すなわちレーガン時代に急速にアメリカの格差が拡大した事実が一目瞭然の形で示されている。

安倍首相が924日の記者会見で、アベノミクスの成果として、「2年連続で給料も上が」った、と誇らかに語った。そしてアベノミクスの「第二ステージ」を打ち出したのである。

 確かに、国税庁の民間給与実態統計調査によると、民間企業に勤める人が2014年の1年間に受け取った給与の平均は415万円で、2年続けて増加した。

 ところが、これを伝える時事通信は、「前年に比べ14000円増えたが、ピーク時の1997年より523000円少なくなった」と、奇妙な書き方をしている(時事通信、 930()176分配信)。

これが気になったので、今日のブログでこの問題を簡単に取り上げる。

 私は、これまで安倍首相が企業に賃上げを要求しても、「笛吹けど踊らず」だと述べてきた。これまで非正規労働者を労働人口の4割に増やすなど、人件費削減にまい進してきた企業が、安倍首相の要請に応えるわけはないと考えたからである。

 平均給与を上げたとしても、上げたという申し訳程度のポーズを示すために、一時金のわずかな引き上げにすぎないだろうと述べてきた。これは、私の見解というより、大方の見方である。

 興味深いことに、一昨年の2013年で平均給与のアップが伝えられた時、同時に実質賃金が前年比0.5%減少したと指摘された(その前の年も実質賃金は、0.7%減少している。)つまり賃金上昇が物価上昇にまったく追いついていないのだ。しかもアップの内訳は、残業代と賞与の増加が主である

  私は、2014年についても、実質賃金はかなり減少していると考える。というのは、物価上昇率が2.7であるからである。この物価上昇率を考えると、先に述べた雀の涙ほどの平均給与アップでは、お話にならない。

 今年519日配信の産経ニュースは、先の時事通信とはまったく違う悲惨な事実を伝えている。産経ニュースも平均給与アップを、こう伝える。

 「厚生労働省が19日発表した毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上の事業所)の2014年度まとめによると、働く人1人当たりの現金給与総額(名目賃金、月平均)は、前年度比0・5%増の31万5984円で、4年ぶりに増加した。」

  しかし、その後に、時事通信になかった事実を、こう伝える。

一方で、物価の影響を考慮した実質賃金は3・0%減で、4年連続のマイナスだった。/実質賃金の下落率は、現在の方法で統計を取り始めた1991年度以降で最大。物価上昇に賃金の伸びが追いつかず、アベノミクスの恩恵が労働者には十分に届かなかった。」

 2014年は、消費増税と物価上昇のダブルパンチに庶民が苦しめられた年であった。税金・物価があがるのに賃金はさっぱりと庶民の溜息が響いた年であった。

 産経ニュースは、この辺の事情を素直に伝えている。さらに平均給与アップの内訳について、次のようにのべている。

「基本給などの所定内給与は0・2%減の24万926円で、9年連続のマイナス。残業代などの所定外給与は1・6%のプラスで、5年連続で増えた。」

 企業は、基本給アップを嫌がる。だから給与アップは、一時金と残業代の増加を原因とした。

だから、冒頭の時事通信のニュースは、安倍首相に迎合したものであるといわざるをえない。「ピーク時の1997年より523000円少なくなった」と述べたのは、このことを気にしてのことだろうか?
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      NISSAY,数字で読み解く23歳からの経済学、第39回より

念のために述べておくと、確かに、過去を見ると、1997年までは平均賃金が上昇したが、この年を境に長期的に下落していく。たとえば、男性の平均給与は、2001年から2011年の10年間を見ると、2001年の558万円から2011年には504万円と10%も減少している。

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