日本による尖閣諸島(中国名:釣魚島)国有化に抗議する中国国内の反日デモは17日、ひとまず小康状態を取り戻した。罪のない中国の市民が重傷を負うなどデモ隊が暴徒化している上、一部の地域では反政府スローガンまで登場し、中国当局が抑え込みを強めたためだ。だが、満州事変の発端となった柳条湖事件(1931年)の発生日から81年となる18日には、各地で大々的な反日デモが予告されており、緊張が高まっている。
北京の日本大使館は17日、大使館ホームページや個別の案内などを通じ、中国に居住する日本人に注意を喚起した。大使館は、先週末には日系企業・店舗に対する破壊・略奪が発生しており、18日には反日デモがさらに激化する恐れがあるとし、できるだけ外出を避け、安全確保に万全を期すよう促した。こうした状況を受け、北京の日本人学校は17−18日を臨時休校とした。パナソニックやキヤノンなど日系企業の中国国内工場も、多くが18日まで操業を停止する。15−16日のデモ隊による略奪・放火で大きな被害を受けた日系スーパーのジャスコや平和堂は、被害店舗を長期休業または廃業する方針だという。
12日から6日にわたり抗議デモが続いている日本大使館前は、17日も2000−3000人の市民が代わる代わるデモを行った。延べ1万人が集まった16日に比べるとやや減ったが、18日には再び参加者が大幅に増えると見込まれる。
中国当局はこれまで、反日デモをほぼ野放しにしてきたが、中国市民が大けがをしたり、財産に損害を受けたりしているだけでなく、一部地域では反政府デモに発展する兆しを見せていることから、16日からは一転して抑え込みを強めている。週末の15日から16日にかけて激しいデモが行われた広東省深セン市、湖南省長沙市、陝西省西安市、山東省青島市などの中心部では、公安(警察)による厳重な警備態勢が敷かれた。中国共産党機関紙「人民日報」などの国営メディアは「非理性的な暴力は愛国ではなく害国だ」と警告している。