【今週の注目記事】天安門事件最後の証言、今でも中国でタブーの数字「八九六四」、語り継げぬ歴史2018.7.8 18:00
「今後、もう二度とこの取材はできないでしょう」。中国・北京市で1989年に起きた天安門事件を題材にしたノンフィクション「八九六四(はちきゅうろくよん) 『天安門事件』は再び起きるか」(KADOKAWA)を刊行したノンフィクション作家、安田峰俊さんは言う。この言葉は決して大げさではない。同事件を描いた2006年の中国映画「天安門、恋人たち」はいまだに中国で上映禁止。中国人監督のロウ・イエは国内での映画製作を5年間禁じられたのだ。現在も中国では“八九六四”という数字は最大のタブーだと安田さんは言う。(戸津井康之)
「八九六四」の重み
1989年6月4日、民主化を求める学生や市民が北京市の天安門広場に集結。これを中国人民解放軍が武力で鎮圧し、多数の死傷者を出した天安門事件から29年が過ぎた。
デモに集まった一般市民が戦車に轢(ひ)かれる様子を表したとされるニュース映像は世界中に衝撃を与えた。最近、公表された英国の公文書によると同事件での一般市民の死者の数は約1万人に上る。
「中国では“六四”、もしくは“八九六四”と呼ばれ、毎年6月4日が近づくと治安警備が強化され、スマホ決済の送金額ですら、『六四元』や『八九六四元』の金額指定が不可能になるほど当局は警戒しています。中国にとっていまだにタブーの数字なんです」。中華圏での取材経験が豊富な安田さんは語る。
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