いつまでも、御塩倶楽部

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古代製塩に使う土器

 週末、製塩土器の複製を作った。
 
この製塩土器の複製は、来月に行う「古代製塩の体験」に使う。
 
教育関係者の研修会なので、特に歴史の研修ではない。
 
粘土は陶芸用で、実物の製塩土器ように砂は混ぜないが、作り方は同じである。
 
だから、立派な奈良・平安時代に知多半島で使われた製塩土器の複製である。
 
考古学では「知多式4類」と呼ばれる土器型式である。
 
東海地方で土器製塩が最も盛行した時に使われた製塩土器である。
 
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さて、受講は約35名。
 
焼成中に割れるものもあるので、予備を含めて製塩土器を40個は作らねばならない。
 
一緒に講師をやる方と分担して、ぼくのノルマ15個。
 
午前中にちょいちょいと作って帰るつもりだったが、ノルマが課せられていた。
 
 
結局、昼飯抜きの作業になり、強制される製塩の恐ろしさを、ぼくが体験した。
 「藻塩」でインターネットを検索するとかなりの数が引っかかる。
 
古代の製塩方法を宣伝文句した製品も結構ある。
 
学説はいくつかあるが厳密に言うと、詳細な古代製塩方法はわかっていない。
 
採鹹(さいかん・海水濃縮工程)方法の復原では、万葉集などの文献資料や民族例が製塩方法復原の資料であった。
 
1990年代からは考古資料で研究が進み、発掘調査の結果を使って採鹹方法が復原され始めた。
 
海藻が採鹹に使われているので、藻塩という表現が万葉集に出てくる訳であるが、具体的な海藻の種類と使い方まではわからない。
 
 
 まず、海藻の種類であるが、従来からアマモとホンダワラだろうと言われてきた。
 
アマモとホンダワラは海底地質により棲み分けがある。
 
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アマモ
 
 
 
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ホンダワラ科
 
 
このことを利用し、製塩遺跡の分布と重ね合わせて使用した海藻を特定する研究がある。
 
 能登半島では、山本直人が製塩遺跡周辺の海岸に打ち上げられている海藻の分布調査をしている。
 
山本直人は「ホンダワラ科が卓越する地域ではホンダワラ科が使用され、アマモ科が卓越する地域ではアマモ科が使用されたとものと推定される。ホンダワラ科とアマモ科の両者が生育・分布する地域では、両者とも使用された場合と一方のみが偏重された場合とが想定される」としている。
 
伊勢湾・三河湾周辺では、磯部利彦が昭和中期から現在までの愛知県水産試験場の資料を使って古代製塩で使われた海藻を推定している。
 
 
 
 
参考・引用文献
 
山本直人1993「能登半島における古代土器製塩の基礎的研究 ―現在海藻の分布を中心として―」『石川考古学研究会々誌』第36号 石川考古学研究会
 
磯部利彦1995「土器製塩における採鹹の季節性 −伊勢湾・三河湾を中心として−」『知多古文化研究 −9−』知多古文化研究会

古代製塩に使う海藻

『万葉集』に「…朝凪に 玉藻刈りつつ 夕凪に 藻塩焼きつつ…」と表現されている歌がある。
 
この歌は、奈良時代の製塩に海藻を使って海水濃縮が行われていた資料としてよく引用されている。
 
大学生の時、ゼミの先生の紹介状を持って、製塩について教えを請いにある大学を訪ねた。
 
その大学の先生曰く、奈良時代、女性が着物を上げて海に浸かり、製塩に使う海藻を採っていた。
 
ヘアヌードが溢れている昨今その姿は何とも思われないが、当時はエロかったので歌になった。
 
冗談なのか、それとも土器製塩における性的分業の説明だったのか、若僧のぼくにはわからなかった。
 
宮沢りえの「サンタフェ」は既に発売されていた頃だったと思う。
 
 
 
 今年も教育関係者の研修会で、古代の製塩体験をすることになった。
 
いつもは、説明のためにアマモを使うのだが、今年はホンダワラも使おう、ということになった。
 
宮城県塩釜神社の塩作りの神事ではホンダワラを海水濃縮の媒体に使っている。
 
 
 
先日、一緒に講師をする某氏(中年男性)とホンダワラ(正確にはホンダワラ科の海藻)を伊勢湾に採りに行った。
 
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初夏にしては、荒れていた。
 
流されるかと思った。
 
状況の全てはサンタフェどころではなかった。

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 東ハトの「原始体験スナック マンモスの肉!?」

シベリアの塩味

コンビニで128円にて購入

「※マンモスの肉をイメージしたスナック菓子であり、マンモスの肉は含まれていません。」とのこと。




「ギャートルズ」を知る者にとって、「マンモスの肉」と「どぶろく」はうまいものの代表である。

先の万博でマンモスが注目された原因は、「ギャートルズ」に収束すると考えられる。

しかし、万博のマンモスよりも、今は「マンモスうれぴー」の方がメディア登場率は高い。



 一袋45グラム。

ベビースタービッグが79グラムあるので、割高感はある。

味は、ビーフジャーキーのような味がする。

コショウの香りが強い。

原材料名の欄を見ると、東ハトの開発陣は食べたことのない「マンモスの肉」を、豚肉、ポークエキス等で作り出している。



人間の想像力は、シベリヤの大地よりも広大である。

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(写真 上 海中のアマモ)

(写真 中 採取したアマモ)

(写真 下 採取する様子)



 2年前から夏に、ある教育関係者の研修で古代製塩の講師をしている。

講師3人と30〜40人の受講者で、古代の塩作りを体験しようという内容である。

社会科の研修ではないので、製塩体験は体験学習の一つのモデルとして受講者に提供される。

「古代の塩作り、来年はなくなるかもね」と反省しつつ、3年目になった。

聞けば、いくつかの研修コースがある中で、古代の塩作りを第1希望にする受講者は多いらしい。

「楽だから、人気があるのだろうか」と講師の某は言っている。



 一方、古代製塩に限らず体験学習は準備が大変で、数ヶ月前から準備をする。

古代製塩において、採鹹(さいかん)という海水濃縮工程に海藻が利用されたことが1990年代の研究からわかってきている。

研修もそのような研究成果を取り入れて、海藻の実物を使って製塩方法を説明している。

具体的には、「アマモ」を使う。




 今年は6月末が、潮時のよい時期だったので、アマモを採りに行った。

知多半島でアマモを採ろうとすると、東海市、知多市、半田市、東浦町、武豊町などの半島北部・中部は工業地帯化されているので無理。

伊勢湾側だと常滑市以南、三河湾側だと美浜町以南の砂泥性の海底にアマモは生えている。

しかし、ノリの養殖に都合がよいように海底をブルドーザーでならす海岸もあり、そのような場所では繁茂しない。

環境破壊のため、探すと意外に見つからない。

アマモは県水産試験場が行う海の環境調査でも環境破壊の指標となっている。



 10年ぐらい前に見つけたアマモのよく採れる海岸があって、毎年採りに行く。

今年は、生育のよい年らしく立派なアマモがたくさん採れた。

アマモは根元辺りをかむと甘いので、アマモという名が付いたと言われる。


かんでも甘くなかった。(写真 最下段)

海から上げたばかりで、海水も付いていたから。

そういう海でありたい。


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