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震災復興は何故進まないのか
(日刊ゲンダイ10月25日) 審議入りする3次補正程度ではカネが足りず復興第一のハズの野田政権は『TPP』など他の政策を並べ立てて国民の目くらましに躍起。首相本人は連日パフォーマンスに遊んでいる
総額12兆1000億円の3次補正予算案が今週28日、国会に提出され、やっと審議が始まる。野田内聞と大マスコミは。「大震災からの本絡的な復旧・復興事業を盛り込んだ」と喧伝しているが、いくらなんでも遅すぎるだろう。
3・11から、すでに7ヵ月以上が経過。東北は厳しい冬の訪れが目前だ。被災地の焦りと疲労はすでにピークを通り越している。
しかも補正の中身も本格的どころか、スカスカなのだ。エコノミストの紺谷典子氏が言う。
「ハッキリ言って、今回の3次補正の数字はマヤカシです。総額12・1兆円のうち震災関連は9・2兆円。このうち約2・5兆円が1次補正に充てた年金財源の穴埋めに消えます。さらに約2兆円ば円高対応の景気・雇用対策の予算をムリヤリ復興事業に結びつけたもの。被災地の復旧・復興に向けた”真水”の公共事業費は1・5兆円程度しかありません。それも4割近くが河川や道路の原形復旧に消え、堤防のかさ上げや区画整理など被災地の本格復興に費やされる予算は微々たる金額なのです」
被災市町村の復興計画を積み重ねると、宮城1県の復興事業費だけで12・8兆円に達する。3次補正の総額を軽くオーバーしてしまう。これに岩手県の8兆円、原発事故の影響で試算すらできない福島県を含めれば、被災3県の復興事業費は30兆円を突破するのは確実だ。
それなのに”真水”1・5兆円で一体どうやって被災地を本絡復興させるというのか。『世界に誇れる新たな町づくり』は絵に描いたモチだったのか。
高台移転予算たった7800億円
最たる例が被災地の 「高台への集団移転」だ。高台移転は、今では存在すら忘れられている 「復興構想会議」が提言し、国も復興計画の大きな柱に据えたはずだ。今年7月に菅政権がまとめた「復興基本方針」では、高台移転や被災地の土地区画整理などの事業規模を8兆59兆円と見積もっていた。
ところが、3次補正で高台移転と土地区画整理に費やすのは、新設の 「震災復興交付金」に組み込まれた7800億円程度。これじやあ、ハシタ金にすぎない。
被災自治体が高台移転を進めようにも、国の支援が足りなければ二の足を踏む。その分、被災地の復興と、地震と津波で家と職場を失った被災者の生活再建は遅れに遅れてしまう。まさに負の連鎖である。
いまだ避難所暮らしの1700人をはじめ、約5万戸の仮設暮らしの人々、やむなく被災地を離れて、全国各地に避難した推計5万人以上の人々……未曽有の大震災に巻き込まれた被災者は、いつ元の暮らしに戻れるのか。本格的な町づくりが始まらなければ、さまよい続けるしかないのだ。
「どのように被災地を生まれ変わらせるのか。民主党政権は『自治体の自主性に任せる』という美名の下で責任逃れを続けています。任せるべき自治体に財源がないからこそ、国の出番なのです。戦後日本の税制に大きな影響を与えたシャウプ勧告でも『天災は緊急莫大の費用を必要とさせ、罹災地方団体の財政を破綻させる』として、『中央政府は災害復旧に対する財政上の全責任を引き受けよ』と定義しています。民主党は国の本来の務めを放棄しているのです」(紺谷典子氏=前出)
野田は「復旧・復興は最大かつ最優先の課題」と豪語したはずだ。しかし、やっていることを見れば、本気で復興を急いだり、十分な予算の手当てをする気なんてないことは歴然なのだ。
菅は大震災発生を、野田は後始末を延命に利用 しかもフザケだことに、このところの野田は遊んでばかりだ。視察とか称して田んぼでコンバインに乗ったり、「まいうー」と冗談言って福島産米を食ってみたり、23日には似合わないタキシード姿で映画祭に浮かれていた。
「3次補正の審議日程が窮屈」なんて民主党は説明しているが、その一方でこの悪フザケだ。とてもじゃないが、死に物狂いで復旧・復興に全力投球している首相の姿じゃない。
こうなると、菅政権とダブってくる。結局、どう考えても、野田政権も震災復興を政権居座りの口実に利用しているにすぎないのだ。そう考えるしかない。
