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Band Name:
Sinistro
Album Title:
Sangue Cássia
Track List:
01. Cosmos Controle
02. Lótus
03. Pétalas
04. Vento Sul
05. Abismo
06. Nuvem
07. Gardénia
08. Cravo Carne
09. Ferida (Bonus Track)
10. Nothing Sacred (Bonus Track)
Band Members:
Patrícia Andrade (Female Vocals)
R (Electric Guitars)
Y (Basses)
F (Basses, Keyboards)
P (Drums)
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Album Review:
ポルトガル、リスボン出身、ポスト・メタル・バンドであるSinistroが2018年にリリースした3rdフル・アルバムにあたる『Sangue Cássia』。
その音楽性は、母国語であるポストガル語による、低音域から中音域、高音域の幅広い音域を操る、まるで幼女のような稚さと年老いた巫女のような妖艶さという、その二つの顔をも併せ持つ女性ヴォーカルをフロントに迎え、エレクトリック・ギター、ツイン・ベース、ドラム、キーボードなどといった生楽器を配した、ポスト・メタルを基調に、アトモスフェリック・スラッジ・メタル、ゴシック・メタル、ドゥーム・メタル、ポスト・ロック、果てにはジャズ・ロックなどといった様々な音楽ジャンルを柔軟に内包した、それでいて抜群のセンスにより不思議な統一感を持つ、ポルトガルとうお国柄であるのか非常にエキゾチックなオーラの漂うダーク・メタルが、一枚のCDアルバムの全編に渡り展開されていきます。
このSinistroというバンドの存在を教えて下さった、インターネット上でのとあるフレンド様に、心から感謝しております。
ポスト・メタルもフィメール・フロンテッド・メタルも、本来の私としては非常に苦手としている音楽ジャンルでしたが、どうやらそれは間違いであったと痛感させられました。やはり、食わず嫌いは損をするようです。
The Metal Archivesではスラッジ・ドゥーム・ポスト・メタルとカテゴライズされています。たしかに、初期では男性ヴォーカリストをフロントに迎えた、低音域の邪悪なデス・ヴォイスを主体としたアトモスフェリック・スラッジ・メタルを掻き鳴らすバンドだったようですが、ヴォーカリストが女性となった本作にあたる『Sangue Cássia』は、寧ろゴシック・ドゥーム・メタラーに強くアピールする事が出来る作風へと変化しています。
全編を通してデス・ヴォイスは皆無である代わりに、女性ヴォーカリストとして在籍するPatrícia Andradeによる歌声にスポットが当たっているためか、バンド・サウンドの音色はそれ程はヘヴィではありませんが、一度聴いてしまったが最後、まるで麻薬のように抜け出すことの出来ない強烈な中毒性を持つ旋律を奏でるバンドです。
混沌とした破滅的な雰囲気に支配されながらもがらも、どこまでもメロディアスさが根付いているので、ゴシック・メタルだのドゥーム・メタルだのといったサブ・ジャンルを好むダーク・ミュージック・マニアにとっては非常に聴きやすい部類にあたるのではないでしょうか。
ベルギー出身のBathsheba、イタリア出身のMessa、ギリシャ出身のUniverse217などといったバンドが存在するように、近年のフィメール・フロンテッド・ドゥーム・メタル界には数多くの良質なバンドが存在しますが、このSinistroというバンドは、間違いなく、その中でもトップ・クラスのお気に入りの存在となりました。
あと一歩、バンド・サウンドに重みを増す事により、より一層の私の好みの作風となりますが、フィメール・フロンテッド・メタルの中では余裕の及第点を超えているとは思います。
尚、Bandcampにてダウンロードする事が可能であるデジタル・デラックス・ヴァージョンには2曲のボーナス・トラックが収録されていて、そのうち1曲は、イギリス出身のゴシック・ドゥーム・メタル・バンドであるParadise Lostがリリースした「Nothing Sacred」のカバー・ソングです。
その2曲ともに、通常盤にも収録された楽曲と比較すると、あくまでもボーナス・トラックといった位置付けの、ダークさの中にも何処か漂う優しさ、そしてこのSinistroというバンドの引出の多さを感じさせる作風だと思いました。あくまでも暗黒耽美さのみを堪能したいのであれば、通常盤で十分に事は足りるのかも知れません。
一番短い楽曲が3分、6分から9分、一番長い楽曲が11分、そして一枚のCDアルバムをトータルすると10曲60分と、楽曲の一つ一つが比較的長尺に制作されています。
ドゥーム・メタル特有の倦怠感に包まれた旋律が長々と続きますが、聴き通したとしてもまったくもって苦にならないのは、メロディ・センスの光る楽曲は勿論の事、歌唱力においても表現力においても卓越した実力の持ち主である女性ヴォーカリストとして在籍するPatrícia Andradeによる存在感の賜物だと言えるでしょう。
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