いつまでも、御塩倶楽部

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いい本だなあ

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植村直己の『冒険』

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植村直己の『冒険』

小学館文庫

定価 541円+税



 随分と前に買った本だったが、先日読み始め、読み終えた。

植村直己は、数々の単独行が有名な登山家である。

でも、極寒地での犬ぞり単独行、アマゾン川いかだ下りも行っているので冒険家と言った方がいいかもしれない。

本書の内容は、植村についての話やいくつかの冒険が集められている。


読み終えて、二つのことを思った。


一つはページの関係から、それぞれの冒険はあっという間に達成されたような感じを受ける。

しかし、章の終わりに「2ヶ月の・・・」などと書かれていると、何ヶ月も1人でいたんだなあ、と感嘆する。


 もう一つは、恐怖や嫉妬などの負の感情が正直に書かれている点である。

危険な場面では、体が震えた話や引き返した話が書かれている。

植村は、1984年、冬のマッキンリーで消息を絶った。

その時も恐かったと思う。


 植村直己は明治大学農学部出身。

農学部がある明治大学生田校舎(神奈川県川崎市)には、植村を称える記念碑が建っている。

生田校舎には農学部と理工学部が入っているが、記念碑はちゃんと農学部側に建っている。

(写真は現在の明大生田校舎)

田宮俊作の『田宮模型をつくった人々』

著者 田宮俊作

出版 文藝春秋

1333円+税

 著者の田宮俊作は、株式会社タミヤの社長である。

いわゆる、プラモデルのタミヤである。

タミヤのファンは、多い。

かく言う自分も、これまでに買ったプラモデルの中でタミヤが一番多い、と思う。

実際、作ってみると確かにいい。


 本社は静岡県にある。

静岡出身の後輩Sは、自己紹介でタミヤの本社がある静岡です、と言っていた。

静岡県は男子の聖地なのである。


 田宮俊作の書いた本の一つが『田宮模型をつくった人々』である。

本の中に、こんな話が出てくる。

プラモデルは金型にプラスチックを流し込んで作るので、金属製の雌型の方を作る。

この型を作るのにとてもお金がかかる。

だから金型が完成してからの修正はしないのが普通である。

でも、タミヤは1/32スケールの零戦の模型を作り直し、何千万円かの経費を無駄にした。


「この歳になって自分が納得できないキットをこの世に残すのは嫌だ」と田宮は理由を説明している。

B29(アメリカの爆撃機)のプラモデルもタミヤは作らないらしい。



 モノを作る仕事をしていないので、モノを作る仕事にあこがれがある。

世の中、「こだわり」と称して注文をつける人間がいるが、その多くは自分にできないことを他人に要求しているだけである。

それは、「こだわり」ではなく「横柄」と言う。


そんな人が多い環境にいる方は、本書を読むとがんばれます。

与謝野 馨『堂々たる政治』新潮社 680円+税

 筆者は、週末の福田改造内閣で、経済財政担当相になった。


明治の歌人・与謝野晶子の孫でもある。


 職場にある業界誌に、この本の書評が載っていたので、早速読んだ。

特に、政党を支持しているとか、後援会と関係があった訳ではない。

書評では「国家は割り勘である」という考え方を公言する与謝野の姿勢を評価していた。

極論すると、国民のための社会保障など必要なものは維持するが、増えた分は自分たち(国民)が負担する、という考え方である。

国がお金を出すということは、一般の国民がお金を出すと同じ意味である。

出すけど、税金でその分取る。

この本の主題の一つである、調子のいいことばかり言わない、という姿勢の表れである。

 消費税は10パーセントになるだろうが、きちんと説明されれば納得する人も多いだろう。


 ほとんどの人は、自分たちの国の方向を決めている人たちが、どんな考え方を持っている人なのかよく知らない。

それはおかしい、と現職の政治家が書いた本を読んで思った。

戦争遺跡の発掘 陸軍前橋飛行場


著者 菊池 実

発行 新泉社

1500円+税



 この本は、戦時中群馬県にあった陸軍の飛行場の歴史を調べたものです。

基地の一部が発掘調査の調査区に含まれていたので、基地の遺構も確認されています。

現在の埋蔵文化財行政で発掘調査が義務づけられる遺跡は、原則的に中世までの遺跡です。

そのため、発掘調査で近代や近世の遺構に当たった場合、どの程度まで詳しく発掘するのか、という問題に直面します。

この本の28ページあたりに、戦争遺跡の調査について、この本の著者の考えが記されています。

少ない文章ですが、筆者が考えを貫いた様子が伝わります。


 戦争遺跡も発掘調査の対象になるとさらに詳しくわかると思いますが、調査する例は今後も少ないでしょう。

でも、その土地の人々・教育関係者が地方史をどう考えるかで、随分と違った結果になる可能性があると思いました。

『砂の女』の世界

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 安部公房の名作に『砂の女』という小説がある。

愛知県美浜町に「小野浦」という地区があり、冬に行くと『砂の女』の世界を見ることができる。

伊勢湾を航行する船舶のために灯台があり、小野浦のランドマークになっている。

丘陵が海岸線近くまで来ているので、宅地に適した土地は狭い。


だから、集落は海岸近くに集まった。



 知多半島の西岸(伊勢湾側)は冬になると強風の日が続く。

強風が砂を国道や集落に運ぶので、冬になると堤防に防砂用のネットが張られる。

風と波で砂浜もだいぶ痩せはしたが、それでも、砂が飛び、ネットの内側に砂が積もる。

人力でどうにかなるような砂の量ではない。


(写真の説明:ネットの張ってある方向に海があります。)


この砂の山を見ると、安部公房の『砂の女』を思い出す。


いつか小野浦も、『砂の女』に出てくる村のようになるのでは、と。


初めて読んだのは、長野の発掘現場だった。

夜、宿舎で『砂の女』を読んだ。

昼間は、砂と礫を掘ってネコ(一輪車)で運ぶ。

砂を掘らされている、という点で小説の中と同じだった。

 魅力に引かれて、結局2回、この本を読んだ。

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