「大震災発生で命拾いした菅前首相が、その後の震災対応を政権延命に利用したのは隠しようがありません。本来なら5月2日成立の第1次補正予算に続き、ただちに今回の第3次補正と同じ本格復興予算を組むべきだったのに、延命したい思いから、小規模な”1・5次補正”にして、本格予算を先送りしてしまった。本格復興予算をつくってしまえば、成立したところで、自分はお払い箱にされると思ったから、遅らせたのです。その間に復興構想会議など、いくつもの会議をこしらえ、時間稼ぎもした。この菅前首相の悪あがきが、復旧・復興を遅らせてしまったのです」
(政治ジャーナリスト・泉宏氏) あからさまな政権しがみつきに、だれもが呆れ果てて、菅は不信任騒ぎにまで追い込まれたのだ。
まるで火事場ドロボーの最低最悪政権
大震災発生を延命に利用したのが菅なら、野田は震災の後始末を延命に悪用している。それがミエミエなのに、大マスコミは批判もしない。民主党関係者が言う。
「菅降ろしのゴタゴタが長引いたせいで、世間は”被災地が大変なときに何をやっているんだ”と政治に落ち着きを求めている。だから野田政権はラツキー。復興をやっているフリをすれば足を引っ張られることはないし、何をやっでもあまり批判されず、党内も野党も荒れない」
「ドサクサまぎれの火事場泥棒とはこのことですよ。原発や被災地のことに目が奪われているスキに、野田政権はこの国を不況のどん底に突き落とし、日本社会を破壊する重大政策をいとも簡単に決めようとしている。それも解散・総選挙で国民に信を問うこともしない。とんでもないことです。被災地の復旧・復興を掲げていれば、何でも許されると思ったら、大間違いですよ」 (筑波大名誉教授・小林弥六氏=経済学)
大震災の後始末がいくら遅れようと、「政権居座りには好都合」と考えている野田民主党。それを巧妙に操って悪法・悪政を進める財務省とアメリカ。踏みにじられるだけの被災地や被災難民があまりに哀れだ。野田ドジョウという男、間違いなく、「菅以下の最悪最低首相」と言っていい。
(いすけ屋)
復旧・復興事業が遅れているのは、民主党政権だったということに尽きる。まず、担当省庁が「環境省」であるということ。復興大臣は、環境大臣兼復興担当大臣に始まり、今では専任大臣がいるが、事務方は環境省である。環境省は地球環境といった未来志向の長期スパンの活動を生業としている。しかし、その活動の幕本は環境保護・保全といった監視・監督である。
こういった組織に緊急対応能力を期待することができるのか。環境省に遣体捜索部隊と協力しながら、ダンプトラック、クレーン、ブルドーザー等を動かしがれきを取り除き迅速に復旧活動を行う能力を期待できるのか。陸上がれきも海中がれきも、公共事業を動かす実動部隊を持つ国土交通省の方が他の省庁よりもはるかに高い対応力を持っていることは、被災者はもちろんん国民の誰もが分かっている。
この選択を誤ったのは、民主党政権であり、復旧・復興事業が遅れているのはごく当たり前なのである。さらにもうひとつ重大な原因がある。それは、今の日本には「異常時対応システム」が用意されていない。いくら民主党でも、これさえ用意できていれば、こんなヘマはしなかったろう。
東日本大震災の発生以降、人々は黙々と苦難に立ち同かい、暴動もなく、治安はしっかりと守られている。この実態を、世界中の人々か驚きと尊敬の眼差しで見つめている。だが、世界中の人々の驚嘆と尊敬は日本国民に向りられたものであり、日本政府に向けられたものではない。日本政府の災害復旧対応力は、発展途上国以下といわれても仕方ない状態にある。
政府の信頼失墜は、国内のみならず国際社会における国家としての信頼失墜となる。国家としての威信をかけて進めなければならないのは、被災者の生活環境の復旧活動である。同時並行的に被災地で顕在化している問題を整理しながら「異常時対応システム」を完備して行く作業を進めてゆかなければならない。
瓦礫の集積場がないなら、海岸に矢板で囲って仮設焼却場を要所要所に造れば、今頃は瓦礫処理は終わっていただろう。「異常時対応システム」さえ出来ていれば、官庁の縦割り行政や地方行政の法律の枠を超えて施行出来る。それでこそスピードのある対応が出来ると言うものだ。漁業権や公有水面よりも、「異常時対応システム」法の方が上位法としておけば、効率よく復旧出来ることぐらい誰でも判る。国会は直ちに法制化するべきだ。
野田政権の目的は「復興第一」の筈。それが何時の間にやら、増税とかTPPとか年金支給先延ばしに変わっている。こんな嘘つき政権は、菅政権に優るとも劣らない。
いすけ屋さんより転載させていただきました。
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東日本大震災
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